新開発の看板商品をEC販売で通年販売し、感染拡大時でも売上確保

奈良県の卸売業・小売業の会社が、ものづくり補助金で製造機械を導入し、あんぽ柿バターを通年生産できる体制を整えた事例です。

株式会社堀内果実園

この事例のポイント

  • 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の影響で、人通りの多い立地にある直営カフェの売上が落ち込みました。
  • 製造工程の機材一式として、乾燥機、皮むき器、シール機、金属探知機を導入しました。
  • 機材の導入により処理能力が向上し、あんぽ柿そのものの製造効率と品質が向上しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社堀内果実園
所在地奈良県 五條市
業種飲食料品小売業

事業の背景

当社は奈良県五條市西吉野地域で柿を中心とした果樹栽培を行う農家で、法人化後は自社農園の果物を使った加工品の製造やカフェ運営に取り組んでいます。直営カフェは人通りの多い立地にあり、ECサイトと並んで経営の柱となっていました。

コロナ禍で直営カフェの売上が落ち込んだため、もう一方の柱であるECサイトの売上を安定させ、伸ばす必要がありました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の影響で、人通りの多い立地にある直営カフェの売上が落ち込みました。
  • 販路・情報発信ECサイトで安定して通年販売できる看板商品が不足していました。
  • 新製品・新技術直営カフェの客層である若い女性向けの商品がなく、カフェの客層をECサイトへ誘導することが難しい状況でした。
  • 生産能力あんぽ柿の乾燥工程と皮むき工程で機材を他の果物と共用しており、機材を占領して他の加工品の作業が止まることがありました。

やったこと

製造工程の機材一式として、乾燥機、皮むき器、シール機、金属探知機を導入しました。あんぽ柿バターの製造には、あんぽ柿そのものを量産する必要がありました。

既存のオリジナル商品であるあんぽ柿ジェラートは生食可能なA級品を原料としており供給量に限界がありました。そこで潤沢にある規格外品やSサイズの柿を用いることで、通年生産が可能になるようにしました。

新しい製品・サービス:あんぽ柿バター(ぽっ)

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

機材の導入により処理能力が向上し、あんぽ柿そのものの製造効率と品質が向上しました。他の加工品を含めた加工・製造工程全体の作業効率も向上しました。

皮むき工程を自動化・機械化したことで怪我の危険性が下がり、安全性も向上しました。これにより、あんぽ柿バターの製造体制を構築するという目標を達成しました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性既存のあんぽ柿ジェラートを基に姉妹品を開発し、ECと直営カフェを二本柱とする六次産業化の流れに沿っている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性都市部の集客力の高い直営店と果物の季節性・話題性を強みとし、規格外品やSサイズの柿で通年生産を可能にしている。
  • 4
    課題の認識と解決コロナ禍で直営カフェが不振だった課題を認識し、通年販売できる看板商品の不足を解消する形で量産体制を構築している。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標製造体制構築という目標の達成は述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載がなく、実現可能性を判断しにくい。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    既存のあんぽ柿ジェラートを基に姉妹品を開発し、ECと直営カフェを二本柱とする六次産業化の流れに沿っている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    都市部の集客力の高い直営店と果物の季節性・話題性を強みとし、規格外品やSサイズの柿で通年生産を可能にしている。

  • 課題の認識と解決4

    コロナ禍で直営カフェが不振だった課題を認識し、通年販売できる看板商品の不足を解消する形で量産体制を構築している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    製造体制構築という目標の達成は述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載がなく、実現可能性を判断しにくい。

  • 事業を進める体制3

    乾燥機・皮むき器などの機材一式を導入し、地元農家と一丸で新加工場の調整を進めるなど、遂行の体制は確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    若い年齢層と直営カフェの若い女性客をターゲットに、乳製品との相性を生かしたフレーバーバターを開発し、メディアでも人気を得ている。

  • 事業化までの道筋2

    新加工場の新設を計画しているが、時期は未定と書かれており、スケジュールと課題解決の方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    福島発祥のあんぽ柿を独自製法で生産し、通年販売可能なバタークリーム入りの新商品として展開しており、同分野での差別化がうかがえる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用4

    地元食材を優先的に仕入れ、道の駅的な複合施設で他地域からの集客と雇用創出を図るなど、地域への波及効果が具体的に示されている。

  • 費用対効果2

    機材導入で処理能力と作業効率が向上し安全性も高まったとあるが、補助金額に対する付加価値や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ECでの通年販売を進めるとあるが、先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルの具体的な記述は乏しい。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    六次産業化に力を入れていると述べられているが、成長分野への進出や日本経済の構造転換との関連は示されていない。

  • 地域経済への波及4

    西吉野の柿と地元農家・加工業者との連携を生かし、五條市の活性化と雇用創出を目指す新加工場計画があり、地域特性を活かしている。

今後の展望

五條北IC近隣に新たな加工場の新設を計画しています。時期は未定ですが、カフェ、果物狩りハウス、直売所を併設した道の駅的な複合施設とする予定です。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。