ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

食べやすく、舌触りの良い黒糖加工品を開発

上野砂糖 株式会社

この事例のポイント

  • 固形黒糖はかち割りタイプの販売が低下しており、独自の市場調査でも市場の動きが変わりつつあった。
  • 黒糖を一口サイズのブロック型に成形する黒糖成形機ラインを平成27年度に本社工場へ導入した。
  • 黒糖成形機ラインの導入により、従来の固形黒糖の破砕で出ていた粉を大幅に減らし、吸湿による黒糖の品質劣化も防げるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名上野砂糖 株式会社
所在地大阪府 大阪市浪速区
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数62人
資本金5,000万円
設立1913年

事業の背景

大正2年に大阪市西区で創業した砂糖関連の会社で、黒糖の精製技術を約100年かけて磨いてきた。主な取引先は製糖メーカー、商社、量販店などで、沖縄県・タイ・ブラジルから黒糖を調達している。一般消費者への直接販売に加え、近年は菓子類やアイスクリーム向けの企業間取引も増えている。黒糖市場ではかち割りタイプの固形黒糖の販売が落ち込んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信固形黒糖はかち割りタイプの販売が低下しており、独自の市場調査でも市場の動きが変わりつつあった。
  • 品質・精度かち割りタイプの固形黒糖は「歪な形状で食べにくい」「硬い」といった意見が出ていた。
  • 生産能力ブロック型の黒糖は試験的な少量生産はできたが、販売に十分な量を安定して生産できなかった。

やったこと

黒糖を一口サイズのブロック型に成形する黒糖成形機ラインを平成27年度に本社工場へ導入した。粉状の黒糖を充填して圧縮し、一定の寸法にカットしてブロック型の成形品を作る仕組みにしている。成形品の寸法は縦16mm×横20mm×厚み9±1mmで、1バッチあたり90kg、1日20バッチ、歩留まりは97%まで向上した。平成28年にはコンピュータースケールを搭載した包装ラインを導入し、固形と粉状の製品を袋に充填できるようにした。平成27年11月にイベントでサンプルを配布してアンケートを行い、その結果をもとにパッケージ仕様を固めた。

加工機黒糖成形機ライン
加工機コンピュータースケールを搭載した包装ライン
検査測定コンピュータースケール

新しい製品・サービス:上野焚黒糖成形タイプ(加工黒糖)および災害備蓄用の焚黒糖

事業の効果

黒糖成形機ラインの導入により、従来の固形黒糖の破砕で出ていた粉を大幅に減らし、吸湿による黒糖の品質劣化も防げるようになった。安定したブロック型の黒糖を生産できる体制が整い、本格的な販売に備えられるようになった。包装ラインの導入で固形と粉状の製品を同じ工程で充填でき、省エネ効果も見込める。災害備蓄用の焚黒糖は防災製品等推奨品に認定され、ブロック型製品は量販店で新製品として採用が進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    大正2年創業から約100年黒糖精製の技術を磨いてきたとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    独自の市場調査で固形黒糖のかち割りタイプの販売低下を把握し、ブロック型への置き換えを図ったと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    成形ライン導入で固形黒糖の破砕粉を大幅軽減し、1バッチ90kg・1日20バッチ・歩留まり97%に向上したと数字で示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量は1バッチ90kg、1日20バッチ、歩留まり97%と具体的な数値が示されており、目標値の実現性を読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    パイロットライン研究や設備メーカーとの共同開発を進めたとあるが、補助事業の遂行体制について人材や事務面の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    縦16mm×横20mm×厚み9±1mmの一口サイズで舌触りを追究し、市場調査とアンケートを経てパッケージ仕様を固めたと書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    試験的少量生産からパイロットライン研究、設備導入、アンケート、量販店採用までの段階と課題解決の工夫が時系列で具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    固形黒糖の一般的な販売が低下する中、ブロック型で一口サイズの高付加価値な黒糖製品を開発した点が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    災害備蓄用の焚黒糖として防災安全協会の推奨品認定を得たとあり、社会的な意義はうかがえるが国が補助する理由までは書かれていない。

  • 費用対効果3

    歩留まり向上や粉の軽減、省エネ効果の包装ラインなど効果は書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    コンピューター計量スケールの包装ラインや給袋包装機の導入がうかがえるが、先端デジタル技術の地域やサプライチェーンへの貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    沖縄からの原料調達や大阪の砂糖業界での役割はうかがえるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及は明確でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

黒糖製品の新たな可能性を常に模索し、美味しさと安心・安全な製品を展開している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。