ものづくり補助金平成26年度サービス業(他に分類されないもの)山梨県

近赤外線超高速塗装乾燥システムの導入による作業効率化と付加価値向上

株式会社 イチムラボディーショップ

成果全工程作業時間 260分→120分

この事例のポイント

  • 自動車補修作業のなかで塗装乾燥工程に時間がかかり、作業効率化のネックになっていた。
  • 近赤外線を活用した超高速塗装乾燥システム「クイックドライシステム」を全国初導入し、これに合わせて新工場を建築した。
  • 全工程作業時間 260分→120分。乾燥時間が短縮され、全工程の作業時間が半分以下になるなど作業効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 イチムラボディーショップ
所在地山梨県 甲斐市
業種自動車整備業
従業員数7人
資本金300万円
設立1968年

事業の背景

自動車の整備と板金塗装を行う自動車整備業者で、甲斐市の釜無川沿いに整備工場を構える。近年は車の安全性能の向上による事故率の低下や保険料率の改定などにより、自動車補修業界を取り巻く環境は厳しくなっている。新たな設備投資は直接売上に結びつくわけではなく、投資額も大きいため、導入する整備工場は全国的にも少ない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車補修作業のなかで塗装乾燥工程に時間がかかり、作業効率化のネックになっていた。
  • 人手・技能乾燥時間は温度や湿度などの環境に左右され、作業者の技術向上によって短縮することができなかった。
  • その他環境や従業員の健康への配慮から水性塗料への移行を5年ほど前から目指していたが、乾燥に時間がかかるため作業時間や品質で望む結果が得られず、移行に踏み切れずにいた。

やったこと

近赤外線を活用した超高速塗装乾燥システム「クイックドライシステム」を全国初導入し、これに合わせて新工場を建築した。システム販売会社のアドバイスを受けながら最適なスペースを確保した。導入後は黒、赤、銀メタなど色の異なる実験車両やパネルを使い、ベース塗料とクリア塗料で塗装を行い、乾燥工程時間、塗装ブース内のチリやほこりが付着して生じるブツの数、仕上がり具合などの検証を約3か月間重ねた。その結果、全工程作業時間は260分から120分へと2分の1以下になり、ブツ数は約140個から10個程度へと大幅に減少した。

加工機近赤外線超高速塗装乾燥システム(クイックドライシステム)

事業の効果

  • 全工程作業時間 260分→120分
  • ブツ数 140個→10個

乾燥時間が短縮され、全工程の作業時間が半分以下になるなど作業効率が向上した。ブツの発生も大幅に減り、仕上がり品質と付加価値が高まった。水性塗料への完全切り替えも実現し、作業者の健康と環境への負担も減らせた。新工場と新設備により、短納期と高品質をめざす体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組の記載は乏しいが、社長が最新設備と技術でサービスを高める方針を語り、整備工場の改善に一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国初導入や視察が訪れる点で他社との差別化はうかがえるが、市場動向や経営資源の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    塗装乾燥工程が作業効率化のネックだと課題を示し、全工程作業時間260分から120分へ半減させた具体的な効果が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    全工程作業時間を260分から120分へ半減させた数値目標に基づく実績が示され、付加価値向上の見込みも具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員7名や新工場の建築、システム販売会社の助言は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ブツ数が140個から10個へ減ったことや、欧州車・新車ラインの水性塗料移行など、選ばれる理由と品質の裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    約3か月の検証を重ねて導入効果を確認し、今後は短納期・高品質をめざす計画が示されるが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    近赤外線超高速乾燥は日本初導入で、同じ分野の中で高水準の高付加価値化を図る取組であることが具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    水性塗料への移行による作業者の健康と環境負担の削減が書かれ、社会的意義はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数値は薄い。

  • 費用対効果3

    作業時間半減とブツ数の大幅減少という効果は読めるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ガス触媒による近赤外線発生という先端的技術の活用はうかがえるが、サプライチェーンや地域への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    釜無川沿いの甲斐市で先進的整備工場として全国から視察を集める点は地域の注目が読めるが、地域特性を活かした雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は新たな従業員の雇用にも取り組み、クイックドライシステムの活用を高めて、さらなる短納期と高品質をめざす計画である。

事業者の声

ボディを熱することなく、塗料やパテのみを短時間で乾燥させることができる画期的なシステムです。車そのものの熱が上がりにくいので車への負担が少なく、もちろん仕上がりもとてもきれいです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。