ものづくり補助金平成26年度製造業愛知県

高機能フィルムに対し低コスト・短納期加工を実現するスリッター機のカスタマイズ開発

アサヒパックス株式会社

この事例のポイント

  • ラミネート加工を外注に頼っていたため、2011年の東日本大震災以降に関東の加工業者が停滞し、自社でラミネート加工に対応する必要が生じた。
  • 2015年にラミネート機を導入して自社でフィルム貼り合わせと検品を行えるようにし、次にスリッター機を導入して外注していた裁断作業を内製化した。
  • 一貫体制の構築により納期が短縮され、外注費の削減などコスト面の改善につながった。

事業者のプロフィール

事業者名アサヒパックス株式会社
所在地愛知県 名古屋市
業種印刷・同関連業
技術分野精密加工
従業員数14人
資本金1,500万円
設立1968年

事業の背景

アサヒパックスはお菓子を中心とした食品パッケージのグラビア印刷を手掛けており、大手スーパーのプライベートブランドの野菜パッケージや空港・観光地で扱われる菓子土産のパッケージを印刷している。設立当初はパッケージ印刷のみを行っていたが、2011年3月の東日本大震災で関東地方のラミネート加工業者の事業活動が停滞したため、自社でラミネート加工を行う体制づくりに着手した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程ラミネート加工を外注に頼っていたため、2011年の東日本大震災以降に関東の加工業者が停滞し、自社でラミネート加工に対応する必要が生じた。
  • 納期・工程外注していた切断作業を社外に出していたため、運搬の手間と納期の遅れが生じていた。

やったこと

2015年にラミネート機を導入して自社でフィルム貼り合わせと検品を行えるようにし、次にスリッター機を導入して外注していた裁断作業を内製化した。導入したのは東伸製の高速スリッターで、検品機が東伸製であることによる相互性と実績、アフターフォローの迅速さから選んだ。さらにパナソニック製のレーザーをカスタマイズしたオンリーワンの設備を組み合わせ、オリジナルの設備を完成させた。補助事業は平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金を活用した。

加工機ラミネート機
加工機東伸製高速スリッター
加工機パナソニック製レーザーをカスタマイズした切断設備

新しい製品・サービス:パナソニック製レーザーをカスタマイズしたスリッター機によるオリジナル設備で、野菜等を長期保存する高機能フィルムの高精度カット加工に対応できるようになった。

事業の効果

一貫体制の構築により納期が短縮され、外注費の削減などコスト面の改善につながった。責任の所在が明確になり迅速な対応が可能になったことで品質も向上した。不良品率も低下し、安定供給につながった。高精度カットにより高機能フィルムの加工にも対応でき、既存顧客のシェア拡大と新規顧客の開拓が進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去のラミネート機導入から自社一貫体制へ広げた経緯が書かれ、事業の延長線上の取組と読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場環境と自社の強み・弱みを比較した記述はなく、強みは技術や実績に触れる程度でうかがえるのみ。

  • 課題の認識と解決3

    外注切断の内製化で納期短縮や品質向上が課題解決として示されるが、数値による効果の記載はない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、高付加価値化の目標はうかがえる程度にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    ラミネート機やスリッター機を導入し工程を自社で担った実績から体制の確保はうかがえるが、人員配置の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    野菜パッケージや菓子パッケージ、高機能フィルムへの対応が示され、顧客像とニーズはある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の中長期の遂行方法やスケジュールは示されず、今後の取組が概略で触れられるのみ。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    パナソニック製レーザーをカスタマイズしたオンリーワンの設備とあり、差別化は読み取れるが数値の根拠は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    ラミネート業者の停滞時に国内対応の必要があった点がうかがえるが、波及効果や雇用創出の記載は乏しい。

  • 費用対効果2

    納期短縮や不良品率低下が示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    スリッターのカスタマイズやレーザー活用はあるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    名古屋市の地域企業である点はあるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及はうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

光熱費削減や廃棄ロス削減に取り組みつつ、食品関係に限らず他業種にも進出し、多様化・高度化する容器・包装へのニーズに応えて受注獲得を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。