ものづくり補助金平成29年度卸売業、小売業鹿児島県

後発酵茶(こうはっこうちゃ)等の品質・生産性向上とティーバッグ化への取り組み

株式会社三州園

成果大幅な生産性向上

この事例のポイント

  • 後発酵茶やフレーバーティーなど新しい商品の品質と生産性を上げる必要があった。
  • 後発酵茶の滅菌処理を外注から内製化するため、滅菌器を導入した。
  • 大幅な生産性向上。滅菌処理の内製化により製品完成までの製造コストが大幅に削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社三州園
所在地鹿児島県 鹿児島市
業種飲食料品卸売業
技術分野製造環境,製造環境,測定計測,測定計測
従業員数3人
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

株式会社三州園は鹿児島県で栽培されたお茶を日本茶鑑定士が仕入れ、県内外の同業者に販売する産地問屋である。自社で仕上加工したお茶を個包装して自社店舗で売り、県内外のスーパーや食品問屋にも納入している。リーフ茶の売上は年々減少傾向にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術後発酵茶やフレーバーティーなど新しい商品の品質と生産性を上げる必要があった。
  • 生産能力後発酵茶の滅菌処理を外注しており、製造コストと工程の負担が大きかった。
  • 品質・精度発酵時の温度が一定せず、品質が安定しにくかった。
  • 人手・技能ティーバッグ加工での計量が手作業に頼り、正確さと効率に課題があった。
  • 販路・情報発信リーフ茶の売上が年々減少しており、お茶の消費を広げる新しい販路が必要だった。

やったこと

後発酵茶の滅菌処理を外注から内製化するため、滅菌器を導入した。発酵時の温度を一定に保ち品質を上げるため、恒温器と乾燥機を導入した。ティーバッグ加工の計量を正確かつ自動化するため、食品用少量自動計量装置を導入した。これにより後発酵茶の生産工程とティーバッグ加工の効率化を図った。

  • その他ラボ用乾熱滅菌器恒温器インキュベータ乾燥機食品用少量自動計量装置

新しい製品・サービス:鹿児島の麹菌を使った白麹・黒麹・黄麹の3種の黒茶「薩摩の黒茶」

事業の効果

  • 大幅な生産性向上
  • 3億ほどの効率化

滅菌処理の内製化により製品完成までの製造コストが大幅に削減された。ティーバッグ加工では正確な計量により商品ロスが減り、生産性が大きく向上した。メディアで「鹿児島の黒」として注目を集め、取引先も全国に広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決外注していた滅菌処理の内製化により製造コストを大幅に削減し、ティーバッグ計量の自動化で商品ロスを減らすなど、課題と対策が対応している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け白麹・黒麹・黄麹の3種の黒茶を量産できる点や、黒茶の機能性への期待が具体的に書かれ、製品の特長と訴求点が整理されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値鹿児島の麹菌をお茶に使った商品化は初めてで、弊社でしか作れない商品と位置付けられており、同分野での独自性が明確に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産性は大幅に向上するとあるが、数値の目標値は示されておらず、実現可能性を判断できる材料はわずかにうかがえる程度である。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    リーフ茶の売上減少を受け、試作を完了した後発酵茶やフレーバーティーをティーバッグ化する方針が示されており、取組の流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ペットボトル市場の急拡大に触れ、鹿児島茶の新たな販路を狙うとあるが、市場規模などの数字や自社の強みの根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    外注していた滅菌処理の内製化により製造コストを大幅に削減し、ティーバッグ計量の自動化で商品ロスを減らすなど、課題と対策が対応している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性は大幅に向上するとあるが、数値の目標値は示されておらず、実現可能性を判断できる材料はわずかにうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    従業員3名の小規模体制に加え、日本茶鑑定士や茶匠が仕入れや仕上げに関わると書かれており、人的体制は一定程度読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    白麹・黒麹・黄麹の3種の黒茶を量産できる点や、黒茶の機能性への期待が具体的に書かれ、製品の特長と訴求点が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    商談会への参加やメディア発信、ブランド化といった今後の取組は示されているが、時期や段階を示すスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    鹿児島の麹菌をお茶に使った商品化は初めてで、弊社でしか作れない商品と位置付けられており、同分野での独自性が明確に示されている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    鹿児島茶の新たな販路の開拓や、メディアでの注目、取引先の全国への広がりが書かれており、地域への波及効果は一定程度読み取れる。

  • 費用対効果3

    製造コストの大幅削減や効率化の効果が書かれているが、補助金額や付加価値額の数値が明示されておらず、費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    恒温器や乾燥機、計量装置の導入による工程の機械化は書かれているが、デジタル技術や新しいビジネスモデルへの言及はわずかである。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    黒茶の機能性への期待やお茶の消費拡大は書かれているが、成長分野への進出や日本経済の構造転換に関する記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及4

    鹿児島の麹菌を使った「薩摩の黒茶」として地域ブランド化を図り、鹿児島茶の新たな販路を切り拓く点が具体的に書かれている。

今後の展望

鹿児島の麹菌を使った茶の商品化は初めてで、自社でしか作れない商品として前面にPRし、商談会などに参加して新規取引先を開拓する。新しい鹿児島の黒「黒茶」としてブランド化し、メディア発信と国内外の需要開拓につなげたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。