ものづくり補助金平成26年度製造業三重県

高精度画像寸法測定器導入による自動車関連切削部品加工における高品質・短納期・生産性向上の実現

有限会社刀根製作所

成果測定時間 5分→0.004分

この事例のポイント

  • 顧客要求の寸法精度が高まっており、現在の加工能力では対応できない技術的課題があった。
  • 株式会社キーエンスの画像寸法測定器IM-6700を導入し、技術担当者から操作方法の訓練を受けた。
  • 測定時間 5分→0.004分。測定時間が5分から4秒になり大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社刀根製作所
所在地三重県 松阪市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数6人
資本金1,000万円

事業の背景

同社は自動車エンジン用タイミングチェーンテンション部品を主力に、半導体シリコンウェアや配管部品の切削加工も手掛けている。自動車エンジン部品では周辺機器の高度化により、高品質・短納期化の要求が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度顧客要求の寸法精度が高まっており、現在の加工能力では対応できない技術的課題があった。
  • 品質・精度以前の検査は一般的な画像寸法測定器(寸法精度0.01mm)を用いており、人的測定誤差が顧客要求の公差を超えることがあった。
  • 品質・精度複雑形状の部品は段差を測る際に一般的な投影機ではピントが合わず、測定データも信頼に欠けていた。
  • 人手・技能測定に時間がかかるため納期の関係上、大規模ロット毎の検査しかできず、きめ細かな測定ができなかった。
  • 品質・精度顧客側の納品時抜き取り検査で一定水準以上の不良品が出るとロット全数が不合格となり、納入遅延が発生していた。
  • コスト・採算投影機の性能上、製品1つごとの測定に時間がかかり、作業効率の低下を恒常的に招きコスト高の要因となっていた。

やったこと

株式会社キーエンスの画像寸法測定器IM-6700を導入し、技術担当者から操作方法の訓練を受けた。訓練を受けた3人が、当社独自の「画像寸法測定器運転方法マニュアル」と「加工条件設定方法マニュアル」を作成した。マニュアルに沿って部品を測定し、性能(測定時間)を確認した。導入後の測定精度の目標は0.001mmとし、導入前の0.01mmから高精度化を図った。

検査測定画像寸法測定器 IM-6700(株式会社キーエンス)

事業の効果

  • 測定時間 5分→0.004分
  • 測定精度 0.01mm→0.001mm
  • 年間不良額30万円の削減
  • 検査工程の人件費削減20万円を実現
  • 検査工程の短期化により年間11日の短期化を可能とする

測定時間が5分から4秒になり大幅に短縮された。測定精度は0.01mmから0.000〜0.002mmとなり、個人による測定誤差が少なくなった。年間不良額30万円と検査人件費20万円の削減を見込み、原価を10%以上低減できる見込みである。検査工程の短期化により年間11日の納期短縮も可能となる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    取り組みは精密加工と測定技術の高度化とあり、既存事業の延長にあるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客要求寸法精度の高まりと他社との差別化を掲げるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    現状課題として検査の人的誤差、測定時間5分、ロットアウトの発生が具体的に示され、高精度測定器導入で解決する流れが読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    測定時間5分から4秒、精度0.01mmから0.001mm、年間不良額30万円削減、原価10%以上低減など数値目標と導入後の実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    キーエンス担当者から訓練を受けた3人がマニュアルを作成したとあるが、体制全体や事務処理能力は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客要求の高精度化や複雑形状部品への対応ニーズは読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の量産体制移行や今後の展望は述べられているが、中長期の検証や遂行スケジュールは具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    精度0.001mm測定により従来より約10倍の寸法精度加工が可能になると具体的に示され、同分野での高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車関連部品の受注増加や競争力強化が述べられるが、経済波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    年間不良額30万円削減と検査人件費削減20万円、原価10%以上低減など投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度測定という技術導入は読み取れるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    電動化に伴う部品の複雑化・高度化に言及があるが、日本経済の構造転換に資する点は明確に書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動車業界はモジュール化と部品共通化により部品点数は減少傾向にある。一方、電動化に伴い部品の複雑化・高度化が進んでおり、高品質化・低コスト化が不可欠である。本事業の成果により同社の金属加工の強みをさらに強化し、経営資源を蓄積して強化を図っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。