ものづくり補助金平成26年度建設業愛知県

緊急避難情報を付加したモバイル多言語音声対応観光ガイドサービスの開発・提供

ソノー電機工業株式会社

成果全国の自治体が定めた災害時の避難所や避難場所約12万件の中からユーザーの近くを表示

この事例のポイント

  • 主力の電気モーター生産は堅調だが、変化の激しい時代に向けて次世代事業を育てる必要があった。
  • ロケーションベースのAR技術を用い、スマートフォンで対象物を向けたり写真を撮ったりすると観光情報を画面上に重ねて表示する観光ガイドアプリ「パチリガイド」を開発した。
  • 全国の自治体が定めた災害時の避難所や避難場所約12万件の中からユーザーの近くを表示。通信圏外でも使えるAR観光ガイドアプリを製品化し、来春の正式発売に向けて準備が進んでいる。

事業者のプロフィール

事業者名ソノー電機工業株式会社
所在地愛知県 刈谷市
業種設備工事業
資本金5,000万円
設立1969年

事業の背景

ソノー電機工業の主力は電気モーターの生産で、制御盤製作や電気工事、RFIDを用いた情報処理事業も手がける。訪日外国人が増える中、紙媒体やホームページによる観光情報が主流で、動的な情報を求める観光客のニーズに対応できていなかった。社内に情報通信部門はあったものの、アプリ開発は同社にとってもハードルが高かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術主力の電気モーター生産は堅調だが、変化の激しい時代に向けて次世代事業を育てる必要があった。
  • 人手・技能訪日外国人向けに、通信圏外でも使える観光ガイドアプリを開発する必要があったが、開発費に限界があり時間がかかっていた。
  • 新製品・新技術先行企業との差別化には独創的な製品が求められ、スマートフォンの通信環境に頼らない発想の転換が必要だった。

やったこと

ロケーションベースのAR技術を用い、スマートフォンで対象物を向けたり写真を撮ったりすると観光情報を画面上に重ねて表示する観光ガイドアプリ「パチリガイド」を開発した。独自のアルゴリズムやプログラムによる自前技術にこだわり、特許も取得した。外部のクリエイターやプログラマーとも連携し、対象物の特定精度などを確認した。さらに、避難所・避難場所を距離や標高とともに表示し矢印で案内する避難誘導システムを付加した。全国の自治体が定めた約12万件の避難所・避難場所を収録し、2年間の実装テストを行った。

ソフトパチリガイド(観光ガイドアプリ)
ソフト避難誘導システム

新しい製品・サービス:通信圏外でも利用できるAR観光ガイドアプリ「パチリガイド」。音声や動画など容量32GB以上の観光情報を自動送信できる小型発信機も開発中。

事業の効果

  • 全国の自治体が定めた災害時の避難所や避難場所約12万件の中からユーザーの近くを表示

通信圏外でも使えるAR観光ガイドアプリを製品化し、来春の正式発売に向けて準備が進んでいる。避難誘導システムにより、土地勘のない訪日客も近くの避難所へ逃げやすくなった。自治体や観光団体の協力を得て、施設案内やガイドツアーでの利用を想定している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    5年ほど前からアプリ開発を始め、自前技術にこだわり特許も取得したとあるが、事業戦略上の位置づけは「1 0年先を見据え事業を育成」程度で具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    訪日外国人増加と紙媒体・ホームページの限界、圏外でも使えるロケーションベースARという強みが具体的に書かれ、競争優位が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    圏外で動く避難誘導や音声・動画の要望への対応など課題認識と解決策が書かれ、高付加価値化の方向性が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    数値目標や付加価値額の目標は書かれていないが、2万5000件の情報収録や12万件の避難所データなど規模感はうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    外部のクリエイターやプログラマーとも連携したとあるが、社内の体制や事務処理能力の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    訪日客が避難情報を英語で入手しづらい、観光情報の動的情報ニーズへの対応など、ターゲットとニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    来春の正式発売、2年間の実装テスト、32ギガ以上の小型発信機の開発など段階はあるが、詳細なスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達2

    開発費には限界があるとの記述はあるが、財務状況や金融機関からの資金調達については書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    圏外でも使えるARガイドや、避難誘導と観光情報を組み合わせた独自製品で差別化しようとする点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    訪日外国人の避難情報入手の困難さや災害時の避難誘導という社会的意義はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    ARやGPS・コンパスを使った圏外対応、外国語での避難情報提供など、先端的なデジタル技術による地域への貢献が読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    訪日外国人需要の取り込みやAI開発への注力がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    愛知県刈谷市や高山市、伊勢志摩の自治体・団体と連携し地域の観光地を対象にしている点は読み取れるが、地域経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

来春の正式発売に向けて、音声や動画などの情報を自動送信できる小型発信機を開発し、ホテルやテーマパークでの利用を想定している。販売面で協力できる大手企業の開拓を目指している。

  • 目標:全国の名所・古跡や町並み、河川などの約25000件のデータを収録
  • 目標:文字情報は日本語、英語、中国語、韓国語など20カ国語に対応

事業者の声

販売面で協力を得られる大手企業を開拓したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。