ものづくり補助金平成26年度製造業岐阜県

試作の効率化と小ロット生産対応のための自動カット機の導入

株式会社伊藤紙器

成果サンプル品5組のカット時間 180分→25分

この事例のポイント

  • 多品種少量生産への対応が設備的に困難だった。
  • 段ボール加工はこれまでトムソン加工を採用し、デザインに沿って製作した刃を組み込んだ木型を段ボールにプレスして複雑な形にカットしていた。
  • サンプル品5組のカット時間 180分→25分。試作1回あたりの作業時間が大幅に短縮され、年間150〜250時間の省力化が図れた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社伊藤紙器
所在地岐阜県 関市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野デザイン,情報処理
従業員数60人
資本金1,000万円
設立1958年

事業の背景

紙パッケージの専門メーカーで、地元の特産品である岐阜提灯や高級ストッキングの化粧箱などを製造してきた。機能、強度、コスト、作業、保管、美観などのデザイン技術は高く評価されてきた。一方で小ロット生産への対応は設備的に困難で、不合理な手作業による試作が行われていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種少量生産への対応が設備的に困難だった。
  • コスト・採算多品種少量生産では木型コストが負担となっていた。
  • 人手・技能小ロットの試作に手作業の不合理な工程が多く、1回の試作に少なくとも3時間を要し、1製品で計5〜7回の設計の手直しが生じていた。

やったこと

段ボール加工はこれまでトムソン加工を採用し、デザインに沿って製作した刃を組み込んだ木型を段ボールにプレスして複雑な形にカットしていた。新たにコンピュータ制御の自動カット機を導入し、単品から小ロットの加工に対応できるようにした。自動カット機の導入により、試作の効率化と型代の削減、省力化を図った。

加工機コンピュータ制御の自動カット機

事業の効果

  • サンプル品5組のカット時間 180分→25分
  • サンプル品5組のカットコスト 56,715円→7,940円
  • 年間50ほどの型を製作して200万円程度支出していたが、そのうち約7割が小ロット生産向けの型であったため、年間約140万円の型代の削減が可能
  • 試作工程の作業時間 180時間→150時間

試作1回あたりの作業時間が大幅に短縮され、年間150〜250時間の省力化が図れた。1機で2面あるため作業効率が高まり、即日出荷も可能になり、在庫数も激減した。多品種小ロットへの対応が可能になり、型代も年間約140万円削減できた。現在は新たに1機を追加導入し、2機4面で対応している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    段ボールのトムソン加工から自動カット機導入へ移行し、既存の内部パッケージ提案力を高める流れは読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地場産業の水栓・刃物・美濃焼との取引や、デザイン技術が高く評価されてきた点はうかがえるが、競争優位の定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決5

    試作3時間が25分、型代年間約140万円削減、年間150〜250時間の省力化など、課題と効果が数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間約20件の提案で年150〜250時間省力化、2機4面化など目標と実績の見通しが具体的に書かれている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力について事例中で具体的に触れられていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロット対応と多品種少量生産の実現、即日出荷、食品包装分野への拡大など、顧客ニーズと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の食品包装分野拡大や第三工場の建設準備など今後の方向はあるが、中長期の検証や遂行スケジュールは詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    段ボールの内部パッケージで複雑な形状に対応する点は読めるが、一般的な普及度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    地域産業への寄与や地場産業との取引が狙いとして触れられているが、雇用や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果5

    投資に対し型代削減約140万円、サンプル5組のコストが56,715円から7,940円など、費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    コンピュータ制御の自動カット機の導入は読めるが、先端技術の活用やサプリーチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岐阜県関市の地場産業との連携や地域産業への貢献が示されているが、地域経済成長への寄与は数値で書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

食品包装業務にも力を入れ、サプリメントをはじめとした衛生包装などにも分野を広げていきたいとしている。第三工場の建設準備も始まっている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。