ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

高精度測定器の導入により、成長分野向け製品の事業拡大を目指す。

渋江精密工業株式会社

成果段取り時間を約5分の1に短縮

この事例のポイント

  • 複雑形状部品の検査を外部に委託しており、時間と手間がかかっていた。
  • 複雑形状部品の複数のポイントを瞬時に測定できる最新鋭の画像検査装置を導入した。
  • 段取り時間を約5分の1に短縮。導入した画像検査装置により、複雑形状部品の外部測定委託が内製化され、測定時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名渋江精密工業株式会社
所在地長野県 諏訪市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数21人
資本金1,600万円
設立1951年

事業の背景

渋江精密工業は1951年に切削加工によるオルゴール部品の下請けとして創業し、時計、8ミリカメラ、デジタルカメラ、プリンターヘッドなどの極小精密部品を製造してきた。時計の駆動装置に組み込まれる0.5~0.6ミリ程度の部品は月産約2千万個を誇る。現在は半導体製造装置や自動車部品の比率が高まり、売上げベースでは自動車エンジンのタイミングチェーンに使われる部品が4割を占める。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度複雑形状部品の検査を外部に委託しており、時間と手間がかかっていた。
  • 生産能力製造の段取り替えの効率が悪く、社内検査体制の充実が急務だった。
  • コスト・採算半導体チップ吸着用シャフトは工程が煩雑で処理に不安があり、高コストになっていた。

やったこと

複雑形状部品の複数のポイントを瞬時に測定できる最新鋭の画像検査装置を導入した。検査結果を即座に製造現場にフィードバックできるようにした。半導体チップ吸着用シャフトについては、工程の同時化と処理の安定化により40%のコストダウンを目指す試作開発を行った。

検査測定高精度画像測定器

新しい製品・サービス:多孔構造体(特許取得)を自社開発し、成形金型のガス抜き用フィルターピンヘッドとして応用を進めている。

事業の効果

  • 段取り時間を約5分の1に短縮

導入した画像検査装置により、複雑形状部品の外部測定委託が内製化され、測定時間が大幅に短縮された。検査結果を製造現場に即座に返せるため、段取り時間が約5分の1になり、素早い量産につなげられるようになった。納品時の検査表作成の手間も減り、品質向上にも役立っている。社内の加工プロセス開発とコストダウン・高品質化に大きく寄与する体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    時計部品で培った超精密切削加工技術を基盤に、自動車・半導体分野へ比率を広げてきた経緯が記載され、既存技術との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    少量高精度部品は輸送コストが低く海外にも売れると述べられているが、市場動向と自社の強み・弱みを比較した記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    複雑形状の検査を外部委託していた課題を認識し、画像検査装置導入で段取り時間を約5分の1に短縮する具体策が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    段取り時間を約5分の1に短縮する数値目標と、導入後の効果が事例に示されており、実現性の根拠がある。賃上げや付加価値額の目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員21名の会社であることと、ベテランから若手への技術移転が記載されているが、補助事業を遂行する体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度極小部品の自動車・半導体向けという顧客層は示されているが、選ばれる理由は技術面に限られ、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    事業化に向けた中長期の遂行方法やスケジュールは書かれておらず、わずかに技術移転の方針がうかがえる程度。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    複雑形状や難削材の高精度加工を、同業他社が少なく差別化しやすい分野で行う点が事例から読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品や半導体製造装置の分野で製造を行う点はうかがえるが、国が補助する積極的理由や波及効果の記述はない。

  • 費用対効果3

    検査時間短縮や納品時の検査表作成の手間削減が記載されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    画像検査装置による検査結果の製造現場へのフィードバックはうかがえるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    半導体製造装置や自動車部品など成長分野への比率拡大がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    諏訪市で量産を追求する姿勢と、諏訪の工業団地に立地する点が記載され、地域の事業としての位置づけが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

  • 目標:工程の同時化・処理の安定化により40%のコストダウンを目指す

事業者の声

当社にとって画期的な設備。納品時の検査表作成に手間がかからなくなっただけでなく、品質向上にも大きく役立っています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。