ものづくり補助金平成26年度製造業福井県

食品製造工程における調理無菌パック

有限会社米又

この事例のポイント

  • 調理釜のふたを開けて製品を移し替えるため、調理原料や製品が空気に触れ、雑菌や異物が混入する危険があった。
  • 底抜き式の真空調理器を導入し、調理釜の底部から袋詰機へ製品を送れるようにして、空気に触れず無菌で袋詰めできる製造ラインを整えた。
  • 製造した食品を無菌で袋詰めできるようになり、異物混入の防止策も強化された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社米又
所在地福井県 福井市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数25人
資本金300万円
設立1974年

事業の背景

米又は池田町産のコシヒカリを使った胡麻豆腐などの食品を、地場産・国産の材料で手づくりし、付加価値の高い土産物として製造・販売している。近年は食品の安全確保への要求が高まっている。売上高は4億7000万円(平成28年2月期)である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度調理釜のふたを開けて製品を移し替えるため、調理原料や製品が空気に触れ、雑菌や異物が混入する危険があった。
  • 品質・精度製品が空気に触れることで酸化や吸湿の影響を受け、品質面に問題があった。
  • 新製品・新技術しょうゆだれや黒蜜、塩あんなどは外注しており、新たな商品づくりが難しかった。

やったこと

底抜き式の真空調理器を導入し、調理釜の底部から袋詰機へ製品を送れるようにして、空気に触れず無菌で袋詰めできる製造ラインを整えた。真空調理により製造時の沸騰温度が下がり、色や味の変化を抑えられるようになった。釜底からのパイプにストレーナーと金属探知機を設置して異物混入を防止した。蒸気による攪拌軸の洗浄などでメンテナンスの安全性と手間の低減を図った。冷却装置を大型化し、袋詰めまでの作業時間を低減した。

新しい製品・サービス:従来外注していたしょうゆだれや黒蜜、塩あんなどを内製・少量生産できるようになり、スイーツなど新たな商品づくりが可能になった。

事業の効果

製造した食品を無菌で袋詰めできるようになり、異物混入の防止策も強化された。機械の洗浄もより安全かつ簡易になった。釜から取り出す製品の歩留まりも向上し、コスト面のメリットも生まれた。品質面では酸化・吸湿の影響を抑え、温度管理も改善され、食品添加物の使用を控えることも可能になった。たれの種類が増えて商品の魅力が高まり、販路拡大も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は調理釜から袋詰機への移し替えで異物混入や酸化の危険があったと課題が示され、食の安全確保が経営上の柱と読める。ただし中長期の戦略記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    伝統の味や地場産・国産食材、禅寺御用達という強みはうかがえる。市場や競合の分析は書かれておらず、競争優位の論理は限定的。

  • 課題の認識と解決4

    空気接触による雑菌混入や品質劣化という課題を明示し、底抜き式真空調理器で解決している。食品添加物の使用抑制や内製化による新商品開発にもつながると書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    歩留まり向上やコスト面のメリットは書かれているが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数25人と記載はあるが、補助事業を遂行する体制や人材配置についての説明は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    安全性と品質を強みに、厳しい基準の取引先への販路拡大を期待すると書かれている。ターゲットや顧客ニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の作業時間低減や洗浄の簡易化は書かれているが、スケジュールや中長期の検証内容は記述がない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    無菌袋詰めや異物防止を強化した製造工程が、同分野で高水準の品質化を図るものと読める。市場全体の普及度に関する記述はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地場産・国産食材の活用や福井の味のPRに触れており、地域的な意義はうかがえる。国が補助する積極的理由や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    歩留まり向上やコスト面のメリットが書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    異物検出のための金属探知機や洗浄の仕組みは導入されているが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    福井の地場産食材を使い、福井の味をPRする商品づくりに取り組むと書かれており、地域の特性を活かす姿勢は読み取れる。

今後の展望

幅広いたれ類を内製化できるため新たな商品開発が可能になり、安全性や品質の基準が厳しい取引先への販路拡大も期待できる。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。