ものづくり補助金平成26年度製造業山梨県

新素材としてのパラジウム合金の鋳造技術の向上と新製品開発を図る

株式会社 雨宮金属

成果出来(鋳造品の出来具合) 60%→85%

この事例のポイント

  • パラジウム合金は鋳造時に溶けた金属がスムーズに流れず、鬆(ス)やヒビ割れ、バリが生じやすい。
  • 光造形機、真空加圧式鋳造機及び中型電気炉を導入した。
  • 出来(鋳造品の出来具合) 60%→85%。中型電気炉の導入で焼成時間と焼成むらが従来より改善し、真空加圧式鋳造機の導入で試作ごとに鋳造条件を調整できるようになっ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 雨宮金属
所在地山梨県 笛吹市
業種その他の製造業
技術分野材料製造プロセス,立体造形
従業員数34人
資本金1,000万円
設立1965年

事業の背景

資源価格の高騰により、18金やプラチナに代わる新素材としてパラジウムが注目されている。パラジウムはプラチナより約30%安く、比重が軽いため装着感に優れる。しかし加工技術は未だ確立されておらず、パラジウム合金を作れるメーカーは少ない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度パラジウム合金は鋳造時に溶けた金属がスムーズに流れず、鬆(ス)やヒビ割れ、バリが生じやすい。
  • 新製品・新技術パラジウムジュエリーの中でイヤリングはほとんど商品開発されておらず、取引先からも開発が強く求められている。

やったこと

光造形機、真空加圧式鋳造機及び中型電気炉を導入した。中型電気炉は炉内温度が均一かつ早く上がり、焼成時間と焼成むらが従来より良い結果が得られた。真空加圧式鋳造機は細かな設定が可能で、試作ごとに調整した結果、機械内の温度が早く高温まで上がりパラジウムの加工に適していることを確認した。パラジウム合金を使い大ぶりで繊細なイヤリングの試作に取り組み、ヒビ割れ・バリの解消ができた。ス・硬度については満足のいく結果は得られていない。

加工機DWS光造形機
加工機真空加圧式鋳造機
加工機中型電気炉

新しい製品・サービス:パラジウム合金を用いた大ぶりで繊細なイヤリング

事業の効果

  • 出来(鋳造品の出来具合) 60%→85%

中型電気炉の導入で焼成時間と焼成むらが従来より改善し、真空加圧式鋳造機の導入で試作ごとに鋳造条件を調整できるようになった。その結果、パラジウム加工に適した設備であることが確認された。ヒビ割れ・バリは解消でき、出来は60〜70%から85%程度に向上した。一方でス・硬度は未達で、今後の試作検証が必要とされている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業当初の金属加工から貴金属・ライトジュエリーへ広げた経緯は書かれるが、本件イヤリング開発が経営戦略上どう位置付くかは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    パラジウムジュエリーのイヤリングはほとんど商品開発されておらず取引先からも要望が強いとあり、市場機会は読み取れる。自社の強み・弱みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    鋳造時のス・ヒビ割れ・バリという課題を特定し、ヒビ割れ・バリは解消できたと書かれ、課題認識と取組の対応は具体的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    鋳造の出来が60〜70%から85%になったと書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    社長が製作指揮と営業を担う体制は書かれるが、技術者や事務処理体制など補助事業を遂行する人材面の具体は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽量・硬く傷つきにくい・安いという特性と繊細で大ぶりなデザインの魅力、イヤリングの品薄が明記され、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作を続けて問題点を一つずつ解決する方針は書かれるが、スケジュールや今後の具体的な検証計画は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    パラジウムは取扱店舗が約350店舗程度で普及は緩やか、作れるメーカーが少ないとあり、高付加価値化を図る新市場として明確に読み取れる。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    新たな素材の分野確立や取引先の要望に触れるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    希少金属素材を用いた新分野の確立に触れるが、日本経済の構造転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    山梨県笛吹市の所在は書かれるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述はうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

パラジウムジュエリーは取扱店舗が2013年以降約350店舗に増えたが、普及は緩やかである。ジュエリー業界はトレンドの広がりが早く、一度注目されると急速に普及するのが通例とされ、パラジウムもその特性から見込みがあるとされている。

事業者の声

デパートの1階を主戦場として、そこに輝きのある商品で展開していきたいんです。

公式の事例集より(原文のまま)

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効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。