ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業京都府

買い物弱者へのサービス向上と地域住民の利便性向上を取組み地域密着店へ

有限会社ジョイクックおくだ

成果年商 1.88億円→2億円

この事例のポイント

  • 精米を頼みたい、精米所まで行ってほしいという声があり、商圏内では精米できる場所が遠く、地域住民の利便性が低かった。
  • 2016年12月、精米を早くできる高速高性能精米機を2台並べて設置した。
  • 年商 1.88億円→2億円。送迎バスと精米機の設置で地域になくてはならない存在となり、周辺の競合が売上を縮小させるなかで売上を伸ばすことができた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ジョイクックおくだ
所在地京都府 京丹後市
業種飲食料品小売業
従業員数13人
資本金3,000万円
設立1957年

事業の背景

昭和32年に食料品店として国道沿いで創業し、2004年に現在地へ移転して鮮魚・精肉・生鮮野菜・果物・惣菜などの食料品と家庭用雑貨を販売している。地場の繊維産業の衰退で人口が減り、お客様が大きく減少していた。商圏(周囲5km)は1100世帯3500人で、65歳以上の高齢者比率は34%と過疎地域に指定されている。65歳以上のみの世帯は304世帯(28%)に上る。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑精米を頼みたい、精米所まで行ってほしいという声があり、商圏内では精米できる場所が遠く、地域住民の利便性が低かった。
  • 販路・情報発信移動販売の衰退と人口減少で客数が減り、車両の老朽化もあって2015年12月に送迎サービスの終了を決めかけていた。

やったこと

2016年12月、精米を早くできる高速高性能精米機を2台並べて設置した。雨を避けられ、台車を置くことで年配の方も楽に利用できるよう工夫し、精米は30kg単価300円で設定した。副産物の糠を求める客も多いため、ヌカハウスを2か所設置して無償で提供し、糠を使ってもらうことで廃棄ゼロとした。精米機の事業を地域住民に知ってもらうため、新聞の折り込みや週2回のチラシ、自社サイト、フェイスブック、クックパッドの特売欄で周知し、店舗の国道沿いにのぼり旗や看板も掲げた。精米後に自宅まで配送するサービスも始めた。

加工機高速高性能精米機
その他送迎バス(14人乗り中古車両)

新しい製品・サービス:ぬか漬け

事業の効果

  • 年商 1.88億円→2億円
  • スーパー利用客の2割を超えるお客様が送迎バスを利用している。
  • 高齢者中心に、年間4000名を超える方々に利用されている。

送迎バスと精米機の設置で地域になくてはならない存在となり、周辺の競合が売上を縮小させるなかで売上を伸ばすことができた。精米機の設置で新規顧客を獲得し、ぬか漬けの新販売やヌカハウスによる糠の活用で廃棄ゼロを実現した。精米したての米でおにぎりや弁当の味も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過疎地で送迎バス運行と買い物弱者支援を続けてきた取組の延長に精米機があり、一貫性は読めるが経営戦略上の明確な位置付けは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    周囲5km商圏で競合が4km以上離れ、競合の売上が縮小する中で売上を伸ばしたとあり、強みは読み取れるが分析の深さは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    精米機設置と送迎サービスで利便性を高め、年商1億88百万円から2019年度2億円に到達したと具体的な数字で課題解決の成果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年商1億88百万円から2億円への伸長と、年間4000名超の利用者という数字が示され、実績に基づく見通しが読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員13人の小規模店で精米機運営や送迎を行っているとわずかにうかがえるが、体制や事務処理能力の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    精米を頼みたい、精米所まで遠いという顧客の声を調査し、精米30kg単価300円やニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    送迎バス運行、ヌカハウス設置、配送サービスなど今後の展開は示されるが、中長期の検証や遂行スケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    精米機を店舗内で提供する形は地域では珍しいとうかがえるが、普及度や高付加価値化の水準は明示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    過疎地の高齢者買い物弱者支援や糠のたい肥化による地元農家との循環など、地域的な意義が読み取れるが波及効果の数値はない。

  • 費用対効果3

    売上1億88百万円から2億円への伸長や新規客獲得が書かれ費用対効果はうかがえるが、補助金額に対する算出はない。

  • イノベーションへの貢献3

    糠の廃棄ゼロ化や地域再生業者によるたい肥化、地元農家の米生産など地域循環への貢献がうかがえるが、デジタル技術の活用は記載がない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    過疎地域で地元食材と精米サービスを提供し、地域住民の利便性を高め売上を伸ばしたと具体的に書かれ、地域特性を活かした事業と読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高齢化と過疎化が進むなかで買い物弱者向けの送迎バスサービスを継続し、商品開発も強化する。自家製ローストビーフは20~30代の若年層に好評で、今後も幅広い年齢層へ向けた商品開発を行い生き残りを図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。