ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

UWB 用小型円偏波アンテナおよびその周辺回路の開発および試作

株式会社日本ジー・アイ・ティー

成果接続部品の損失低減 3.5dB→1.5dB

この事例のポイント

  • UWBを効率よく受信するためにアンテナおよびその周辺回路を低損失にする必要がある。
  • UWB用小型円偏波平板アンテナについて、長崎大学との予備実験を経て、材料選定や形状を考慮した詳細設計・試作・評価を行い、PCT(国際)特許を出願した。
  • 接続部品の損失低減 3.5dB→1.5dB。UWBの主要製品4分野で低損失、小型化、低価格化が図れ、UWBの優位性を高めることができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社日本ジー・アイ・ティー
所在地滋賀県 栗東市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野デザイン
従業員数26人
資本金3.037億円
設立2001年

事業の背景

弊社は次世代無線技術UWB用のチップセット、アンテナ、モジュール、システムまでを研究・開発・設計・製造する国内唯一の企業である。米国にホールディング会社を持ち、創業当初からグローバル展開を目指している。UWBは革新的技術だが、実用化にはパイオニアとして自ら解決すべき高度な技術課題がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力UWBを効率よく受信するためにアンテナおよびその周辺回路を低損失にする必要がある。
  • 品質・精度市販部品を用いた従来方式の接続では無損失時に比べ約半分(約3.5dB)の損失が発生していた。
  • 新製品・新技術UWBを製品・システムとして広く普及させるため、小型化・低価格化が必要である。
  • 新製品・新技術海外市場で事業展開するにはJapan Bandでは対応できないEU Band対応の低損失BPFが必要である。

やったこと

UWB用小型円偏波平板アンテナについて、長崎大学との予備実験を経て、材料選定や形状を考慮した詳細設計・試作・評価を行い、PCT(国際)特許を出願した。送受信機とアンテナの間の低損失接続部品について、新たな接続方法の開発・試作・評価を行った。各国電波法に準拠したEU Band対応の低損失BPF(帯域通過フィルター)の開発・試作・評価を行い、EU Band用としての使用可能性を確認した。

新しい製品・サービス:UWB用小型円偏波平板アンテナ、送受信機−アンテナ間の低損失接続部品、EU Band対応の低損失BPF

事業の効果

  • 接続部品の損失低減 3.5dB→1.5dB

UWBの主要製品4分野で低損失、小型化、低価格化が図れ、UWBの優位性を高めることができた。高精度屋内3次元測位システムは3次元10cm以下の精度で位置を特定でき、長距離化も可能になった。近距離高精度レーダーセンサーは取付け位置の自由度が高まり、医療・介護施設では非拘束モニター化により被験者のQOLを高める。接続部品は小型化と部材費削減も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    UWB用アンテナ・周辺回路の開発を継続し、長崎大学との共同研究やPCT特許出願に取り組んできた経緯が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    市販部品方式では約3.5dB損失が発生していた課題に対し、2-4dBの損失低減や部材費削減を実現した点から、強み活用の方向性が読める。

  • 課題の認識と解決4

    損失・小型化・低価格化という課題を整理し、接続部品やBPFなど具体的な解決策と成果を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    2020年に約3倍規模の事業拡大を目指すと明記され、短期ターゲット市場100億円以上と数値目標がある。ただし賃上げ目標はない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数26人と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度屋内測位や近距離レーダーなど製品分野ごとに用途を示し、施設数や引合い状況からニーズの裏付けもある。

  • 事業化までの道筋3

    中長期課題として24時間モニターの開発継続を挙げているが、スケジュールや遂行方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    UWBは普及途上の技術で、カスタマイズ製品による高付加価値化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    工場・病院・介護施設など国内約80万か所の施設市場を挙げ、雇用や需要創出への波及は示されるが、国が補助する理由の記述は限定的。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    UWBによる高精度測位やレーダーでデジタル技術を活用し、医療・工場分野での応用に言及している。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    UWBによる工場の高効率化や医療ICTなど成長分野への進出が示されるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県栗東市の企業とあるが、地域特性を活かした事業としての記述はわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はUWB製品・システムの市場浸透と顧客開拓を進め、高精度屋内3次元測位システムと近距離高精度レーダーセンサーの普及を推進する。2020年には約3倍規模の事業拡大を目指す。国内の工場・倉庫、商業施設、病院・介護施設を中心とする市場は、短期ターゲット(普及率0.1%)で100億円以上の規模と見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。