ものづくり補助金平成26年度製造業岐阜県

新開発商品ジビエ(仏:Gibier)生ハムとソーセージの開発と商品化

株式会社キュルノンチュエ

この事例のポイント

  • 有害鳥獣であるジビエを食肉加工品として安心・安全に商品化する技術と体制が不足していた。
  • 有害鳥獣である猪や鹿を原料とするため、加工場を別棟にして新たな設備を導入した。
  • シカ肉の生ハムは珍しさから注目を集め、鉄分が豊富で高タンパク・低脂肪のため女性やアスリートに人気を得た。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社キュルノンチュエ
所在地岐阜県 高山市
業種食料品製造業
従業員数7人
資本金1,520万円
設立1971年

事業の背景

当社は岐阜県高山市清見町で豚肉の熟成品(非加熱)を製造販売し、鹿児島黒豚の加工品を中心に、白かび熟成の乾燥ソーセージなどを全国の百貨店の名品コーナーやカタログ通販で販売してきた。一方、岐阜県や高山市から有害鳥獣の猪や鹿を可食肉として使う商品開発の依頼が寄せられていた。日本の食肉産業では安全面からジビエの利用が少なく、駆除された鳥獣の90%以上が山に破棄されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術有害鳥獣であるジビエを食肉加工品として安心・安全に商品化する技術と体制が不足していた。
  • 販路・情報発信ジビエ商品の生産履歴や品質、製造方法を消費者に見える化して、安心して購入してもらう情報提供の仕組みが求められていた。

やったこと

有害鳥獣である猪や鹿を原料とするため、加工場を別棟にして新たな設備を導入した。冷蔵庫や冷凍庫をはじめ、調理に必要なチョッパーやミキサーなど機器一式を導入し、安心・安全を考慮した作業場と調理機器を新たに設けた。原料は殺処分直後に血抜き作業が行われている業者を厳選した。フランス仕込みの加工技術を用い、狩猟肉特有の獣臭をスパイスで排除し、黒にんにくで自然の甘みを加えるなど試作開発を重ねた。大手百貨店のバイヤーに試食・プレゼンを行い、試験販売も実施しながら商品化を進めた。また、QRコード付きの情報提供ラベルを作成し、商品に関する詳細情報を消費者に提供できる仕組みを構築した。

加工機チョッパー
加工機ミキサー
その他冷蔵庫・冷凍庫

新しい製品・サービス:ジビエ(シカ肉・イノシシ肉)を使った生ハムとソーセージ

事業の効果

シカ肉の生ハムは珍しさから注目を集め、鉄分が豊富で高タンパク・低脂肪のため女性やアスリートに人気を得た。イノシシ肉のソーセージは低カロリーでビタミンB群が豊富、豚肉に近い食感で好評だった。QRコードによりホームページへリンクでき、商品の詳細情報を提供できるようになった。現状は店舗販売が中心だが、大手百貨店のギフトでの販売が実現し、今後はイベント販売を増やして地域貢献を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業者がフランスで修行した技術を活かし、豚肉加工・熟成品を手がけてきたとあり、ジビエ商品開発はその延長に位置づけられる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    百貨店のギフト販売やカタログ通販で採用されている点は読み取れるが、市場動向と自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    有害鳥獣の食肉利用という地域の課題に対し、ジビエ生ハム・ソーセージを開発したと書かれているが、高付加価値化の数値的な見込みは示されていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    試作開発や百貨店バイヤーへの試食・プレゼン、試験販売を実施したとあり、体制の一端がうかがえるが人材や事務処理能力の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    シカ肉は鉄分が豊富で高タンパク・低脂肪、イノシシ肉はビタミンB群が豊富など、製品の価値と女性やアスリートなどの顧客像が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    生産履歴の見える化やQRコードによる情報提供の仕組みを構築したと書かれ、課題への対応方法は示されているが、スケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    狩猟肉の獣臭をスパイスで排除し、シカ肉の生ハムは珍しさから注目を浴びたと書かれ、ジビエ生ハムという新分野での差別化が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    駆除鳥獣の90%以上が山に破棄されている現状と、地域からの商品開発依頼が書かれ、地域課題への貢献の意義はうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    QRコードによる情報提供の仕組みを構築したとあり、トレーサビリティの取り組みはうかがえるが、先端的デジタル技術の活用とまでは言えない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岐阜県高山市の地域要望に応えて有害鳥獣を活用し、地域貢献に寄与する方針が書かれており、地域特性との関連はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後もイベントなどでの販売を増やし、地域貢献に寄与していきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。