ものづくり補助金平成26年度製造業福井県

タッチパネルディスプレイへの耐衝撃・耐摩耗コートの開発

株式会社エツミ光学

この事例のポイント

  • カバーガラスは落下などで破損したりキズがつきやすく、耐衝撃性・耐摩耗性の向上が長年の課題だった。
  • ガラスコーティング作業前後の断面形状を測定する触針式微細形状測定機(ET4000AK31)を導入した。
  • 測定機の導入により蒸着作業後の品質検証がしやすくなり、試作開発がスムーズになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エツミ光学
所在地福井県 鯖江市
業種その他の製造業
技術分野表面処理
従業員数162人
資本金3,000万円
設立1973年

事業の背景

同社は創業以来、真空蒸着の技術を磨き、サングラスレンズのミラーコートや反射防止コートから事業を広げてきた。液晶ディスプレイの反射防止膜、光学製品の反射増加膜、電子機器のタッチパネル防汚コーティングなど多彩なニーズがある。タッチパネルディスプレイに使われる最表面のカバーガラスは、耐衝撃性と耐摩耗性の向上が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度カバーガラスは落下などで破損したりキズがつきやすく、耐衝撃性・耐摩耗性の向上が長年の課題だった。
  • 人手・技能蒸着作業後の品質を検証しにくく、試作開発に時間がかかっていた。

やったこと

ガラスコーティング作業前後の断面形状を測定する触針式微細形状測定機(ET4000AK31)を導入した。この測定機により、キズに強く割れにくい膜厚や内部応力を数値として算出できるようになった。導入した測定機をコーティング作業の補助器具として活用し、膜厚と内部応力の最適な数値を求めた。摩耗試験機による検証では、測定機導入後のレンズが導入前に比べてキズの付きにくさが明らかに向上した。

  • 検査測定触針式微細形状測定機ET4000AK31摩耗試験機

新しい製品・サービス:タッチパネルディスプレイ向けの耐衝撃・耐摩耗コート

事業の効果

測定機の導入により蒸着作業後の品質検証がしやすくなり、試作開発がスムーズになった。コーティング膜の内部応力の最適化により耐衝撃性が向上し、摩耗試験ではキズの付きにくさが導入前より明らかに改善した。キズがつきにくいコーティングが実現し、成長途上のタッチパネル市場での競争力強化につながった。今後は多分野・多品種に対応した割れないコーティングを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の真空蒸着技術を磨いてきた経緯と、反射防止コートからタッチパネルへの応用という一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    成長途上のタッチパネル市場で競争力を強化したと明記され、割れないコーティングを強みとする方向性が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    カバーガラスの破損・キズという課題を認識し、測定機で膜厚や内部応力を数値化して改善につなげた流れが書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、耐摩耗性の向上という定性的な成果のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    技術力・開発力を強みとし、試行錯誤を重ねてきた体制は読み取れるが、人材や事務処理体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    キズがつきにくいコーティングという製品価値と、タッチパネル市場という対象、摩耗試験での比較結果が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は多分野・多品種対応の割れないコーティングを目指すとあるが、スケジュールや課題の解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    同分野で高水準の耐衝撃・耐摩耗性を追求し、割れないガラス・キズがつかない樹脂を目指すと明記されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    携帯電話カバーガラスのキズという課題や将来の事業展開可能性はうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    導入効果は品質向上や競争力強化として述べられているが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    測定機による数値化で開発を効率化した点は示されているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献までは読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    タッチパネルなど成長途上の市場への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

今後は多分野・多品種に対応した「割れないガラス」「キズがつかない樹脂」を目指し、事業化につなげていく。

事業者の声

「技術力」と「開発力」を武器に、さらなる進化を。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。