ものづくり補助金平成30年度製造業静岡県

旋盤加工精度の向上による高品質化及び短納期化と原価低減の実現

有限会社トーシン

成果加工可能な丸棒部材の直径 250mm→450mm

この事例のポイント

  • 少子高齢化による人手不足が深刻で、熟練工の技術承継も大きな課題となっている。
  • 対象物を固定したまま工具が回転し、工具をあらゆる角度に変えて切削できるNC旋盤(最新型の多機能加工機)を導入した。
  • 加工可能な丸棒部材の直径 250mm→450mm。NC旋盤の導入により、加工精度が向上し、作業時間と人員の大幅な削減を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社トーシン
所在地静岡県 沼津市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工,製造環境
資本金3,000万円
設立1983年

事業の背景

有限会社トーシンは昭和58年に沼津市で設立された、工作機械部品や変電配電システムの素材加工を主な事業とする会社である。ステンレス、アルミニウム、チタニウムなど様々な材質の加工を得意とし、短納期、高精度、低価格をモットーに多品種小ロット生産に対応してきた。高精度な旋盤加工は熟練工の経験に支えられてきたが、人手不足と技術承継が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能少子高齢化による人手不足が深刻で、熟練工の技術承継も大きな課題となっている。
  • コスト・採算大型部材の加工案件は汎用旋盤では要求精度を満たせず外注となり、納期が長くコストも高くなって競争力が低下していた。
  • 生産能力汎用旋盤では対象物の角度を変える手間や位置決めの精度に課題があった。

やったこと

対象物を固定したまま工具が回転し、工具をあらゆる角度に変えて切削できるNC旋盤(最新型の多機能加工機)を導入した。NC旋盤は対象物の角度を変える必要がなく、工程ごとの工具交換も不要である。これにより位置決めの精度と作業時間の短縮が同時に図られた。導入後は直径250mmまでだった丸棒部材の加工が450mmまで可能となり、大型部材の受注の幅が広がった。対象物の角度を変える「つかみ直し」工程が削減された。

加工機NC旋盤(多機能加工機)

事業の効果

  • 加工可能な丸棒部材の直径 250mm→450mm
  • 一連の加工作業のリードタイム 30日→21日
  • 内製化により外注費換算で19%のコスト削減につながった
  • 平行度の対応精度 5ミクロン→3ミクロン

NC旋盤の導入により、加工精度が向上し、作業時間と人員の大幅な削減を実現した。外注を内製化したことでコストが約19%削減され、より付加価値の高い高精度加工の受注が可能になった。形状や材質を選ばない受注体制が構築され、発注先の満足度も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    汎用旋盤での加工課題を背景にNC旋盤を導入し、大型部材や高精度加工へ受注を広げた経緯は読めるが、中期的な戦略として明文化された記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大型部材の需要増に対し汎用旋盤では精度が不足し外注していたという強み・弱みが示され、直径250mmから450mmへ加工可能になったと具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    外注加工による納期とコストの課題を認識し、NC旋盤導入で約30日が約21日に30%短縮、外注費換算19%削減と数値で効果が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイム30%短縮や外注費換算19%削減、平行度3ミクロン対応など数値目標に近い成果が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    熟練工の貢献や技術承継の課題は触れられているが、補助事業を遂行する人材体制や事務処理能力については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ステンレス・アルミ・チタンなど多材質の素材加工と短納期・高精度・低価格を強みとしている一方、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    半導体・航空宇宙分野への進出を視野に入れると述べられているが、遂行方法やスケジュール、課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    新規参入が難しい半導体・航空宇宙分野を目指すとあるが、高付加価値化の水準や普及度に関する記述は具体的ではない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    少子高齢化による人手不足や技術承継の課題が背景として書かれているが、波及効果や雇用創出といった国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    外注費換算で19%のコスト削減、約30日から約21日へのリードタイム短縮など、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体・航空宇宙分野への進出を目指すとあり、成長分野への参入意図はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    沼津市で長年事業を営む地域企業とあるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の具体的な記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は技術力をさらに高め、新規参入が難しい半導体や航空宇宙分野への進出を目指している。

事業者の声

設備の能力を最大限発揮し、技術力を高め、より高精度な加工が要求される半導体、航空宇宙分野へもチャレンジしていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。