ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業山梨県

環境配慮型塗料工程導入支援による作業環境改善と生産性向上の実現

株式会社ドバシ

この事例のポイント

  • 鈑金塗装工場が塗料メーカー主催の研修会に参加したくても、研修場所が県外など遠隔地にあり、時間と費用の負担が大きい。
  • 山梨県内に水性塗料対応の環境配慮型研修場所を設置するため、イタリア製塗装ブース「サイマ」などを導入した。
  • 自社内に水性塗料対応の研修施設を設置したことで、遠隔地への移動や会場の日程調整の負担がなくなり、研修を効率的に開けるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ドバシ
所在地山梨県 甲府市
業種その他の卸売業
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1954年

事業の背景

同社は1954年設立の塗料卸売業で、1935年に創業した塗料販売店を前身とし、現在は自動車補修塗料、建築塗料、工業用塗料などを扱っている。環境対応塗料である水性塗料の需要は近年急速に伸びているが、有機溶剤型塗料を使う鈑金塗装工場が少なくなく、普及が進んでいない。同社の取引先には水性塗料の使用に意欲的な工場が多くあるものの、研修環境の不足が普及の妨げとなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能鈑金塗装工場が塗料メーカー主催の研修会に参加したくても、研修場所が県外など遠隔地にあり、時間と費用の負担が大きい。
  • 販路・情報発信塗料メーカーの技術者を招いて研修を企画しても、県内に研修場所がないため地元鈑金塗装工場に会場提供を依頼せざるを得ず、日程調整ができない。
  • 販路・情報発信研修会場が確保できたとしても、地元の鈑金塗装工場が仕事中のため施設を空けにくく、研修を効率的に開くことが難しい。

やったこと

山梨県内に水性塗料対応の環境配慮型研修場所を設置するため、イタリア製塗装ブース「サイマ」などを導入した。社員全員で検証作業を行いながら、水性塗料を用いた自動車鈑金塗装修理のマニュアルを作成し、検証後のテストピースを後日の研修教材として使用する。先進的な鈑金塗装工場と連携して水性塗料の技術サービス向上を図り、ネットワーク上で情報提供を行ってサポート体制を充実させる。後継者も塗料メーカー主催の6か月にわたる研修に参加し、塗装業者に直接技術的なアドバイスを行える体制を整えた。

加工機イタリア製塗装ブース「サイマ」
その他研修用設備(研修ルーム)

新しい製品・サービス:水性塗料対応の環境配慮型研修場所および水性塗料を用いた自動車鈑金塗装修理マニュアル

事業の効果

自社内に水性塗料対応の研修施設を設置したことで、遠隔地への移動や会場の日程調整の負担がなくなり、研修を効率的に開けるようになった。研修のマニュアルと模擬研修により、塗装工場の技術習得が進んでいる。水性塗料の普及が進むことで、塗装作業者の健康・安全を守る作業環境の改善と生産性向上が期待される。また有機溶剤の使用が減ることでCO2削減など地球環境への貢献が始まったと言える。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    卸販売の立場から研修会を重ねてきた経緯と、水性塗料普及を目指す方針が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県外遠隔地での研修負担という課題と、県内に施設を置く対応が書かれ、強みと外部環境の関係がある程度読める。

  • 課題の認識と解決4

    研修場所の不足・日程調整の困難・水性移行のハードルという課題を挙げ、研修施設設置で解決する計画が読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    CO2削減や作業環境改善は触れられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    社員全員で検証作業を行い、マニュアル作成や模擬研修を重ねた実績が書かれ、遂行体制の一端が読める。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先の水性塗料に意欲的な鈑金塗装工場が多いというニーズと、研修での技術提供による信頼構築が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    ネットワーク上の情報提供や6ヶ月研修への後継者参加が書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しくない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    水性塗料は普及が進んでいない分野とされ、環境対応塗料の需要増加も書かれているが、高価格化の記述は乏しい。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    VOC規制強化や地球環境保全への貢献、CO2削減に触れており、社会的な意義が読み取れるが数値はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    ネットワーク上での情報提供によるサポート体制の充実が書かれているが、デジタル技術の活用は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    環境対応塗料へのシフトという市場の変化に沿った取組が書かれ、構造転換との関連がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    山梨県内に研修場所を設けて地元の鈑金塗装工場を支える点がうかがえるが、雇用や経済成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

ずっと、塗料販売を家業としてきました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

欲しいウイスキーが見つかるポータルサイト「SAKEDORI」

20ml の有料試飲ボトルを販売する「SAKETRY」の新規会員集客と宣伝告知を目的に、情報ポータルサイト「SAKEDORI」を開発した。

効果:サイト運営開始後、2年目に比べて現在の売上額は2倍以上に成長した。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。