ものづくり補助金平成26年度製造業京都府

連続モニタリング化自動横ピロー充填包装ラインの設計導入による生産性向上

株式会社ハシモト

成果包装ラインの能力 75個/分→100個/分

この事例のポイント

  • 消費者の安全安心への関心が高まり、取引先から自社の大量生産ラインと同等の高度な品質保証を求められるケースが増えている。
  • 横ピロー方式の包装ラインを新設し、ラインの設計段階から製品の品質管理工程の連続モニタリングができる構成にした。
  • 包装ラインの能力 75個/分→100個/分。新ラインの能力は100個/分に向上し、サイクルタイムは33%短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ハシモト
所在地京都府 亀岡市
業種食料品製造業
技術分野測定計測
従業員数130人
資本金2億円
設立1950年

事業の背景

昭和25年に京都で創業し、幅広い分野で包装充填に特化して、徹底した品質管理と納期厳守を事業の柱としている。菓子製造許可と乳製品製造許可も取得しており、取引先は明治、江崎グリコ、フジシールなど国内の菓子・食品・健康食品メーカー約40社である。大手食品メーカーでは、全国展開前の新商品のモニタリングや季節新商品などの小ロット製品を、自社設備投資のリスクを避けて外部へ充填委託するケースが増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度消費者の安全安心への関心が高まり、取引先から自社の大量生産ラインと同等の高度な品質保証を求められるケースが増えている。
  • コスト・採算生産性が従来と同じままなので、コストの低減が図れない。
  • 生産能力急な需要変動に対する瞬発力がなく、人手不足のなかで検査などの重要工程を派遣社員に任せられず、急な増産に対応しにくい。

やったこと

横ピロー方式の包装ラインを新設し、ラインの設計段階から製品の品質管理工程の連続モニタリングができる構成にした。重要工程である目視検査は、画像処理による自動検査装置に置き換え、異常が出たときに不良品を自動排出する装置を設置した。フィルムの封止部分のシール抜けの検出も、人手を介さず自動で行えるようにした。ヒートシール機構は温度管理、圧力管理、平滑度管理の3要素を向上させる保守管理を行い、安定したサイクルタイムの短縮を図った。

加工機自動横ピロー充填包装ライン
検査測定画像処理による自動検査装置
その他異常時の自動排出装置

事業の効果

  • 包装ラインの能力 75個/分→100個/分
  • 工程の配員 8人→7人

新ラインの能力は100個/分に向上し、サイクルタイムは33%短縮された。検査の自動化により工程の配員が減り、労務工数換算で14%の能力改善となった。二つの数字を合わせると労務工数換算で52%の改善になった。自動検査と不良品排出により人作業のミスが防げるようになり、事故につながるヒューマンエラーが撲滅され、顧客の大手食品メーカーから高い評価を得た。重要工程の自動化で教育立ち上げ期間も短縮され、急な増産など需要変動への瞬発力が付いた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    包装充填に特化してきた創業以来の事業を基盤に、食品PB・OEM受託の伸長に合わせてライン増設を位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手メーカーから求められる高度な品質保証を強みとして、外部委託ニーズに応える方針が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    増産ライン新設後の課題①②③を明示し、画像処理検査や排出装置で生産性と品質の改善につなげている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    能率152%(サイクルタイム33%向上、労務工数換算で52%の改善)という数値目標の達成が事例に示されている。

  • 事業を進める体制3

    派遣依存からの脱却や教育立上期間の短縮は書かれるが、人員計画や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ブランドオーナーや菓子メーカーの品質要求に応える自動検査という価値と、顧客ニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    来年度の新しい話や健康食品分野への挑戦を検討とあるが、スケジュールや課題の解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    横ピロー包装は一般的な包装方式で、高付加価値化や高価格化を図る分野としての記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    大手メーカーの小ロット委託需要に応える点はあるが、経済波及や雇用創出への言及は薄い。

  • 費用対効果3

    補助金額の記載はないが、生産性52%改善と配員8人から7人への削減という成果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    画像処理による自動検査装置を導入し、目視検査をデジタル技術で置き換えた点が示されている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    食品PB・OEM受託の伸長に言及があるが、日本経済の構造転換への位置づけは書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    京都府亀岡市の事業者とあるが、地域特性を活かした雇用や地域経済への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

コロナ禍でオフィス向けの菓子の需要が落ち、予定していた菓子メーカーの新商品の販売数は目標に届いていないため、現時点では新ラインの稼働率に余裕がある。目標としていた生産性と品質の向上は達成できており、増産や別製品の新規受注があれば収益に貢献する見込みである。来年度の新しい話もいただいており、今後に期待している。健康食品等の粉状商品の包装という新規分野への挑戦も検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。