ものづくり補助金平成26年度製造業京都府

高精度が求められるアルミニウム部品の加工技術の開発

成果測定対象全体を1度間隔で一度に360箇所測定でき、測定時間を大幅に短縮

この事例のポイント

  • アルミニウム部品の加工に伴って発生するバリやカエリを、どのように発見し除去するかが課題であった。
  • キーエンス社製の画像測定器IM-6700(6225T)を導入し、既存の5軸NC旋盤と5軸マシニングセンタで切削加工した試作品を精密測定できる体制を整えた。
  • 測定対象全体を1度間隔で一度に360箇所測定でき、測定時間を大幅に短縮。画像測定器の導入により、バリやカエリを非接触で高精度に発見できるようになり、従来の手作業・目視による非効率で不正確な測…

事業者のプロフィール

所在地京都府 京丹後市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数5人
設立1977年

事業の背景

昭和52年に京丹後市で絹織物向けジャガード織機の部品製造として独立開業し、その後は半導体の部品製造で技術と信頼を積み重ねてきた。現在は国内大手企業の多くが取引先で、近年は半導体分野以外の先端技術分野からの試作品開発の依頼も増えている。キーエンス社からは、同社の測定器に使われるアルミニウム製試作部品の開発を打診された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度アルミニウム部品の加工に伴って発生するバリやカエリを、どのように発見し除去するかが課題であった。
  • 品質・精度従来のマイクロスコープやマイクロメーターによる検査では測定者によって結果がばらつき、十分な検査結果が得られなかった。
  • 品質・精度ミクロサイズのバリやカエリを的確に発見できる体制がなかった。

やったこと

キーエンス社製の画像測定器IM-6700(6225T)を導入し、既存の5軸NC旋盤と5軸マシニングセンタで切削加工した試作品を精密測定できる体制を整えた。この測定器は被写界深度の深い専用設計レンズを搭載し、撮像周辺部でも歪みの少ないレンズを採用しているため、正確な画像データを得られる。測定対象全体を1度間隔で360箇所まとめて測定できるため、測定時間を大幅に短縮し、リードタイムの短縮にもつながる。非接触検査により形状のズレ等を1/1000mm単位で発見し、加工条件へフィードバックできるようになった。

検査測定画像測定器 IM-6700/6225T

事業の効果

  • 測定対象全体を1度間隔で一度に360箇所測定でき、測定時間を大幅に短縮

画像測定器の導入により、バリやカエリを非接触で高精度に発見できるようになり、従来の手作業・目視による非効率で不正確な測定をやめられた。これにより効率化と同時に品質不良による返品や経営ロスをなくすことができた。不良発生の原因分析も速やかに行え、再発防止につながっている。測定時間の短縮によりリードタイムも縮まり、医療用機器部品など高い精度が求められる製品の製造が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    半導体部品加工の実績と先端分野試作の受注増がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    キーエンス社など大手取引先や高精度加工の技術力は読み取れるが、市場動向と自社強みの比較分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    バリ・カエリの発見ができず品質不良や返品が課題とされ、画像測定器導入で1/1000mm単位の発見と返品削減が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の数値目標は示されておらず、測定時間短縮やリードタイム短縮の定性的記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員5人の体制と30代後継者の存在は読み取れるが、補助事業を遂行する具体的な体制計画は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    キーエンス社の試作依頼や測定器の非接触検査という価値は書かれているが、顧客ニーズの裏付けは具体的でない。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の見通しとして自動草刈り機や施設構想が語られるが、補助事業のスケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    画像測定器による非接触検査は従来の目視測定と異なる新しい方式だが、分野の普及度や高付加価値化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器や半導体の精密部品製造に関わるとあるが、波及効果や雇用創出の記述は限定的である。

  • 費用対効果3

    返品・経営ロスの削減と不良原因分析の迅速化は書かれているが、投入額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    非接触の画像測定による検査手法は書かれているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体や医療機器、真空ポンプなど先端分野へ進出していることがうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    京丹後市で創業し地域に根ざした工場とあるが、地域の経済成長や雇用創出への貢献は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

30代の後継者が新しいものづくりに取り組んでおり、安価な3Dプリンターを使った低コストの試作から自動草刈り機の商品化に挑戦している。将来は子どもが遊びながらものづくりに親しめる施設を京丹後につくることを夢見ている。昨年12月に工場を増設し、空気浄化システム機器を追加導入した。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。