ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

高周波誘導加熱装置導入による作業環境改善及び省エネルギー化への取組み

株式会社ミヤジマ

成果加熱炉周辺の温度が50℃から室温となった

この事例のポイント

  • 重油加熱炉の作業環境が悪く作業者への負担が大きいため、人材が定着しない。
  • 材料径φ20〜50mm、材料長さ100〜800mmまで加熱できる高周波誘導加熱装置を導入した。
  • 加熱炉周辺の温度が50℃から室温となった。加熱炉周辺が室温となり騒音も65dBまで下がったことで作業環境が大きく改善し、人材の定着につながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミヤジマ
所在地滋賀県 多賀町
業種鉄鋼業
技術分野精密加工
従業員数41人
資本金1,000万円
設立1956年

事業の背景

当社はシャフトのアプセット鍛造を専門とする熱間鍛造メーカーで、金型費が安価または不要となる独自の「ミヤジマ式鍛造方式」が特徴である。鉄、ステンレス、黄銅など様々な材料を、小ロットから大ロットまで同じラインで製造する多品種生産を得意としている。鍛造材料の加熱には汎用性が必要なため、昔ながらの重油加熱炉を使用していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能重油加熱炉の作業環境が悪く作業者への負担が大きいため、人材が定着しない。
  • コスト・採算重油加熱炉はエネルギー効率が悪く、加熱コストが全体コストの20%以上を占めていた。
  • 生産能力加熱炉周辺温度が50℃を超え、加熱時の騒音レベルが100dBを超えていた。

やったこと

材料径φ20〜50mm、材料長さ100〜800mmまで加熱できる高周波誘導加熱装置を導入した。大ロット品は自動サイクル、小ロット品は手動で加熱できるハイブリッドタイプとし、鉄、ステンレス、黄銅を効率よく加熱できる仕様とした。3台ある重油加熱炉のうち1台を高周波誘導加熱装置に置き換えた。

加工機高周波誘導加熱装置

事業の効果

  • 加熱炉周辺の温度が50℃から室温となった
  • 加熱炉周辺の騒音レベル 105dB→65dB
  • 加熱コストの鍛造賃に対する割合 20%→8%

加熱炉周辺が室温となり騒音も65dBまで下がったことで作業環境が大きく改善し、人材の定着につながった。作業開始時の加熱時間が短くなり生産性が向上するとともに、加熱コストが低減しコスト競争力が高まった。加熱時の酸化スケールが減り品質が向上し、煙の発生が抑えられて工場が汚れにくくなり、CO2排出量削減などの環境負荷低減にも寄与した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    重油加熱炉からの転換と多品種生産の強みはうかがえるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性は記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ミヤジマ式鍛造や多品種・小ロットから大ロットまで同一ラインで製造できる点が強みとして読み取れるが、市場や顧客動向の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    重油加熱炉の作業環境悪化・人材定着の課題と加熱コスト全体の20%超を明示し、高周波誘導加熱装置で解決する方針が具体的。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    騒音100dB超→65dB、加熱コスト鍛造賃の20%→8%など数値目標と結果が明示され、目標達成も示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    コスト競争力の向上や多品種対応は述べられるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体的に整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    残り2台の重油加熱炉の置き換えやワンストップ加工の推進など今後の展開は示されるが、スケジュールや課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    高周波誘導加熱の鍛造工程への適用は一般的な分野とは言えず、高付加価値化の記述も乏しいが、独自方式の特徴はうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    作業環境改善による人材定着や地域雇用への言及はあるが、波及効果や社会的インフラとしての積極的理由は記載が少ない。

  • 費用対効果3

    加熱時間短縮と加熱コスト低減、酸化スケール減少など効果は書かれるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CO2排出量削減や煙の抑制に触れるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの言及は見られない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県多賀町の地域の事業者として記載はあるが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は残り2台の重油加熱炉も高周波誘導加熱装置に置き換え、作業環境の改善を推進したいとしている。また、NC旋盤やマシニングセンターなどの機械加工装置を導入し、L1加工や貫通穴・止まり穴のBTA加工を含むワンストップ加工を高度化し、顧客に付加価値を提供していく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。