ものづくり補助金平成26年度製造業京都府

木質系建築物の風合いを保ち高耐久な保護剤「タウンガード」の開発及び販売

株式会社丹宇

成果再塗装の間隔 5年→15年

この事例のポイント

  • 木材需要の減少により従来の木材業では将来性が危ぶまれ、新規事業が必要になった。
  • 接触角150度の超撥水・撥油性を目標に、成分やその配合率、攪拌条件などを検討した。
  • 再塗装の間隔 5年→15年。接触角150度の超撥水・撥油性を実現し、被処理材に応じたカスタマイズや耐久性の向上に取り組んだ。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社丹宇
所在地京都府 京都市
業種木材・木製品製造業
技術分野表面処理
従業員数2人
資本金2億円
設立1982年

事業の背景

当社は代々木材業(銘木)を営んできたが、木材需要の減少により将来性に不安を抱え、新規事業を検討するようになった。木質系建築物の保護技術は京都大学生存圏研究所で長く研究されており、その協力を得て6年間の研究開発を経て保護剤「タウンガード」を完成させ、平成22年に高台寺円徳院で初施工を行った。他社の撥水保護塗料が1年ごとの再塗布を必要とするのに対し、当社製品は5年ごとの再塗布で済む。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術木材需要の減少により従来の木材業では将来性が危ぶまれ、新規事業が必要になった。
  • 品質・精度現行の撥水保護塗料は耐久性・耐候性が低く約1年ごとの再塗布が必要で、顧客にとって短期間の再塗装は経済的に現実的ではない。

やったこと

接触角150度の超撥水・撥油性を目標に、成分やその配合率、攪拌条件などを検討した。撥水性能はフッ素系加工剤をベースに、無機微粒子や助剤を最適な割合で配合する実験を重ねた。紫外線対策として、紫外線防止材の絞り込みと成分配合、付着量の検討を行い、色の変化や膜厚を測定しながら風合いへの影響を確認した。防カビ・防腐朽菌については木材は問題ないと確認できたが、竹材は効果が低く検証を繰り返して改善した。測定機として接触角計、色差計、膜厚計、水分計、SV型粘度計を導入し、定量的な目標設定と評価を可能にした。

検査測定接触角計
検査測定色差計
検査測定水分計
検査測定SV型(音叉型振動式)粘度計

新しい製品・サービス:木質系建築物向けの超撥水・撥油性と耐久性を備えた保護剤(タウンガード)の改良品。メンテナンス期間を5年から15年へ延ばすことを目標とした。

事業の効果

  • 再塗装の間隔 5年→15年

接触角150度の超撥水・撥油性を実現し、被処理材に応じたカスタマイズや耐久性の向上に取り組んだ。定量的な数字で目標を設定・判断できるようになり、性能と品質の向上を加速できた。竹材の防カビ・防腐朽菌効果も改善が進んだ。工務店向けの処理材販売や文化財保護の施工を含む受注が増え、和紙や繊維などこれまで依頼のなかった素材の受注もできるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    木材業から新規事業を考えた経緯と、6年間の研究開発で撥水保護剤を完成させた流れが書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    木材需要の減少で将来性が危ぶまれたことや、寺社仏閣での実績は書かれるが、競合比較や自社の経営資源の強みとの関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    他社塗料が1年ごとの再塗布が必要という課題を挙げ、5年から15年への耐久性向上を目標にしているが、事業計画の収益面への結びつきは薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    再塗装期間を5年から15年にする目標や接触角150度の目標が数字で示されており、計測器による定量的な判断の記載もある。

  • 事業を進める体制2

    従業員数2人と書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    寺社仏閣や工務店向けの実績、風合いが変わらないことが顧客評価につながるという点で、製品の価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    紫外線防止材の絞り込みや竹材の防カビ対策の検討など今後の課題は書かれているが、スケジュールや遂行方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    接触角150度の超撥水・撥油性を達成し、一般的な撥水塗料より耐久性を高める高水準の付加価値化が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    文化財保護や寺社仏閣の保護に使われている点はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出などの国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    再塗装が5年から15年になることで顧客のメンテナンス費用が減る点は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は書かれておらず、新しいビジネスモデルとして処理剤販売や加工受注が挙げられる程度である。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京都の寺社や文化財の保護に関わり地域の特性を活かしているが、雇用や地域経済成長への効果は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

タウンガードの処理剤としての製造販売、施工を含めた加工の受注、処理を行った木材加工品の製造販売を進める。和紙や繊維では防炎性能への要求もあり、これまでの知見を活かして市場の拡大を図る。

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効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。