ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

非侵襲指先毛細血管状態の自動測定評価システムの試作開発

あっと株式会社

この事例のポイント

  • 毛細血管の状態を感覚的なアドバイスではなく、誰が観察しても同じ数値を根拠に示せるよう、画像を自動で測定する仕組みが必要だった。
  • 外注先に毛細血管の画像処理システム開発を依頼し、千葉大学で50人分の毛細血管データを使った臨床検証を行った。
  • 毛細血管の画像を自動で数値化できるようになり、誰が観察しても同じ結果が得られる状態が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名あっと株式会社
所在地大阪府 大阪市中央区
業種電気機械器具製造業
技術分野情報処理,測定計測
従業員数4人
資本金1億円
設立2009年

事業の背景

2009年設立の同社は、父親が開発した技術を継承して起業し、毛細血管の血流を観察する健康チェック機器「血管美人」を製造・販売している。前身の会社は現在より大型の装置を約2,000台販売しており、本体の小型化やデータの数値化を進めてきた。2016年のNHK番組で取り上げられて大きな反響があり、これまでに500台を販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度毛細血管の状態を感覚的なアドバイスではなく、誰が観察しても同じ数値を根拠に示せるよう、画像を自動で測定する仕組みが必要だった。
  • 新製品・新技術毛細血管を観察できる装置は既にあったが、この課題を解決したものは現存せず、優位性を持つ装置を作る必要があった。

やったこと

外注先に毛細血管の画像処理システム開発を依頼し、千葉大学で50人分の毛細血管データを使った臨床検証を行った。大阪大学と共同研究で得た、画像を二値化する反応拡散法の数値化アルゴリズムを活用し、毛細血管の長さ、太さ、ねじれなどを計測できるようにした。その後、至誠館大学で20人分のデータを使って臨床を行い、システムの信頼性評価を得た。最終的に顕微鏡設備を導入し、毛細血管画像の取得装置と自動測定評価システムを完成させた。専門家の判定と90%一致させることを目標とした。

検査測定毛細血管画像撮像用顕微鏡
ソフト毛細血管画像処理システム

新しい製品・サービス:毛細血管画像の取得装置と自動測定評価システム

事業の効果

毛細血管の画像を自動で数値化できるようになり、誰が観察しても同じ結果が得られる状態が実現した。これにより研究分野での受託研究サービスを始められるようになった。毛細血管の観察データを科学的に示せるため、ビジネスの可能性が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    父の開発技術を継承して2009年に設立し、大阪大学との共同研究で血管画像技術を発展させた経緯が書かれています。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「唯一無二」の差別化や研究者向け受託サービスは書かれていますが、市場データや競合比較は示されていません。

  • 課題の認識と解決4

    課題を「誰が観察しても同じ結果」と明示し、50人・20人分の臨床データで検証して解決した経緯が書かれています。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    専門家判定との90%一致という精度目標はありますが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていません。

  • 事業を進める体制3

    従業員4名の小規模体制で、大阪大学・千葉大学・至誠館大学と連携して開発を進めたと書かれています。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    販売先として医療機関・薬局・企業などを挙げ、既に500台を販売した実績が示されています。

  • 事業化までの道筋3

    外注開発、大学での臨床、顕微鏡導入と段階的に進めた経緯は読めるが、今後の期限や日程は示されていません。

  • 財務と資金の調達2

    資本金1,000万円と記載はありますが、借入や補助金以外の資金調達の見込みは書かれていません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    毛細血管の数値化装置は現存しないと位置づけられ、同分野で高付加価値を狙う内容とうかがえます。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    健康寿命の延伸や医療費の高騰への対応が述べられ、国も推進する予防分野への寄与が読み取れます。

  • 費用対効果2

    補助金額と付加価値・生産性の増加を結びつける数値は書かれておらず、費用対効果は読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    画像処理アルゴリズムや大学との共同研究で、新しい健康指標の測定の仕組みを作ったと書かれています。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    予防分野の需要拡大に触れ、体温計や血圧計のように家庭に普及させる構想が述べられています。

  • 地域経済への波及2

    大阪の企業ですが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への言及はありません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

毛細血管評価研究会を近々設立し、機器の使用手順やデータ活用の標準化を進めて普及を図る。家庭向けの機器普及も目指す。

事業者の声

病気の指標はたくさんあるが健康の指標がありません。故に健康になりたい人がどのようにすれば良いかがわからない。我々が指先の毛細血管から健康指標を作ることによりその問題を解決し、世界中の人の健康を見守りたいと考えております。

公式の事例集より(原文のまま)

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効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。