ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

綿棒ひと筋で培った高度な加工技術を活用し、医療分野に展開

株式会社 山洋

成果綿棒の細径 5mm→3mm

この事例のポイント

  • 従来の一般的な5mm径の綿棒から3mm径への細径化は技術的に難しく、欧米製の5mm径が主流となっている。
  • 短繊維にしたコットンを心棒に巻き付けた後、一定の形に立体造形する独自の技術で3mm径を実現した。
  • 綿棒の細径 5mm→3mm。補助事業により3mm径の外科手術用極細綿棒を実現し、大阪大学との共同開発と臨床試験を経て医療関係者から評価を得ている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 山洋
所在地大阪府 富田林市
業種その他の製造業
技術分野立体造形
従業員数120人
資本金6億円
設立1967年

事業の背景

綿棒をメインに綿球の製造と販売を手がけ、一般用綿棒の売上金額ベースでは国内約40%のシェアを誇るという。家庭用、医療補助用、工業用の3カテゴリーに分類し、用途ごとのニーズにきめ細かく対応している。医療分野では腹腔鏡手術などで手術器具の細径化が進んでいるが、綿棒の細径化は技術的に難しい状況にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の一般的な5mm径の綿棒から3mm径への細径化は技術的に難しく、欧米製の5mm径が主流となっている。
  • 新製品・新技術医療現場で求められる3mm径の外科手術用極細綿棒を開発する必要があった。
  • 品質・精度腹腔内で使用する綿棒は国内製のものがなく、安価な欧米製が多く使われている。

やったこと

短繊維にしたコットンを心棒に巻き付けた後、一定の形に立体造形する独自の技術で3mm径を実現した。大阪大学と連携して共同開発を進め、同大学の協力のもとで計4回の前臨床研究(動物実験)を通じて開発品のテストを実施した。医療現場のニーズや仕様の最適化について大阪大学からフィードバックを受け、ノウハウを蓄積した。補助事業を活用して電子顕微鏡やUV照射装置、検査機器、医療機器専用ラベラーなどの機械設備を拡充し、新たに導入した機械設備を活用した生産体制を構築した。市場投入に向けた安全性の検査も行った。

検査測定電子顕微鏡
検査測定UV照射装置
検査測定検査機器
その他医療機器専用ラベラー

新しい製品・サービス:3mm径の外科手術用極細綿棒

事業の効果

  • 綿棒の細径 5mm→3mm
  • 大阪大学の協力のもと、これまで計4回の前臨床研究(動物実験)を通じ開発品のテストを実施

補助事業により3mm径の外科手術用極細綿棒を実現し、大阪大学との共同開発と臨床試験を経て医療関係者から評価を得ている。医療分野での製品展開の足がかりができ、今後は大学病院への営業や学会・展示会への出展で認知度向上を図る方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来「安心・安全」をキーワードに綿棒を手がけ、一般用・工業用綿棒の製造技術を外科手術用極細綿棒へ展開していると読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内約40%のシェアを持つ一般用綿棒の強みを活かし、欧米製が主流の3㎜径手術用綿棒を国産化する競争優位が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    欧米製5㎜径が主流で国内製の腹腔内綿棒がないという課題を認識し、3㎜径の製品化で解決を図る計画が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、販売拡大の方針が示されるにとどまる。

  • 事業を進める体制3

    大阪大学との共同開発や現地工場での日本研修制度など体制の記述はあるが、人員や事務処理能力の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    腹腔鏡手術で患者負担を軽くする3㎜径綿棒という顧客ターゲットと、日本製で安価という選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    動物実験を前回4回実施し、大阪大学で実際の外科手術の臨床試験を行うなど、段階的な検証と進め方が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内では腹腔内用の国産3㎜径綿棒がなく、同分野で細径化による高付加価値化を図る製品であることが読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療費削減や日本製による安価な製品提供は書かれるが、雇用創出や波及効果の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は書かれておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    立体造形技術や大学との連携による共同開発が示されるが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    富田林市に拠点を置き国内シェア約40%の技術を持つが、地域経済の牽引に関する記述は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

販売代理店と組み、まずは全国の大学病院に積極的にPRし、海外市場への展開も視野に入れている。まずは国内市場での展開に力を注ぎ、地盤を固めたうえで次のステージに進む考えだ。

事業者の声

いかにクセになってもらうか

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。