ものづくり補助金平成26年度農業、林業京都府

京都・宇治・和束産の「万能碾茶」による、やすらぎと健康の提供

成果碾茶の販売数量 40箱→109箱

この事例のポイント

  • 碾茶を袋に充填する機械が存在せず、手作業のため量産化ができなかった。
  • 専門機械メーカーと共に実験、検証、評価を重ね、「パイプフィーダ式自動計量装置および自動ティーバッグ充填包装機」を導入した。
  • 碾茶の販売数量 40箱→109箱。碾茶を機械で自動的に充填し量産できるようになり、従来の手詰めによる生産性の低さやコストの問題が解決した。

事業者のプロフィール

所在地京都府 和束町
業種農業
従業員数2人
設立1868年

事業の背景

和束町は約10年前には碾茶生産がほぼなかったが、現在は国内最大の碾茶生産地になっている。当事業所の碾茶生産比率は全生産量の約25%まで伸びている。これまで碾茶は一般に市場流通しておらず、消費者からのニーズは高まりつつあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力碾茶を袋に充填する機械が存在せず、手作業のため量産化ができなかった。
  • 人手・技能碾茶は茶葉が軽く静電気も起きやすく、袋詰めの取り扱いが難しかった。
  • 新製品・新技術一般消費者に碾茶を届けるための製造体制と販路が整っていなかった。

やったこと

専門機械メーカーと共に実験、検証、評価を重ね、「パイプフィーダ式自動計量装置および自動ティーバッグ充填包装機」を導入した。この機械により碾茶を機械で自動的に充填し量産する体制を整えた。従来の手詰めでは1パック2gの碾茶を1分間に2〜3袋しか詰められなかったが、導入後は1分間に50〜60袋詰めることが可能になった。また、町の中心部の「和束茶カフェ」での販売を始め、インターネット通信販売や料亭などへの供給も含め新たな販路を開拓した。

加工機パイプフィーダ式自動計量装置
加工機自動ティーバッグ充填包装機

新しい製品・サービス:「万能碾茶」(10パックを1箱にしたアルミパック包装の碾茶)

事業の効果

  • 碾茶の販売数量 40箱→109箱
  • 袋詰め速度 2袋/分→50袋/分

碾茶を機械で自動的に充填し量産できるようになり、従来の手詰めによる生産性の低さやコストの問題が解決した。袋詰めの工数も大きく減った。新たな販路の開拓により、碾茶を味わったことのない消費者にも魅力を伝えられるようになった。販売数量も年間40箱から109箱に増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成19年に5代目として家業を継ぎ、宇治和束茶の生産販売に取り組んできたと書かれ、過去の取組との連続性は読み取れる。ただし経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    碾茶の生産比率が全生産量の約25%に伸び、和束町は国内最大の碾茶生産地になったと書かれ、市場動向と自社の強みを踏まえた内容がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    碾茶を袋詰めする機械がなく量産できなかったという課題を挙げ、自動計量・充填機の導入で解決を図る内容が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1分間に2〜3袋から50〜60袋へ詰められるという数値目標と、年間40箱から1年後109箱への販売増加の実績が書かれている。

  • 事業を進める体制3

    従業員数2人と記載があり、専門機械メーカーと実験・検証を重ねたとあるが、人材や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    万能碾茶の価値(新鮮な抹茶、食べる茶)と、一般消費者向けの直販という顧客ターゲットや選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    新規販路の開拓や今後の事業展開は書かれているが、中長期の検証方法やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    抹茶ブームを背景に、碾茶を挽く前の状態で販売する新たな発想で、同分野で競合がほぼ存在しないと書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    和束町の活性化、若者の雇用促進や事業承継、茶農家の収益向上への言及があるが、定量的な波及効果は示されていない。

  • 費用対効果4

    手詰め2〜3袋/分が50〜60袋/分となり、年間販売が40箱から109箱に増えた数字があり、投資効果が具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    自動計量・充填機の導入は書かれているが、先端的なデジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及はわずかである。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    和束町の特性を活かした碾茶生産と観光客の増加、和束茶カフェを通じた地域の活性化が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

碾茶の新規販路への拡販を契機に「宇治和束茶」のブランドを一般消費者に広め、和束町を活性化させたいと考えている。将来的には、和束産の「万能碾茶」でやすらぎと健康を国内だけでなく世界へ届けることを目標にしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。