ものづくり補助金平成27年度製造業高知県

製品の設計開発に要する期間の短縮と品質の向上

株式会社 コア電子

この事例のポイント

  • 開発に必要なハード・ソフトウェアが旧式で操作性が悪く性能も低い上、関連会社の機器との互換性もなかった。
  • 課題解決のため、3次元CAD、回路図設計CAD(Design Gateway)、2次元設計用CAD(AutoCAD LT)、デザイン用ソフトウェア(CoreIDRAW)、作図ソフ…
  • 3次元CADの導入で立体的に製品の完成形を確認できるようになり、部品の取り付けや干渉を容易に検討できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 コア電子
所在地高知県 南国市
業種電気機械器具製造業
技術分野デザイン,測定計測,立体造形
従業員数12人
資本金500万円
設立2007年

事業の背景

当社は安全で衛生的な空間づくりを使命とし、空気清浄機、分煙機、次亜塩素酸水生成装置などを製造し、OEM生産も行っている。大気汚染や感染症への警戒、食中毒などを背景に、水や空気の清浄への人々の関心が高まっている。展示会への出展で、製品ライフサイクルが短くなり、ニーズが細分化して細かな要求が次々出てくることが分かった。競合他社に勝つには市場要求に早く応える製品開発が必要で、開発力の強化が不可欠となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力開発に必要なハード・ソフトウェアが旧式で操作性が悪く性能も低い上、関連会社の機器との互換性もなかった。
  • 人手・技能回路図設計に使っていたCADはWindows95対応の製品で、WindowsXPの互換モードで動かしていたが、サポート終了でインターネットのウイルス対策も十分にできず使用に適さなかった。
  • 生産能力測定機は旧式で人の手で測るため時間がかかり、経年劣化による故障も多く作業効率が悪かった。
  • 新製品・新技術市場投入の機会を逃さないため、構造設計・回路設計・性能評価の課題を解決する設備投資が必要だった。
  • 納期・工程2次元CADでは完成形を設計者の想像で確認するしかず、試作で接合部のズレや部品の干渉が生じ、追加加工や再設計が必要になることがあった。特に樹脂成型品では金型修正の費用と時間の損失が大きかった。

やったこと

課題解決のため、3次元CAD、回路図設計CAD(Design Gateway)、2次元設計用CAD(AutoCAD LT)、デザイン用ソフトウェア(CoreIDRAW)、作図ソフトウェア(Visio Standard)を導入した。3次元CADで立体的に製品の完成形を確認し、部品同士の取り付けや干渉を検討できるようにした。回路図設計CADはOEM受注先ごとの部品管理や回路図の変更箇所のチェック機能を備え、Windowsの最新OSに対応する専用PCも導入した。性能評価では、ポータブルパーティクルカウンター、キャプチャーフード風量計、デジタルストレージオシロスコープ、湿度センサー、騒音計を導入した。

ソフト3次元CAD
ソフト回路図設計CAD(Design Gateway)
ソフト2次元設計用CAD(AutoCAD LT)
ソフトデザイン用ソフトウェア(CoreIDRAW)
ソフト作図ソフトウェア(Visio Standard)
その他専用PC
検査測定ポータブルパーティクルカウンター
検査測定キャプチャーフード風量計
検査測定デジタルストレージオシロスコープ
検査測定湿度センサー
検査測定騒音計

新しい製品・サービス:家庭用次亜塩素酸水生成装置(小型化した装置)

事業の効果

3次元CADの導入で立体的に製品の完成形を確認できるようになり、部品の取り付けや干渉を容易に検討できるようになった。試作の回数が減って設計開発期間が短くなり、経費も削減された。顧客への3D立体モデルの提示も信頼獲得につながった。風量計による空気清浄機の処理風量測定は大幅に時間が短縮された。回路設計ではOEMの派生モデルを管理でき、同じOS環境でデータを共有できるようになった。製品開発のスピードアップと人件費の削減、製品品質の向上にもつながり、家庭用次亜塩素酸水生成装置の小型化と完成に寄与した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    空気清浄器や次亜塩素酸水生成装置の製造と、展示会でのニーズ収集を経て開発力強化を図る流れが書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    製品ライフサイクルの短縮やニーズ細分化が展示会で判明したとあり、外部環境は読み取れるが、競争優位の具体的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    旧式CADや測定機による試作の手戻り、測定の時間ロスといった課題を認識し、3次元CAD導入で期間短縮を図る具体的な計画が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていないが、人件費削減や設計期間短縮の方向性はうかがえる。

  • 事業を進める体制2

    開発体制や人材に関する記載はわずかで、設備導入の記述が中心となっている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    家庭や保育園、老健施設向けの小型次亜塩素酸水生成装置で、展示会での具体的な引き合いがあると書かれ、顧客と選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    3次元CADや測定機の導入時期と効果が示され、早期販売の計画も書かれているため、スケジュールと課題解決の方法が読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    次亜塩素酸水生成装置の小型化で市場ニーズに応える製品として注目されているとあり、新規性はうかがえるが数値の裏付けは薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    一次産品の付加価値向上や県内企業との連携、紙産業との協力が書かれており、地域への波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果2

    人件費削減や設計期間短縮が書かれるが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元CADや専用PCの導入による設計の効率化、外部加工業者とのデータ共用が書かれ、サプライチェーン連携がうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    衛生分野の市場拡大や感染症対策への関心の高まりが書かれているが、構造転換との関係は示されていない。

  • 地域経済への波及3

    県の強みである紙産業との協力や、県内企業との連携による地域資源の活用が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

家庭用次亜塩素酸水生成装置は、具体的な引き合いもあり早期の販売を計画している。高性能・大容量加湿器、軟水器なども開発・計画中で、地場企業や県内企業と連携した研究開発も進め、市場に求められる商品に育てたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。