ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

審美性および精度向上のためのロボット溶接機導入による高品質化事業

株式会社アルサスエンジニアリング

成果人による作業に比べ約10~20%の時間短縮が可能となった

この事例のポイント

  • 人手による溶接では限界があり、事業拡大のための生産能力が不足していた。
  • 高精度で美しいビードが得られるTIG溶接のロボット化に向け、TIGロボット溶接機を2機(鉄・SUS用、アルミ用)導入した。
  • 人による作業に比べ約10~20%の時間短縮が可能となった。導入したTIGロボット溶接機により、溶接欠陥や美観のバラツキがほとんどなくなり、人の作業に比べ約10~20%の時間短縮…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アルサスエンジニアリング
所在地滋賀県 甲賀市
業種非鉄金属製造業
技術分野デザイン,精密加工
従業員数46人
資本金1,000万円
設立1992年

事業の背景

当社は社名の由来であるアルミ・SUSなどの金属の板金加工メーカーで、創業以来の主力は発電所向け安全機器(開閉床蓋)分野である。約10年前から建築分野(トップライト)と鉄道車両分野(電装品計装箱・椅子躯体)に取り組み、現在は建築分野が約4割、鉄道車両分野が1割強の事業規模となっている。鉄道車両分野は日本の鉄道車両各社が世界最高峰の安全品質基準を基にグローバル展開している成長市場である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力人手による溶接では限界があり、事業拡大のための生産能力が不足していた。
  • 人手・技能TIG溶接は長期間の熟練を要し、人手では溶接欠陥が発生しやすい。
  • 品質・精度鉄道車両の電装品計装箱は完璧な溶接精度・寸法・仕上がりが求められ、品質基準が厳しい。
  • 新製品・新技術TIG溶接のロボット化は精度面で難易度が高く、技術確立が必要だった。

やったこと

高精度で美しいビードが得られるTIG溶接のロボット化に向け、TIGロボット溶接機を2機(鉄・SUS用、アルミ用)導入した。導入後約3か月にわたりテストランを実施し、電流値や溶接速度などを変化させて最適溶接条件を確立した。その結果、溶接欠陥や美観のバラツキはほとんどなくなり、人による作業に比べ約10~20%の時間短縮が可能となった。約半年間にわたり社内研修とテストランを実施し、5人のロボット溶接プログラマーを育成した。

ロボットTIGロボット溶接機(鉄・SUS用)
ロボットTIGロボット溶接機(アルミ用)

新しい製品・サービス:ロボット溶接による製品が6品種完成し、年内に20品種の完成を目指している。今後は大型製品への挑戦も予定している。

事業の効果

  • 人による作業に比べ約10~20%の時間短縮が可能となった
  • 5人のロボット溶接プログラマーを育成した
  • ロボット溶接製品が6品種完成した

導入したTIGロボット溶接機により、溶接欠陥や美観のバラツキがほとんどなくなり、人の作業に比べ約10~20%の時間短縮が可能となった。5人のロボット溶接プログラマーを育成し、ロボット溶接製品は6品種完成した。不良率の少ない小型製品から手掛けており、今後は年内に20品種の完成を目指す。製品採用実績も出始め、多くの引き合い・商談が進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去のTIG溶接の蓄積を基に鉄道車両分野へ展開しており、一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    鉄道車両分野の品質基準の厳しさとTIG溶接トップレベルの実績、人手溶接の限界が示され、強みと課題が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    TIG溶接の人手限界を課題とし、6品種完成・年内20品種・5年後の1.5倍規模など具体的な目標で解決策を示している。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    約10~20%の時間短縮、5人のプログラマー育成、年内20品種完成など数値目標があり、実現性はある程度うかがえる。

  • 事業を進める体制4

    約半年の社内研修で5人のプログラマーを育成し、約3か月のテストランを実施した実績があり体制面が具体的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    熟練工レベルの美観と品質、価格競争力と短納期が示され、製品価値と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    小型製品から始め大型製品へ5~10年かけて挑戦する段階的計画と、溶接精度±0.5mmなど技術課題と解決方法が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    TIGロボット溶接は導入企業が極めて少ないと書かれ、高い技術が要求される分野であることはうかがえるが、市場内の位置付けは数値で示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    鉄道車両分野のグローバル展開や道路標識用部材分野への展開、人材確保の重要性が書かれているが、波及効果や雇用創出の数字はない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加額、費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかに生産性向上がうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献3

    ロボット溶接による自動化と製造プロセス全体の技術革新が書かれているが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    鉄道車両など成長市場への展開がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    甲賀市の地域特性や地域経済への言及は読み取れず、わずかに高付加価値化がうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後5~10年かけて技術を蓄積し、精度誤差が大きくなりがちな大型製品に挑戦する。大型製品での溶接精度(±0.5mm)確保が技術課題であり、プログラムの改良や高精度治具の開発、レーザー加工機やベンダーの曲げ角度センサーによる前工程の精度向上を進める。鉄道車両分野では5年後に現在の1.5倍の事業規模を目指し、道路標識用部材分野の事業拡大も図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。