ものづくり補助金平成27年度製造業徳島県

多様な建材を省スペースでロボットを使った高稼働化生産プロセスの開発

富士スレート株式会社

この事例のポイント

  • 陶器瓦が当たり前の時代に、従来のセメント系瓦をさらに軽量化する必要があった。太陽光パネルを設置しても土台の総重量が変わらないようにすることをめざした。
  • 試作を繰り返してFRC(繊維補強セメント)の瓦を開発した。
  • 従来品より力学・耐久性能で上回り、40%軽量化した軽量強靭で長寿命の瓦が誕生した。

事業者のプロフィール

事業者名富士スレート株式会社
所在地徳島県 北島町
業種窯業・土石製品製造業
技術分野機械制御
従業員数107人
資本金5,000万円
設立1945年

事業の背景

阪神大震災を教訓に、セメント系瓦の軽量化に取り組んできた。陶器瓦が当たり前の時代に、瓦の理想形をめざしてセメント系瓦の性能を磨き続けてきた。国内市場の拡大が見込めないなか、需要増の著しい海外売上比を伸ばしていく必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術陶器瓦が当たり前の時代に、従来のセメント系瓦をさらに軽量化する必要があった。太陽光パネルを設置しても土台の総重量が変わらないようにすることをめざした。
  • 生産能力従来品の軽量化瓦の需要が増えており、それに対応するための生産能力が不足していた。
  • 生産能力国内市場の拡大が見込めないなか、需要増の著しい海外売上比を伸ばすためにも、生産性の高い製造装置の開発が急務だった。
  • 人手・技能2倍速プレスの導入により、作業者の負担が過重になっていた。

やったこと

試作を繰り返してFRC(繊維補強セメント)の瓦を開発した。徳島大学の協力により風圧・雨漏り・曲げ強度などの試験を実施し、従来品より力学&耐久性能で上回るとともに重量低減に成功した(H25)。量産体制構築のため、2倍速プレス成型機、金型装置、原材料供給装置を開発した(H26)。さらに2倍速に対応するロボットを使った高稼働化生産プロセスの開発に取り組んだ(H27)。沖縄などの風の強い地域での暴露試験も経た。

加工機2倍速プレス成型機
金型金型装置
その他原材料供給装置
ロボット省スペースロボット

新しい製品・サービス:軽量セメント系屋根瓦(FRC)

事業の効果

従来品より力学・耐久性能で上回り、40%軽量化した軽量強靭で長寿命の瓦が誕生した。耐衝撃度は2倍、強度・粘り強さは2〜3割増となった。2倍速プレス機の開発により稼働率200%を実現し、中古機械を改造して海外販売する道も開けた。省スペースロボットの導入により、2倍速プレスで過重となっていた作業者の負担を解消できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    阪神大震災を教訓にセメント系瓦の軽量化に70年取り組んできたと書かれ、既存事業との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外売上比の拡大と国内市場の拡大が見込めない状況が述べられ、外部環境は触れられるが、自社の強み・弱みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    軽量化と生産性向上の課題が示され、2倍速プレス機や高稼働化プロセスで対応したとあるが、高付加価値化・成長への結びつきは薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    稼働率200%の実現や耐衝撃度2倍、強度2〜3割増、40%軽量化など数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    徳島大学との協力や試験の実施は書かれているが、補助事業を遂行する人材・事務体制についての記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    太陽光パネル設置時の土台重量増を抑える必要性や海外需要増は書かれ、製品の価値は読み取れるが顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作の繰り返しや H25〜H27 の段階的な開発過程が示され、工程の流れは読み取れるが、中長期の課題検証の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    FRC製の軽量瓦で耐衝撃度2倍や40%軽量化を示すが、普及度や分野内の高価格化についての言及は限られる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外販売や中古機械の改造販売の道が開けたとあり、雇用や波及効果の記述は乏しいが、国の補助理由は間接的にうかがえる。

  • 費用対効果3

    稼働率200%や作業負担解消の成果はあるが、補助金投入額に対する付加価値増の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    焼成過程のない製法で環境に優しく廃材リサイクルも行うとあるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    海外売上比の拡大や中古機械の海外販売が述べられ、構造転換への言及はわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    徳島県北島町の企業と書かれるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。