ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

車載用部品に使用されるプリント基板の新しい加工方法の開発

シガ電子株式会社

成果ルーター加工の1/10程度の低コストの加工を実現する目途が立った

この事例のポイント

  • プレス加工ではプリント基板にバリや細かいクラックが発生しやすく、車載用などの要求品質の高い基板にはルーター加工が使われている。
  • プレス金型の形状を工夫し、要求品質を満たすプレス加工技術を開発した。
  • ルーター加工の1/10程度の低コストの加工を実現する目途が立った。ルーター加工に劣らない精度の加工技術を開発し、ルーター加工の約1/10の低コストで加工できる目途が立った。

事業者のプロフィール

事業者名シガ電子株式会社
所在地滋賀県 長浜市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数23人
資本金4,800万円
設立1989年

事業の背景

当社はプレス金型の設計・製造やプレス量産品の製造を行っている。プリント基板の小型化と高集積化が進み、基板の加工にも高い精度が求められるようになった。プレス加工では品質面の問題が生じやすく、車載用など要求品質の高い基板には切削加工のルーター加工が採用されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度プレス加工ではプリント基板にバリや細かいクラックが発生しやすく、車載用などの要求品質の高い基板にはルーター加工が使われている。
  • コスト・採算ルーター加工は切削加工のため、コストが高いという問題があった。

やったこと

プレス金型の形状を工夫し、要求品質を満たすプレス加工技術を開発した。基板上の回路の高さ(約2/100mm)により基板が平行にならないことが問題と考え、金型にミクロン単位の薄い削り込みを入れて基板とパンチの平行性を保つ新技術に取り組んだ。当社の最先端工作機械で金型表面に回路に合わせた高精度の薄削り加工を行い、今回導入したデジタルマイクロスコープで金型と試作基板を測定・分析し、加工条件にフィードバックする手順を繰り返した。通常の金型と微細加工を施した試作金型でプレスした製品のバリ高さを比較・検証した。

検査測定デジタルマイクロスコープ
加工機最先端の工作機械

新しい製品・サービス:車載用などの高品質プリント基板向けの、プレス金型を用いた新しい加工方法(微細加工を施したプレス金型)

事業の効果

  • ルーター加工の1/10程度の低コストの加工を実現する目途が立った

ルーター加工に劣らない精度の加工技術を開発し、ルーター加工の約1/10の低コストで加工できる目途が立った。試作金型でプレスした製品はバリ高さを大幅に抑えられ、クラックの発生も回避できた。客先からは品質向上と生産性に関心を持たれ、金型生産技術では高い評価を得た。一方、切断面の滑らかさがルーター加工に劣るため、車載用基板としての販売には至っていない。また、技術力や社員のモチベーション向上にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    プレス金型の製造が既存事業と書かれ、その延長でプリント基板加工に取り組んだことはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    最先端の工作機械と培った技術力、焼入鋼への微細加工技術の高さが強みとして書かれているが、市場動向との関係は具体的でない。

  • 課題の認識と解決3

    ルーター加工に対するコストが1/10程度と書かれ課題認識はあるが、切断面の滑らかさという課題に対する解決策の計画は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    ルーター加工の1/10程度のコストという数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員23人の会社で、金型設計・製造の体制や開発手順は書かれているが、補助事業を遂行する人材体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    車載用の高精度基板向けに高品質と量産性を両立する点、客先から品質と生産性に興味を持たれている点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    開発手順は測定と加工条件へのフィードバックの繰り返しと書かれるが、スケジュールや切断面改善の具体的な方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ルーター加工に劣らない精度を低コストで実現する点は、既存の量産金型と比べて高付加価値化を図る取組として読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    車載用プリント基板の需要が堅調と書かれるが、波及効果や雇用創出の記述は少ない。

  • 費用対効果3

    ルーター加工の1/10程度のコスト、バリ高さを大幅に抑えたという効果が書かれるが、投資額に対する費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタルマイクロスコープによる測定と加工条件へのフィードバック体制は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    新素材のガスケットや燃料電池など新分野への展開可能性が書かれるが、日本経済の構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県長浜市の企業であることは書かれるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動車産業は継続的な発展が見込まれ、車載用高精度プリント基板の需要も堅調と思われる。自動車メーカーも注目しており、情報交換しながら開発・改良を進める。海外では量産金型、国内では小ロット多品種のルーター加工との競争が激化すると予想されるが、高品質と金型の量産性によるコスト面の優位性を訴求して販売を進める予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。