ものづくり補助金平成26年度製造業愛知県

ロボット制御技術を活用したハンドルスイッチ部品の自動組立体制の確立

丸栄豊田株式会社

成果1個あたりの組み立て時間 180秒→45秒

この事例のポイント

  • ハンドルスイッチの組み立てを自動化するには採算が合わず、従来の生産体制では手を出せなかった。
  • 手作業時の組み立て工程を基準に、13工程によるハンドルスイッチ組み立ての自動化ラインの設計に取り組んだ。
  • 1個あたりの組み立て時間 180秒→45秒。ハンドルスイッチの組み立てを自動化し、低コストと高品質を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名丸栄豊田株式会社
所在地愛知県 豊田市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野機械制御
従業員数40人
資本金500万円
設立2014年

事業の背景

丸栄豊田は2014年に丸栄工業から分離して設立された、自動車のハンドル周辺やバックドアに設置されるスイッチ類の組み立てを手がける会社。主要取引先は大手自動車部品メーカーで、同社から品質面で高い評価を受けていた。ハンドルスイッチの競合は国内だけでなく新興国にもあり、コスト競争力の強化が欠かせなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算ハンドルスイッチの組み立てを自動化するには採算が合わず、従来の生産体制では手を出せなかった。
  • 人手・技能手作業による組み立て工程に依存しており、品質の安定と納期短縮が課題だった。
  • 集客・繁閑取引先から自動化の要請を受け、受注拡大のために自動化を実現する必要があった。

やったこと

手作業時の組み立て工程を基準に、13工程によるハンドルスイッチ組み立ての自動化ラインの設計に取り組んだ。土台となる樹脂製部品を投入し、部品を上へ順番に重ねて搭載した後、意匠部品を組み付けて完成させる。ラインへの部品搬送時のキズを防ぐためエアー吸着を採用し、ゴムパーツの向きをそろえる専用の部品供給装置を開発した。また人の勘やコツに任せていた嵌合具合を数値化し機械の動作に反映させた。部品搬送と組み付け機構はXYの2軸のシンプルな構造とし、メンテナンスが容易で導入費用も抑えた。早期立ち上げのため工程を3分割して個別に改良、調整を繰り返し、深夜までの調整作業は数カ月間続いた。

加工機ハンドルスイッチ自動組み立てライン
その他ゴムパーツの向きをそろえる部品供給装置
加工機部品搬送・組み付け機構(XY2軸)

新しい製品・サービス:ロボット制御技術を活用したハンドルスイッチ部品の自動組み立てライン

事業の効果

  • 1個あたりの組み立て時間 180秒→45秒
  • 製品検査の不合格品割合は3000個に1個以下となった。

ハンドルスイッチの組み立てを自動化し、低コストと高品質を実現した。取引先からコスト、品質で表彰を受けるほど高く評価された。コスト競争力に加え品質面でも競合他社をリードでき、受注活動の幅が広がった。取引先はコンパクトカー向けだけでなく、よりコストに厳しい軽自動車メーカーでも優位な展開が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    金属加工から分離・設立された会社で主要取引先は大手自動車部品メーカーと記載あり、事業の流れは読めるが過去の取組との連続性の説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    競合は国内だけでなく新興国も相手で資本力に勝る部品メーカーもいるという外部環境と、品質で評価されている強みが書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の組み立て工程を13工程に分けた基準に対し、1個あたりの組立時間が180秒から4分の1以下になり、検査不合格率も3000個に1個以下と数字で課題解決が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    組立時間を4分の1以下、不合格率を3000個に1個以下と数値目標相当の結果が示されているが、賃上げや付加価値額の目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    社内チームを編成し取引先を含む5社から協力を得て開発体制を整えたと書かれ、体制の概要は読み取れるが人材や事務処理面の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    取引先から品質・コストで表彰を受け、コンパクトカーや軽自動車メーカー向けにも展開できるとあり、選ばれる理由と顧客の具体像が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    工程を3分割して改良・調整を繰り返し、深夜までの調整が数カ月続いたと遂行方法と課題の解決過程が書かれているが、スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ハンドルスイッチの自動組立は採算が合わず従来は手が出せなかった分野とあり、同分野で高水準の取組とまでは言えないが差別化は示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車産業の部品調達のグローバル化や国内での付加価値の高いスイッチ製造の必要性がうかがえるが、国が補助する積極的理由の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    組立時間を4分の1以下、不合格率を大幅に下げた結果が書かれ、費用対効果を示唆するが補助金額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献3

    ロボットや機械を活用した自動組立ラインとAI・IoTの検討が書かれ、サプライチェーン内の取引先との協力体制も示されている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    AI・IoTの技術発展に触れ今後の技術採用を検討すると書かれているが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    豊田市の自動車部品メーカーとして地域の製造業に関わる記述はあるが、地域特性を活かした雇用創出や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は人工知能(AI)、IoT技術の発展と価格低下を踏まえ、こうした最先端技術を搭載したロボットの採用も検討していく。

事業者の声

簡単に自動化をやりますと手を上げたが、やってみると苦労の連続だった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。