ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

証明書などの改ざんを防止する印刷用紙を製品化

古賀印刷 株式会社

成果1時間当たりの刷版製作可能枚数 8枚/時間→21枚/時間

この事例のポイント

  • 印刷工程には機械で対応できない作業が多く、熟練社員が厳しく目を配ることで印刷品質を維持していた。
  • 社内デザイナーが作成したデザインに、偽造防止のデザインソフトで設計した機能を掛け合わせ、線の種類や文字の大きさ、濃さ、色などを何種類も試して、セキュリティ保護に最適な用紙を作り出…
  • 1時間当たりの刷版製作可能枚数 8枚/時間→21枚/時間。サーマルプレートレコーダーの導入により刷版製作時間が短縮され、作業効率が大きく改善した。

事業者のプロフィール

事業者名古賀印刷 株式会社
所在地大阪府 大阪府柏原市
業種印刷・同関連業
従業員数16人
資本金1,000万円

事業の背景

大阪府柏原市を中心に、近隣自治体や大学、金融機関などと取引があり、名刺や伝票などの事務印刷からチラシ、看板、大判ポスターまで広告全般を手がけている。近年、個人情報保護の意識の高まりから自治体での改ざん防止用紙の採用が増えている。同社は以前から改ざん防止機能を持つ用紙の開発に取り組んできた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能印刷工程には機械で対応できない作業が多く、熟練社員が厳しく目を配ることで印刷品質を維持していた。
  • 生産能力印刷用の版を作る製版作業に時間がかかり、1時間当たり8枚しか刷版を製作できなかった。

やったこと

社内デザイナーが作成したデザインに、偽造防止のデザインソフトで設計した機能を掛け合わせ、線の種類や文字の大きさ、濃さ、色などを何種類も試して、セキュリティ保護に最適な用紙を作り出した。改ざん防止用紙は特殊なインクを使ったり、再現できない超微細なデザインを施したりして偽造や複製を防止する。水なし印刷の特性を生かし、0.7ポイント(0.25mm)以下の極端に小さな文字を模様のように配列したところ、コピーすると文字がつぶれて真っ黒な点のようになり、真贋をすぐに判別できる。サーマルプレートレコーダーは、パソコン上で作成した印刷物のデータを印刷用の版に直接焼き付ける装置である。水なし印刷機も導入し、改ざん防止用紙の開発に用いた。

加工機サーマルプレートレコーダー
加工機水なし印刷機
ソフト偽造防止デザイン設計用パソコンソフト

新しい製品・サービス:改ざん防止機能を持たせた用紙

事業の効果

  • 1時間当たりの刷版製作可能枚数 8枚/時間→21枚/時間

サーマルプレートレコーダーの導入により刷版製作時間が短縮され、作業効率が大きく改善した。水なし印刷機は改ざん防止用紙だけでなく他の印刷物の製作にも活用され、全社的な品質向上につながっている。改ざん防止用紙では、0.7ポイント以下の微細文字の印刷に成功し、偽造防止の技術として独自性を打ち出せるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    約20年前から社内でデザインを行い、熟練社員の技術をベースに改ざん防止用紙の開発に取り組んできたと書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自治体での改ざん防止用紙の採用増という外部動向に対し、社内一貫体制と技術力を活かして製品化したと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    機械で対応できない熟練作業という課題を示し、サーマルプレートレコーダー導入で刷版製作枚数が1時間8枚から21枚に増えたと書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    刷版製作枚数の向上は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    従業員16名で社内一貫体制を整え、熟練社員が品質に目を配ると書かれているが、補助事業を遂行する人員配置の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    0.7ポイント未満の微細文字でコピーを防ぐ改ざん防止用紙という価値と、自治体証明書や保証書など想定顧客が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    自治体証明書や製品保証書への採用を目指す、大学研究者への働きかけを始めるといった方向性は書かれるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    紙幣と同等の微細文字技術を用いた改ざん防止用紙で、0.7ポイント未満の文字印刷に成功したと、高付加価値の独自性が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    個人情報保護の意識の高まりや証明書の偽造防止という社会的背景はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    刷版製作枚数が8枚から21枚に増えたと数字で示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    パソコン上のデータを版に直接焼き付けるサーマルプレートレコーダーや偽造防止デザインソフトの活用が書かれ、デジタル技術の利用がうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    改ざん防止用紙で新たな用途を開発する方向性はうかがえるが、成長分野への進出や構造転換との関連は具体的に書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    地元の柏原市や近隣自治体、大学、金融機関との取引と地域ニーズへの対応が書かれるが、雇用創出や地域成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は自治体の各種証明書のほか、製品保証書やクーポン券などへの採用を目指し、広く企業や店舗に営業活動を展開する。コピー機による複製やデジタルカメラで真っ白になる用紙の開発にも取り組み、大学の研究者などへの働きかけも始めている。

事業者の声

特に海外に向けて製品を販売している国内企業のブランドや信頼を守るお手伝いをしたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。