ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

熱膨張の少ない樹脂を用いた温度試験用プリント基板検査機の製作

パスコン株式会社

成果実際の作業工数 100%→50%

この事例のポイント

  • 当社が納入していたプリント基板検査機を用いて温度試験を行うと、検査用のピンがパッドからずれて試験途中で信号が検出できなくなる問題が発生していた。
  • 熱膨張の少ない樹脂を高精度で加工できる、高速・高出力主軸を持つ切削加工機を導入した。
  • 実際の作業工数 100%→50%。導入した切削加工機により、新素材ユニレートを目標精度の範囲で加工できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名パスコン株式会社
所在地静岡県 浜松市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工,接合・実装,機械制御
資本金1億円
設立1987年

事業の背景

同社は昭和62年に有限会社として設立され、プリント基板の設計・製作・実装・部品調達・検査機製作を行っている。主要取引先は浜松ホトニクス社で、X線検査装置、歯科医療用センサ、CCDカメラ等に用いられるプリント基板を提供している。平成26年末に新工場へ移転して生産体制を強化し、「プリント基板のトータルサポート」を強みとして進めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度当社が納入していたプリント基板検査機を用いて温度試験を行うと、検査用のピンがパッドからずれて試験途中で信号が検出できなくなる問題が発生していた。
  • 新製品・新技術熱膨張率の低い代替材料は硬度が高く、当時保有していた切削加工機では品質が安定せず、加工速度を落とさないと加工できないため加工時間がかかっていた。

やったこと

熱膨張の少ない樹脂を高精度で加工できる、高速・高出力主軸を持つ切削加工機を導入した。導入機は幅広い加工分野に対応する設備である。これにより、従来のアクリル素材から絶縁性、低吸水性、剛性、耐熱性などに優れる新素材(ユニレート)での加工を、目標とした精度の範囲で行えるようになった。この切削加工機を使い、温度試験に対応できるプリント基板検査機の製作を行った。

加工機高速・高出力主軸を持つ切削加工機

新しい製品・サービス:温度試験に対応可能なプリント基板検査機(熱膨張の少ない樹脂ユニレートを使用)

事業の効果

  • 実際の作業工数 100%→50%

導入した切削加工機により、新素材ユニレートを目標精度の範囲で加工できるようになった。作業工数は導入設備の性能向上により約50%削減された。品質に関する数値やデータを顧客に提示できるようになり、製品の優位性や差別化につながった。同業他社は少なく、自社の競争力を高めることができたと考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成24年設立の開発部門、ISO取得、プリント基板トータルサポートの強化など過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    主要取引先の浜松ホトニクス向け供給や同業他社は少ないという差別化の記述はあるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    温度試験時にピンがパッドからずれて信号が検出できない問題を原因調査で特定し、代替材料の加工課題も具体的に挙げられている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工精度の目標を達成し、実際の作業工数が従来のアクリル加工と同程度で約50%削減と数値で示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    事業を統括した制御技術課宮木課長の記載はあるが、人材や事務処理能力の体制確保については読み取れる記述が少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    温度試験に対応するプリント基板検査機の製作と、主要取引先のニーズへのトータルサポート強化が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入から製作までの流れは書かれているが、スケジュールや中長期の検証内容は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    硬度の高い新素材ユニレートの加工を目標精度で実現したことは書かれているが、高価格化や市場水準との比較は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や需要創出、波及効果など国が補助する積極的理由はほとんど書かれていない。

  • 費用対効果3

    作業工数約50%削減という数値はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    プリント基板検査機の高度化は読み取れるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    浜松市に所在する企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用の牽引については書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。