ものづくり補助金平成25年度サービス業(他に分類されないもの)山口県

3次元計測機を使用した革新的な鈑金修理工程の確立と水性塗料及び水性塗装ブース導入による環境修理サービスの提供

有限会社山陰ボデー

この事例のポイント

  • 車体構造が多様化・高度化し、目視や職人の経験だけに頼る損傷診断では歪みを正確に把握することが難しくなっていた。
  • 自動車の損傷を正確に計測するため、三次元計測機を導入した。
  • 三次元計測機の導入により、経験の少ない作業員でも正確かつ短時間で損傷箇所を計測できるようになり、作業の生産性が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社山陰ボデー
所在地山口県 山口県萩市
業種自動車整備業
従業員数14人
資本金1,000万円
設立1976年

事業の背景

山口県萩市で板金・塗装、車両販売、ロードサービス、車検整備、保険などを手掛けている。最も大きな売上を占めるのは板金・塗装事業で、主な顧客は損害保険会社や自動車ディーラーである。自動車の車体構造は多様化・高度化しており、次世代自動車の修理に対応できる工場に受注が集中すると予想される。業界全体の修理件数は減少している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度車体構造が多様化・高度化し、目視や職人の経験だけに頼る損傷診断では歪みを正確に把握することが難しくなっていた。
  • 新製品・新技術自動車メーカーの新車はほぼ全て水性塗料を使用しているが、県内の修理工場の多くは溶剤系塗料を使い続けており、環境対応が遅れていた。
  • 販路・情報発信次世代自動車の修理に対応できる技術水準や顧客対応力の高い工場へ受注が集中すると予想されていた。
  • 集客・繁閑業界全体で修理件数が減少している。
  • 人手・技能将来的に自動車整備士の人材不足が懸念されていた。

やったこと

自動車の損傷を正確に計測するため、三次元計測機を導入した。目視では判断しにくい車体寸法を高精度に計測できるよう、三次元計測機を用いたコンピューター診断を取り入れた。地球環境に配慮するため、水性塗装ブースを導入した。水性塗装ブースは山口県内でいち早く導入し、次世代自動車を修理できる体制を整えた。

事業の効果

三次元計測機の導入により、経験の少ない作業員でも正確かつ短時間で損傷箇所を計測できるようになり、作業の生産性が大きく向上した。修理前と修理後のデータを数値化して顧客に明確に説明できるようになり、顧客満足度も向上した。若い作業員でも早期に戦力化できるため、人材確保の面でも効果があると考えられる。水性塗装ブースの導入により完成車メーカーのニーズに対応できるようになり、溶剤系塗料から発生する有害物質も抑制して作業員の労働環境と身体的負担の改善につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    板金・塗装事業が最大の売上で、環境変化への対応として設備投資を継続する方針が示されているが、過去の取組との連続性の詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    完成車メーカーの水性塗料ニーズや次世代車の修理集中予測を踏まえ、板金・塗装の技能水準の高さを競争力として挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    目視計測の困難化という課題を認識し、三次元計測機と水性塗装ブースで解決する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上や人材の早期戦力化は述べられているが、数値の目標や付加価値額の目標は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    板金・塗装全国大会で毎年優秀な成績を収める技能水準と従業員14人の体制が記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は損害保険会社やディーラーで、完成車メーカーの水性塗料ニーズに応えることが選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の展望として販売事業の強化が書かれているが、本事業の遂行スケジュールや導入手順は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    水性塗料は溶剤系より高コストだが、山口県内でいち早く導入し、高水準の対応力を持つ点が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    次世代車の修理対応や県内の環境対応の遅れに触れているが、波及効果や雇用創出の具体的な記載は少ない。

  • 費用対効果2

    生産性が大きく向上したとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    三次元計測機によるコンピューター診断の導入は示されているが、サプライチェーン全体への貢献には触れていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    次世代自動車への対応や環境配慮が述べられているが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及3

    萩市で地域の顧客に支持される体制を持つと書かれているが、地域経済への波及や雇用創出は述べられていない。

今後の展望

今後は高い競争力を背景に板金・塗装事業の受注拡大を図るとともに、自動車販売事業を強化する。これまで手薄だった一般消費者にもアプローチし、自動車の購入から車検、事故時の修理までワンストップで受けられる体制を構築する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

広島県サービス業(他に分類されないもの)平成27年度

自動車整備のプロセス改善と高度化計画

支柱の間隔が広い門型2柱リフトワイドを2式と低床式エアーガレージジャッキを1台導入し、旧型リフト2台と入れ替えた。

効果:タイヤ脱着工程の順番待ち時間 100分/日→15分/日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。