ものづくり補助金平成28年度製造業山梨県

複雑なデザインのプラチナ・ジュエリーを製造するための設備導入

株式会社アメス

成果原型とシリコン型が不要になり、1/3の時間で製品を作ることが可能になった。

この事例のポイント

  • ジュエリー業界では大量生産の受注が減少し、小ロット多品種の注文受けへ移行しているが、顧客からは短納期と低コストが絶対条件とされている。
  • 複雑なデザインのプラチナ・ジュエリーを製造するため、3Dプリンターとワックス樹脂造形ができる光造形機(機-100)を導入し、レーザー光を樹脂の層に当てて1層ごとに樹脂を硬化させ樹…
  • 原型とシリコン型が不要になり、1/3の時間で製品を作ることが可能になった。ダイレクト鋳造により原型とシリコン型が不要になり、製品を1/3の時間で作れるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アメス
所在地山梨県 甲府市
業種その他の製造業
技術分野デザイン,立体造形
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1993年

事業の背景

若くして独立した大友社長は、最初は一人で仕事を始めた。貴金属加工製造業としてデザイン、鋳造、磨き、石留めを自社で一貫して行っている。顧客からの個性的で緻密なデザインの要望や、短納期・低コストの要求が重なる状況にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ジュエリー業界では大量生産の受注が減少し、小ロット多品種の注文受けへ移行しているが、顧客からは短納期と低コストが絶対条件とされている。
  • 生産能力従来の製造工程は原型作成からシリコン型、ワックス、鋳造、磨きまで多段階であり、複雑なデザインのプラチナ・ジュエリーを効率よく早く低コストで仕上げることが難しい。
  • 人手・技能細かな仕上げ工程の刻印加工を外注に委託しており、短納期化の妨げになっている。
  • 人手・技能技術を持つ人が減りつつあり、今ある技術を別の形で残すことが課題になっている。

やったこと

複雑なデザインのプラチナ・ジュエリーを製造するため、3Dプリンターとワックス樹脂造形ができる光造形機(機-100)を導入し、レーザー光を樹脂の層に当てて1層ごとに樹脂を硬化させ樹脂型を造形した。高周波真空自動遠心鋳造機(機-102)を導入し、高速回転によりプラチナ金属の流動性を高めて鋳造工程で使用した。これによりダイレクト鋳造によるプラチナ・ジュエリーの製造に取り組んだ。レーザーマーカーも導入し、細かな箇所の磨きの品質向上と刻印の内製化を図った。

加工機光造形機(機-100)
加工機高周波真空自動遠心鋳造機(機-102)
加工機レーザーマーカー

新しい製品・サービス:複雑なデザインのプラチナ・ジュエリーをダイレクト鋳造で製造する生産体制

事業の効果

  • 原型とシリコン型が不要になり、1/3の時間で製品を作ることが可能になった。

ダイレクト鋳造により原型とシリコン型が不要になり、製品を1/3の時間で作れるようになった。納期短縮により海外加工への進出につながり、受注数も増加した。個人顧客や他社ブランドからの複雑なデザインのジュエリー製作依頼にも対応でき、結婚指輪などプラチナ製品のデザインの幅も広がった。短納期にも対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業25年、若くして独立し一人で始めた事業でデザイン・鋳造を内製してきた経緯が書かれ、一貫性がうかがえる。経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大量生産からの小ロット多品種への移行や、デザイン・鋳造・磨き・石留を一貫して行う点が強みとして示される。定量的な比較はない。

  • 課題の認識と解決4

    従来工程は原型作成からシリコン型まで多段階で、外注の刻印加工が短納期の妨げと課題が明確。ダイレクト鋳造で納期を約1/3に短縮したと書かれる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    1/3の時間で製品を作れる点や海外加工への進出が記載されるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    職人の技術継承や人の育成が難しいと記載あり。補助事業の遂行体制(人員、事務能力)の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    複雑で繊細なプラチナジュエリーの小ロット・短納期・低コストという顧客ニーズと、個人客や他社ブランドからの受注拡大が具体的に書かれる。

  • 事業化までの道筋3

    ダイレクト鋳造の課題(鬆・引けなど)を実験で調整し初めて成果を得たと記載。中長期のスケジュールや体制は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    プラチナの複雑デザイン鋳造はダイレクト鋳造という高水準の技術で、既存の量産型製法と差別化された高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外加工への進出や受注増加が書かれるが、雇用創出や地域波及、川上川下への効果は具体的に述べられていない。

  • 費用対効果3

    1/3の時間短縮や受注数増加が記載されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dプリンターや光造形機、レーザーマーカーによる内製化など先端技術の活用が書かれ、技術継承の視点もある。サプライチェーンへの貢献は示されない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    3Dプリンターによる小ロット対応など製造の高度化が書かれるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    甲府の地場産業である貴金属業界を起点とし地域性が示される。地域の雇用や経済成長への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

人や技術の問題ですね。これから先、技術を持った人はどんどん少なくなっていく状況もあります。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。