ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

多品種少量短納期製品のリードタイム短縮とコストダウンへの取組

信越ハーネス株式会社

この事例のポイント

  • 医療機器業界から多品種・少量・短納期の製品需要が高まっているが、これに十分対応できていなかった。
  • 高精度ストリッパー、切断から皮剥まで一貫して行うケーブル加工機、配線色の自動検査機などを導入した。
  • 多品種少量短納期化という医療機械市場のニーズに対応するため、専用の生産ラインを構築し、品質を犠牲にせずにリードタイム短縮と原価低減を両立する生産システムを確立した。

事業者のプロフィール

事業者名信越ハーネス株式会社
所在地長野県 岡谷市
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数54人
資本金3,500万円
設立1982年

事業の背景

信越ハーネスは1982年創業のハーネス専業メーカーで、電気・電子機器や産業機械分野を中心に量産品製造を得意とし、全国でも有数の会社である。特に電線の芯線を圧着端子に結線する工具(アプリケーター)は約300種類のメーカー純正品を保有し、全国トップクラスの規模を誇る。一方、近年は医療機器業界からの引き合いが増え、多品種・少量・短納期製品のリードタイム短縮とコストダウンへのニーズが高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑医療機器業界から多品種・少量・短納期の製品需要が高まっているが、これに十分対応できていなかった。
  • コスト・採算多品種・少量・短納期製品のリードタイム短縮と原価低減の両立が課題だった。
  • 人手・技能ハーネスの製造工程は加工が多様で人手に頼る部分が多く、生産効率を上げる必要があった。

やったこと

高精度ストリッパー、切断から皮剥まで一貫して行うケーブル加工機、配線色の自動検査機などを導入した。これらにより品質を犠牲にせず、リードタイム短縮と原価低減を両立する専用の生産システムを確立した。また時間を決めて計画的に生産の分散化を図り、自動機の効率的稼動を実現した。

加工機高精度ストリッパー
加工機ケーブル加工機(切断から皮剥まで一貫して行うもの)
検査測定配線色の自動検査機

事業の効果

多品種少量短納期化という医療機械市場のニーズに対応するため、専用の生産ラインを構築し、品質を犠牲にせずにリードタイム短縮と原価低減を両立する生産システムを確立した。これにより、これまで十分対応できなかった試作品・小ロット品の受注率向上を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の顧客第一主義や女性が働きやすい環境づくりが書かれ、ハーネス専業としての一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    約300種類のメーカー純正アプリケーターを保有し全国トップクラスの規模とあり、医療機器業界の多品種少量短納期ニーズへの対応という強みが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    多品種少量短納期のリードタイム短縮とコストダウンへの課題認識と、専用生産ラインによる両立の取組が書かれており、課題と解決策の対応が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標数値は示されておらず、受注率向上を目指すという定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員54名、女性社員が3分の2、人事考課制度の導入など体制面の記述はあるが、補助事業遂行の体制としての具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器業界から引き合いが増えているというニーズと、試作品・小ロット品の受注確率を高める狙いが明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    時間を決めた生産の分散化による自動機の効率稼動や社内ネットワーク活用など方法は示されるが、スケジュールや検証の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種少量短納期の医療機器向け製品という分野だが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準までは書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器業界の需要に応えるという記述はあるが、川上・川下への波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投入額や付加価値増加額の数値は書かれておらず、収益面への貢献の目指すという記述のみ。

  • イノベーションへの貢献3

    自動検査機の導入や生産管理システムのペーパーレス化などデジタル技術の活用は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    EV化や無線化に伴う自動車業界への参入に備えると書かれ、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    岡谷市の企業として地域の事業者や雇用に触れた記述はあるが、地域特性を活かした付加価値創出の具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は顧客からの引き合いに十分対応できなかった試作品・小ロット品の受注率の向上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。