ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

塗料の再利用という生産プロセスの革新を図る

株式会社 日万産業

成果塗装作業者数 4名→2名

この事例のポイント

  • 従来の手作業では生産性を高めるにも限界があった。
  • 広山誠二社長が総責任者となり、工場長を作業実施の責任者として、補助金を使って最新の自動粉体塗装設備を導入した。
  • 塗装作業者数 4名→2名。新設備の導入により塗装漏れが大幅に減り、手作業の負担も軽くなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 日万産業
所在地大阪府 泉北郡忠岡町
業種その他の製造業
技術分野表面処理
従業員数50人
資本金1億円

事業の背景

同社は粉体塗装や溶剤塗装など各種塗装を行い、エアコン室外機や建機・農機具の塗装を強みとしている。取引先はエアコン室外機メーカーや金属部品メーカーなどである。粉体塗装の使用割合は4〜5年前の40%から、最近は60%を超えるようになっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の手作業では生産性を高めるにも限界があった。
  • 品質・精度従来の粉体塗装設備では塗装漏れが多く、熟練工4名の手作業で対応していた。
  • コスト・採算付着しなかった塗料の回収システムがなく、使用塗料の50%を廃棄処分しており、廃棄コストがかかっていた。
  • 納期・工程エアコン販売力強化のため、取引先から短納期と価格面の優位性も求められていた。

やったこと

広山誠二社長が総責任者となり、工場長を作業実施の責任者として、補助金を使って最新の自動粉体塗装設備を導入した。粉体塗装は有機溶剤や水などの溶媒を用いず、100%固形分の粉末状塗料を静電粉体塗装法で塗装する方式である。新設備により、品質が高く厚い塗装面の仕上がりと塗装漏れの大幅な軽減に取り組んだ。付着しなかった塗料を回収するシステムを整備し、廃棄される塗料の割合を50%から40%へ減らした。

加工機自動粉体塗装設備(粉体塗装システム)

事業の効果

  • 塗装作業者数 4名→2名
  • コンベア速度 1.5m/分→2.5m/分
  • 生産性 1倍→1.6倍
  • 塗料廃棄割合 50%→40%

新設備の導入により塗装漏れが大幅に減り、手作業の負担も軽くなった。塗装速度とラインの生産性が上がり、受注能力も20%ほど向上した。塗料の回収と廃棄削減により廃棄処分費用が減り、コストダウンにつながる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    事業内容として粉体塗装・溶剤塗装を強みとすることは書かれるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    エアコン室外機・建機・農機具の塗装に強みがあり、取引先から品質とコストダウン、短納期を求められていることが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業では塗装漏れが多く熟練工4名が必要だった課題を認識し、粉体塗装設備で対応する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    色替え時間を30分に短縮、コンベア速度1.5→2.5m/分で生産性1.6倍、受注能力20%向上、塗料廃棄率50%→40%など数値目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    社長が総責任者となり、工場長を作業実施の責任者にしたと書かれており、体制は読み取れるが事務処理能力などは薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐久性が高く厚い塗装が取引先から求められ、短納期と価格面の優位性が必要とされていることが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の戦略として高度化する顧客ニーズへの対応は書かれるが、遂行方法やスケジュールは具体的に読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    粉体塗装は溶剤塗装より膜厚を60〜80μmにでき耐久性が2倍以上になるなど、同分野で高品質化を図る内容が具体的に書かれている。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    塗装技術はほぼすべての産業に用いられ、環境負荷低減や高機能化が共通課題と述べられているが、雇用創出や波及効果の数値は薄い。

  • 費用対効果5

    作業者が4名から2名に減り、生産性1.6倍、塗料廃棄率の削減と廃棄費用の削減など、投資に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    塗装工程と周辺を含む技術やシステム化技術の高度化が求められると述べられるが、デジタル技術の活用は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    塗装プロセスの環境負荷低減や高機能化が共通課題とうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    大阪府忠岡町の拠点で事業を行うことは書かれるが、地域特性を活かした付加価値創出や地域成長への貢献は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も高度化する顧客ニーズに応えられる生産体制を確保していく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。