ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業京都府

特許を持つ感熱製版フィルムの量産化を図るための生産プロセス革新事業

株式会社色素オオタ・オータス

成果設備の導入前は1,100m~2,800mごとに1度はロスが発生していたが、現在はほとんどない

この事例のポイント

  • 感熱製版フィルムの増産に伴い、製造工程の手作業部分がネックとなっていた。
  • フィルムと紗(メッシュ)を接着剤で接着する製造過程で、既存設備に①ピンチエキスパンダーを増設し、フィルムの両端を自動で引っ張らせて人手を介さないようにした。
  • 設備の導入前は1,100m~2,800mごとに1度はロスが発生していたが、現在はほとんどない。ピンチエキスパンダーの導入により、フィルムの両端を機械で引っ張れるようになり、シワの防止と破れの減少が進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社色素オオタ・オータス
所在地京都府 京都市
業種その他の卸売業
技術分野接合・実装,複合・新機能材料
従業員数7人
資本金1億円
設立1989年

事業の背景

弊社はデジタル製版機や製版フィルムの製造などスクリーン印刷関連の事業を行っている。製版フィルムは従来のシルクスクリーンと比べ環境負荷、製版時間、製版コストの面で優れ、顧客から高い評価を得ている。平成24年度に製版フィルムの幅広化とデジタル製版機の試験機開発、平成25年度に紗張り加工の半自動化に取り組み、紗張り加工の受託により売り上げも伸びてきた。順調な売り上げ予測から製版フィルムの増産が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力感熱製版フィルムの増産に伴い、製造工程の手作業部分がネックとなっていた。
  • 品質・精度フィルムの両端のシワやたるみを防ぐため作業員が手で引っ張っており、フィルムが破れることが多発していた。
  • コスト・採算破れたフィルムは廃棄しなければならず(廃棄ロス)、設備の不具合による復旧作業も無駄に発生していた。
  • 生産能力ラミネートしたフィルムの乾燥がボトルネックとなり、作業全体のリードタイムが長かった。

やったこと

フィルムと紗(メッシュ)を接着剤で接着する製造過程で、既存設備に①ピンチエキスパンダーを増設し、フィルムの両端を自動で引っ張らせて人手を介さないようにした。また②乾燥機を増設して乾燥を早めることでリードタイムを短縮しようとした。ピンチエキスパンダーにより、シワの防止と、作業によるロス(廃棄ロスと復旧による作業ロス)の削減を図った。

加工機ピンチエキスパンダー
加工機乾燥機

事業の効果

  • 設備の導入前は1,100m~2,800mごとに1度はロスが発生していたが、現在はほとんどない

ピンチエキスパンダーの導入により、フィルムの両端を機械で引っ張れるようになり、シワの防止と破れの減少が進んだ。廃棄ロスと復旧による作業ロスはほとんどなくなった。品質も安定し、作業員は手作業から解放されて製版フィルムの出来栄えに集中できるようになった。乾燥速度は必ずしも短縮されなかったが、品質の安定化という想定外の成果を得た。生産性の効率化と生産力の向上も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成24年度の幅広化・デジタル製版機開発、25年度の紗張り加工半自動化と段階的な取組が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特許の感熱製版フィルムで環境負荷・製版時間・製版コストに優れ高い評価を得ている点や、アジア・ヨーロッパからの引き合いが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    乾燥がボトルネックで、1,100m〜2,800mごとのロス発生と手作業の破れが課題と明記され、ピンチエキスパンダー導入で解決を図っている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産効率を約1.6倍にする目標が示されているが、付加価値や賃上げの目標は書かれておらず、達成見込みの根拠は薄い。

  • 事業を進める体制2

    従業員7人の企業で、紗張り加工の体制整備や熟練員2人の作業の話はあるが、補助事業を遂行する人材・事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    販促品やイベント商品など多品種小ロットに向くことや、スクリーン印刷のメリットが具体的に示され、顧客と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    乾燥機増設やピンチエキスパンダー増設など課題への対応方法は書かれているが、スケジュールや中長期の検証内容は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    スクリーン印刷は一般的な印刷方式で、感熱製版フィルムは従来品より環境負荷や製版時間で優れる点が示されるが、普及度の低さや高価格化は明示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    環境負荷の低さや海外からの引き合いに触れるのみで、国が補助する経済波及や雇用創出の理由は明確に書かれていない。

  • 費用対効果3

    廃棄ロス・復旧ロスの削減と生産力向上は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル製版機やサーマル方式の活用はうかがえるが、サプライチェーンや地域への貢献について具体的な記述は少ない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京都市・南丹市の工場所在地は示されるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

アジアやヨーロッパからも引き合いがあり、販促品やイベント商品などの多品種小ロット生産の特徴を訴求することで国内外の市場を開拓できると考えている。今後は販売体制を強化しながら需要を取り込んでいきたいとしている。

  • 目標:生産効率 1倍→1.6倍

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。