ものづくり補助金平成26年度製造業京都府

高精度マシニングセンター導入によるリードタイム短縮の取組

株式会社衣川製作所

この事例のポイント

  • 医療用治具や金属部品に対する高まる品質要求に、従来の設備では十分に応えきれなかった。
  • 今回の補助金で、従来機より精度と表面粗さの面で一段上位の森精機製高速マシニングセンターを導入した。
  • 高精度化により、エレクトロニクス関係と医療機器関係の両方で新規の顧客が増えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社衣川製作所
所在地京都府 京都市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数21人
資本金2億円
設立1986年

事業の背景

弊社は微細加工を得意とし、もともとエレクトロニクス分野、特に半導体関連の精密部品や治工具を手がけてきた。約16年前に京都試作ネットの立ち上げに参加したことをきっかけに、医療機器関連分野へ進出し、新たな事業の柱とした。手術器具はこれまで手作業で仕上げられることが多く、時間や作業者による品質のばらつきが課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度医療用治具や金属部品に対する高まる品質要求に、従来の設備では十分に応えきれなかった。
  • コスト・採算加工スピードが十分でなく、リードタイムが長く、間接経費もかさんでいた。

やったこと

今回の補助金で、従来機より精度と表面粗さの面で一段上位の森精機製高速マシニングセンターを導入した。チタンやステンレス630といった難削材について、加工プロセスや回転数などの条件を開発し、素材と削りにくさに最も適合する機械を選定した。導入機は技術センターの入口付近に設置し、休日も稼働できる体制として生産量の拡大を図った。

加工機森精機製 高速マシニングセンター(立形)

事業の効果

高精度化により、エレクトロニクス関係と医療機器関係の両方で新規の顧客が増えた。社内の加工プロセスが効率化され、従来より短いリードタイムで生産を組めるようになった。休日稼働の体制により社内の生産量も拡大した。バッテリー分野などエネルギー分野でもこの高精度機械を活用している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のマシニングセンター群に加え、より高精度な上位機を導入し、エレクトロニクスから医療機器分野へ進出した経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    難削材のチタンやSUS630への加工条件を開発し、高精度を求める引き合いが増えたと述べ、強みと市場の関係が具体的。

  • 課題の認識と解決3

    リードタイム短縮と加工工程の効率化が課題解決として挙げられているが、付加価値や成長の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員21人で休日稼働の体制をとり、月2回の清掃など人材育成への取組も書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用手術器具の高精度な表面仕上げという価値と、外資系顧客からの依頼やリピートによる引き合い増が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から常使用への移行、自社ブランドのリハビリ機の上市目標など中長期の方向性はあるが、スケジュールや検証方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    医療分野の手術器具で表面仕上げの高精度化に長けるとしているが、市場の普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器や半導体関連の部品製造という産業面の意義はうかがえるが、雇用創出や波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果2

    リードタイム短縮と間接経費の削減が目的とされるが、補助金額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度加工の機械化やデジタル化による医療分野の効率化はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションとしての記述は弱い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器分野への進出という成長分野への展開はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    京都市伏見区での事業だが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療分野の比率は小さいが、試作開発から常使用への展開を進め、自社ブランドの製品として売上の一部を自社製品にすることを目指している。整形外科のリハビリ機を上市する計画で、医療機器とするかリハビリ機とするかで薬事法の扱いが変わるため、安全性を最重要視して進めている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。