ものづくり補助金平成26年度製造業岐阜県

個別部分貼りタイルパネルの生産方式の確立による採用率向上

株式会社アイコットリョーワ

この事例のポイント

  • 戸建て住宅の外壁用タイルパネルは1棟ごとに異なる屋根や窓の形状に合わせて現場でタイルごとカットする必要があり、施工に手間がかかって省施工性が損なわれていた。
  • タイル100枚を144秒で貼り付けることを目標とし、1枚ごとに多様な組み合わせが可能な部分貼りタイルパネル生産設備と、オリジナルの移載機を開発して生産ラインを構築した。
  • タイル100枚を144秒で貼り付ける目標を達成し、10段×8列のパネルは従来の3分の2の時間に短縮できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイコットリョーワ
所在地岐阜県 多治見市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野デザイン,機械制御,情報処理
従業員数114人
資本金3,000万円
設立1987年

事業の背景

1972年に設立されたリョーワ工業株式会社を起源とし、外装モザイクタイル、床タイル、舗装用タイルなどを製造する建材タイルの日本最大メーカーである。戸建て住宅の外壁では、従来のサイディングボードに代えて高級感やメンテナンス性を持つタイルを用いたタイルパネルを施工するケースが増えている。職人の減少もあり、当社は誰でも貼れる省施工型のタイルパネルを生産し、大手ハウスメーカー向けに商品化を進めてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力戸建て住宅の外壁用タイルパネルは1棟ごとに異なる屋根や窓の形状に合わせて現場でタイルごとカットする必要があり、施工に手間がかかって省施工性が損なわれていた。
  • 生産能力特殊な配置のパネルは全体の2割を占め、手作業で貼り付けると1日に20〜30枚が限界だった。
  • 販路・情報発信メーカー側は関心を持っていたものの、なかなか採用に結びつかない状況が続いていた。

やったこと

タイル100枚を144秒で貼り付けることを目標とし、1枚ごとに多様な組み合わせが可能な部分貼りタイルパネル生産設備と、オリジナルの移載機を開発して生産ラインを構築した。移載機は、どの組み合わせになってもタイルを吸着・移載できる仕様とした。オフラインPCで作成したレイアウトデータを装置へ転送するソフトウェアも同時に開発した。導入後は10段×8列、14段×12列などさまざまな組み合わせでオペレーションを確認し、タクトタイムを算出する検証を重ねて生産方式を確立した。

加工機部分貼りタイルパネル生産設備
その他タイル移載・貼り付け装置(オリジナル移載機)
ソフトレイアウトデータを装置へ転送するソフトウェア

新しい製品・サービス:パネル1枚ごとにタイル接着位置が異なる個別部分貼りタイルパネル

事業の効果

タイル100枚を144秒で貼り付ける目標を達成し、10段×8列のパネルは従来の3分の2の時間に短縮できた。14段×12列でも本来の1日必要数量である200枚の生産が可能になった。オフラインPCでのデータ作成により2重3重のチェックができ、作業者1人が直接入力するより短時間で多量にミスを削減して生産できるようになった。また、ハウスメーカー3社からラインナップ追加の要望があり商談を進めており、新規ハウスメーカー数社とも商談が始まっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の外壁タイルパネル事業の延長で、大手ハウスメーカー向け商品化を進めてきたとあるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    職人減少やメーカー側の関心の高まりを背景とするが、競争優位性を示す自社の強み・弱みの記述は限定的。

  • 課題の認識と解決4

    手作業では1日20〜30枚が限界、特殊配置は2割を占めるとの課題を示し、移載機とソフトで解決する方針が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標『タイル100枚を144secで貼る』の達成、2棟/日からの生産数量200枚対応など数値目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    社内各部署から要望を吸い上げ検証を重ねたとあるが、人材や事務処理体制について具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ハウスメーカー3社からのラインナップ追加要望や新規数社の商談開始など、顧客ニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    10段×8列や14段×12列でタクトタイムを算出し検証した手順は示されるが、中長期のスケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の一般的なサイディングに対し、タイルを使った高級感ある外壁パネルで高付加価値化を図っている点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    職人減少への対応や省施工性の確保が示されるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は記述が薄い。

  • 費用対効果3

    従来比3分の2への時間短縮など効果は示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    オフラインPCでのレイアウトデータ作成と装置連携というデジタル活用が見られるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    多治見市の窯業地域に本社を置くとわずかにうかがえるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後の受注増に期待が持てる状況である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。