ものづくり補助金平成29年度卸売業、小売業岩手県

新たな車体プリント事業の創出による受注の拡大

岩手興産株式会社

成果新設備により施工可能な車両は年間10〜15台ほどあり、そのすべてを受注する予定

この事例のポイント

  • 車体塗装を外注に頼っており、短納期化とコスト低減が図れていなかった。
  • 大型インクジェット方式の塗装装置であるオートボディプリンター((株)エルエーシー、現リコーデジタルペインティング(株)製)を導入した。
  • 新設備により施工可能な車両は年間10〜15台ほどあり、そのすべてを受注する予定。車体塗装の内製化により短納期化と低コスト化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名岩手興産株式会社
所在地岩手県 北上市
業種その他の小売業
従業員数10人
資本金1,800万円
設立1972年

事業の背景

岩手興産は1972年創業で、トラックなどの自動車整備・修理、燃料販売、各種保険の取り扱いを行ってきた。利益率の高い自動車整備事業を今後さらに展開する方針である。車体プリントは「走る広告」として全国で需要が高まっており、主要顧客の岩手雪運や既存取引先からも受注の見込みがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力車体塗装を外注に頼っており、短納期化とコスト低減が図れていなかった。
  • 人手・技能従来のマスキングやカッティングシートによる施工には職人の高い技術が必要で、職人の養成が難しかった。
  • 新製品・新技術自動車整備事業をさらに展開するため、新たに車体プリント事業へ取り組む必要があった。

やったこと

大型インクジェット方式の塗装装置であるオートボディプリンター((株)エルエーシー、現リコーデジタルペインティング(株)製)を導入した。導入機器はプリンター本体、制御用のパソコン、インクを噴射するコンプレッサーである。オートボディプリンターは軽自動車から10tトラックまで対応し、下準備を含め1台を約5日〜1週間で仕上げられる。耐候性・耐水性・耐光性を備えたインクを使用し、高精細な写真も再現できる。車体プリント専任の社員を新たに1名雇用した。

加工機オートボディプリンター(大型インクジェット式車体塗装装置)
ソフトプリンター制御用パソコン
その他インク噴射用コンプレッサー

新しい製品・サービス:オートボディプリンターによる車体プリント事業(トラック荷台などへのデザイン直接プリント)

事業の効果

  • 新設備により施工可能な車両は年間10〜15台ほどあり、そのすべてを受注する予定
  • 現在取引のある企業や近隣の貨物自動車運送事業者への営業で、年間20台以上の受注を見込む
  • 下準備含め約5日〜1週間ほどで仕上げることができる

車体塗装の内製化により短納期化と低コスト化が実現した。自社でプリントできることで新たな車体プリント事業が生まれ、既存・新規を含めた受注拡大が見込まれる。年間10〜15台(グループ会社分)と20台以上(外部)の受注が見込まれ、整備事業と合わせて従来事業の付加価値向上にもつながると期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の整備・修理・燃料販売などから利益率の高い自動車整備事業を展開する方針が書かれ、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    車体プリントの需要増加と東北で3社のみの保有という事実があり、差別化の方向は読み取れる。競争優位の根拠の数値は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    外注していた車体塗装を内製化し、短納期化・低コスト化を図る課題認識と解決策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間10〜15台の施工と年間20台以上の受注見込みが示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    オートプリンター専任の社員を新たに1名雇用すると書かれているが、事務処理体制や補助事業遂行能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽自動車から10tトラックまで対応し、耐候性・耐水性のインク、約5日〜1週間の納期など顧客ニーズへの対応が具体的。

  • 事業化までの道筋3

    主要顧客からはじめ徐々に拡大する方針と、グループ会社の新車への施工を中心とする段階的計画が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    車体プリントは他社との差別化や高精細印刷を強みとし、東北で3社のみの保有という希少性が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域イベント告知やPRのプリントで地域貢献につなげる旨が書かれるが、波及効果の数値は薄い。

  • 費用対効果3

    外注から内製化により低コスト化を実現したと書かれ、投資に対する効果の定性的な説明はあるが数値は少ない。

  • イノベーションへの貢献2

    オートボディプリンターというデジタル機器の活用は書かれているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの言及は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    車体プリントは需要が高まる分野とあるが、日本経済の構造転換への言及はうかがえる程度にとどまる。

  • 地域経済への波及3

    北上市の整備工場として地域の告知やPRに貢献する旨があり、地域への関わりは読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

主要顧客やグループ会社の車両から受注を広げ、徐々に車体プリント事業の割合を増やしていく計画である。東北で同機を所有するのは3社のみで、整備と一緒に提供することで差別化を図る。地域のイベント告知やPRのプリントにも取り組み、地域貢献につなげたい。

事業者の声

他の自動車整備工場との差別化を図っていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。