ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

複雑形状で断続研削を要する丸物精密機械部品の高精度化と生産プロセスの改善

有限会社寺田製作所

成果外径研削の内製化によりリードタイムを9日短縮した

この事例のポイント

  • 工作機械用スピンドルの複雑形状の丸物精密部品について、断続研削の高精度化と均一な生産の手法が課題だった。
  • 産業機械用スピンドルの精密部品について、断続研削の高精度化と生産プロセスの構築に取り組んだ。
  • 外径研削の内製化によりリードタイムを9日短縮した。外径研削の内製化により高品質かつ付加価値の高い生産プロセスを確立した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社寺田製作所
所在地静岡県 静岡市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金3,000万円
設立1967年

事業の背景

同社は昭和42年創業の金属切削加工による機械部品製造会社で、軸物やフランジ物の加工を得意としている。工作機械メーカーでは精度や耐久性への要求が高まり、既存取引先からの要望も高水準になっていた。競合他社との差別化が喫緊の課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度工作機械用スピンドルの複雑形状の丸物精密部品について、断続研削の高精度化と均一な生産の手法が課題だった。
  • 納期・工程切削加工後の外径・内径研削を外注しており、短納期とコスト低減、品質管理の改善が難しかった。
  • 人手・技能同業他社との差別化のため、単品モノや難しい仕事を受けて競争力と技術力を高める必要があった。

やったこと

産業機械用スピンドルの精密部品について、断続研削の高精度化と生産プロセスの構築に取り組んだ。外径研削を内製化するため、ワーク外径部と端面部のそれぞれに定寸装置を備え、平面度と直角度を極限まで出すCNC円筒研削盤を機械メーカーと仕様を相談して導入した。砥石台のX軸の走りを独自仕様とし、外径研削の高精度・高効率化を狙った。新規設備の作業者として職業訓練校から1名を採用し、特級機械加工技能士保持者を技術顧問として臨時に雇用して、作業環境とノウハウの定着を図った。

加工機CNC円筒研削盤(自社仕様)

事業の効果

  • 外径研削の内製化によりリードタイムを9日短縮した
  • 1日当たりの生産量 1倍→1.7倍
  • 平行度等 100%→80%

外径研削の内製化により高品質かつ付加価値の高い生産プロセスを確立した。寸法公差は中央値の±10%以内の加工精度となり、平行度なども向上した。リードタイムを9日短縮し、スポット的な注文にも対応できるようになった。1日当たりの生産量も1.7倍に増えた。外観も綺麗なアヤメ文様が表面に現れ、客先から高品質で素早い対応が好評を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の金属切削加工と軸物・フランジ物の加工を得意とする事業の延長として外径研削の内製化が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    工作機械メーカーの精度要求が高まる中、同業他社の技術調査で汎用円筒研削盤が大半との把握に基づき差別化を図った。

  • 課題の認識と解決4

    外注していた外径研削を内製化し、リードタイムを9日短縮、1日当たり生産量1.7倍と数値で成果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    寸法公差は中央値の±10%以内、平行度は従来比80%の向上と目標値と結果が数字で示されている。

  • 事業を進める体制3

    職業訓練校からの新規採用と特級機械加工技能士の技術顧問による作業者育成が記載されているが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    他社がやらない単品モノを受注し、北海道から九州まで引き合いがあるなど、選ばれる理由が事例で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    当初導入機械の専従作業者の抜擢や機械メーカーとの仕様相談は書かれているが、中長期の検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    中央値の±10%以内の寸法精度や平行度80%向上など、同分野で高水準の精度を図る取組が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の中小製造業の技術力向上にうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の具体的な記載は見当たらない。

  • 費用対効果4

    リードタイム9日短縮や生産量1.7倍など、補助投入に対する生産性向上の効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC円筒研削盤の導入は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記載は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    静岡市の地元の中小製造業として、高付加価値の精密部品加工を行う事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も会社のハード・ソフト両面の拡充を図り、顧客対応力で唯一無二の企業を目指していく。

事業者の声

めんどくさい仕事を積極的にやろうー、と従業員とはよく話しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。