ものづくり補助金平成26年度製造業愛知県

食品栄養価の高い低糖質食品「おから」の食品リサイクルのための試作開発

株式会社くすむら

この事例のポイント

  • 豆腐製造で必ず発生するおからは搾りかすで、産業廃棄物として処分されるため、廃棄を減らすことがコスト面で重要な課題だった。
  • 食感のざらつきを解消するため、おからをペースト状にして口当たりを良くするとともに保水性を生かす新製品「おからペースト」の試作を行った。
  • おからペーストを使った商品として、カレー、ドーナツ、ハンバーガー、サラダ、パン、ハンバーグ、クッキーなどの商品開発につながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社くすむら
所在地愛知県 名古屋市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数83人
資本金1,000万円
設立1993年

事業の背景

大正3年創業の老舗豆腐メーカーで、近年は各種加工品や総菜、弁当に加えて懐石料理を出す飲食店を運営している。素材にこだわった手作り製法と、木曽川の伏流水を使った井戸水による地元食材の生産が顧客から高い支持を得ており、平成27年には伊勢神宮の外宮へ奉納し、学校給食にも用いられている。おからは豆腐や豆乳に劣らない高い栄養成分と繊維質を持ち、低糖質食品として期待できる一方、食感のざらつきや日持ちしない欠点から利用が進んでいなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算豆腐製造で必ず発生するおからは搾りかすで、産業廃棄物として処分されるため、廃棄を減らすことがコスト面で重要な課題だった。
  • 品質・精度おからは食感にざらつきがあり日持ちしないという欠点があり、既存のおから製品でもこの食感の問題は改善されていなかった。
  • 生産能力販売や加工にまわしていたが、排出される約500キロ/日のおからを使い切るまでには至らず、利用は約20キロ程度にとどまっていた。

やったこと

食感のざらつきを解消するため、おからをペースト状にして口当たりを良くするとともに保水性を生かす新製品「おからペースト」の試作を行った。裁断にはサイクロンチョッパーという食物繊維を裁断する設備を導入し、冷却機能により裁断時の摩擦熱の影響を最小限に抑え、品質と生産能力を安定させた。さらに自動真空包装機を導入し、おからペーストを真空包装して冷却・冷凍保存することで雑菌の繁殖を防ぎ、保存期間を長くした。

加工機サイクロンチョッパー
その他自動真空包装機

新しい製品・サービス:おからペースト

事業の効果

おからペーストを使った商品として、カレー、ドーナツ、ハンバーガー、サラダ、パン、ハンバーグ、クッキーなどの商品開発につながった。裁断時の摩擦熱の影響を抑えて品質が安定し、真空包装と冷凍保存により保存期間が長くなった。廃棄されるおからを減らせることで産業廃棄物処理のコストが下がり、企業の収益力向上が期待できる。商品の定番化などのオファーや企業・学校とのコラボレーションも企画されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    伝統の豆腐製造と手作り製法を活かし、おからペーストを商品化したと読み取れるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    木曽川伏流水や地元食材へのこだわりと顧客支持は読めるが、市場動向や競争優位との関係の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    廃棄されるおからが500キロ/日のうち20キロ程度と数字で課題を示し、ペースト化で商品開発につなげた流れが具体的。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    廃棄コスト削減や収益力向上が期待できるとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数83人と記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    食感のざらつきを解消し保水性を生かした口当たりの良さ、カレーやドーナツなど用途が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から生産能力の安定、真空包装での保存期間延長など工程は読めるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    おからを食感の良いペースト状にし、高栄養・低糖質食品として同分野で高付加価値化を図る点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    産業廃棄物削減やエコ食材の創出が語られ、企業・学校とのコラボが企画されているが、経済波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    産業廃棄物処理コストが下がり収益力向上が期待できるとあるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    冷却機能付き裁断や真空包装によるイノベーションがうかがえるが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地元食材と木曽川伏流水を使う地域性が読めるが、地域の雇用や経済成長を牽引する記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も積極的な営業を続け、おからペーストの認知度向上を目指す考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。