ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

特殊タンクを利用した高品質ワインと発泡性ワインの安定的製造

楠わいなりー株式会社

この事例のポイント

  • 赤ワインの低温浸漬や白ワインの低温発酵など、温度を的確に管理した醸造が難しく、酒質向上に限界があった。
  • 耐圧仕様で不活性ガス置換と温度制御ができる特殊ネオサーマルタンクを導入した。
  • 赤ワインの低温浸漬や白ワインの低温発酵が可能になり酒質が向上し、赤ではピノ・ノワール、白ではシャルドネが国内外で受賞するなど成果が出ている。

事業者のプロフィール

事業者名楠わいなりー株式会社
所在地長野県 須坂市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ
従業員数10人
資本金9,565万円
設立2010年

事業の背景

長野県北信エリアはワインぶどうの栽培に最も適した産地と判断され、同社は自社農園でぶどうを栽培してワインを醸造していた。国内で消費されるワインの中で日本ワインのシェアは全体の5%程度にとどまるが、ワイン全体の消費量拡大に伴い移出数量は増えており、伸びしろは大きいとされた。20代の若者が日本ワインを飲み始めている傾向もあり、今後の需要拡大が期待されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度赤ワインの低温浸漬や白ワインの低温発酵など、温度を的確に管理した醸造が難しく、酒質向上に限界があった。
  • 生産能力炭酸ガスをワインに溶かし込む設備がなく、人気の高いスパークリングワインを安定的に製造できなかった。
  • 生産能力冬場は気温が下がって発酵が難しく、りんご発泡酒シードルを安定的に製造できなかった。

やったこと

耐圧仕様で不活性ガス置換と温度制御ができる特殊ネオサーマルタンクを導入した。発酵温度を下げられるようになったことで、赤ワインは発酵前に低温浸漬し、ぶどう本来の香りと味わいを残せるようになった。スパークリングワインは、導入した炭酸ガス充填機でワインに炭酸ガスを溶かし込むことで、リーズナブルに製造できるようになった。冬場も加温できる機能により、シードルの発酵を安定させられるようになった。

その他特殊ネオサーマルタンク
加工機炭酸ガス充填機

事業の効果

赤ワインの低温浸漬や白ワインの低温発酵が可能になり酒質が向上し、赤ではピノ・ノワール、白ではシャルドネが国内外で受賞するなど成果が出ている。スパークリングワインは導入設備により炭酸ガスを溶かし込むことが可能になり、安定的に製造できるようになった。冬場も加温して発酵できるため、りんご発泡酒シードルも安定的に製造できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業時からの自社ぶどう栽培と醸造を一貫して進め、高品質ワイン路線を継続している点はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ピノ・ノワールやシャルドネの国内外受賞、G7歓迎レセプション採用など強みは書かれているが、市場動向との関係の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    スパークリングワインの安定製造や市場シェア拡大を目指す旨はあるが、課題認識と事業計画の詳細は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    市場シェア拡大の目標は述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10名や畑・醸造棟の整備は書かれているが、補助事業の遂行体制の記述は限られている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    安価で高品質なスパークリングワインを炭酸ガス溶解で製造すること、ぶどう品種ごとの特徴が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の成果は書かれているが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    日本ワインのシェアは約5%と低く、同社は人気の高い安価なスパークリングや高品質ワインに注力し差別化を図っている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    日本ワインの移出数量の伸びや若者の需要拡大は書かれているが、国が補助する波及効果の記述は弱い。

  • 費用対効果2

    導入で酒質向上や安定製造が実現したと書かれているが、補助金額と付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    温度制御や不活性ガス置換による醸造技術の進歩はうかがえるが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    長野県北信エリアのワインぶどうを活用し、須坂市で自社農園と醸造を行う地域特性を活かした事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

若者の日本ワインの飲用が広がっていることから、今後の需要拡大に期待している。

事業者の声

手をかければかけただけ特徴のあるワインができる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。