ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

3次元パイプベンダーを導入し高齢者、介護福祉の分野に参入

株式会社ACT・ワタナベ

この事例のポイント

  • 同社が保有するパイプベンダーは年式が古く、製造元も廃業しているため、新たな機械の導入に迫られていた。
  • NC(数値制御)の3次元パイプベンダーを新たに導入した。
  • CNC3次元パイプベンダーの導入により、3次元曲線の背もたれフレームを溶接なしで加工できるようになり、強度が高く見た目もきれいに仕上がるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ACT・ワタナベ
所在地大阪府 堺市
業種金属製品製造業
技術分野立体造形
従業員数7人
資本金300万円
設立2002年

事業の背景

同社は金属製パイプの加工メーカーで、座椅子やリビングソファのいすのフレームに特化しており、日本では同様の加工メーカーはほとんど存在しない。平成14年の設立後、自ら企画・設計したフレームで新たな形を提案してきた。平成17年には背中を大きく伸ばせる座椅子「座・イスバウアー」を商標登録出願し、OEMで年1,000台以上製造するヒット製品となり、現在もコンスタントに売れ続けている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力同社が保有するパイプベンダーは年式が古く、製造元も廃業しているため、新たな機械の導入に迫られていた。
  • 品質・精度現有設備では2次元の加工しかできず、3次元曲線にするには溶接によるつなぎ加工が必要となり、曲面のなめらかさと形状に限界があった。
  • 新製品・新技術取引先や介護福祉関係の会社、NPO法人から、ユーザーの身体に合った車いすの背もたれフレームのパイプ加工の依頼があったが、対応できなかった。

やったこと

NC(数値制御)の3次元パイプベンダーを新たに導入した。従来のパイプベンダーと異なり、曲げ半径に応じた金型が不要で、3次元形状の曲げ加工を自由自在にできる。180度以上の曲げや緩やかで大きな曲げ加工も可能である。この機械を使い、身体全体を大きな曲線で包み込む形の車いす背もたれのフレームを試作した。さらに、簡易ベッドの手すりや歯科医師の椅子のパーツなども試作した。

加工機CNC3次元パイプベンダー

新しい製品・サービス:CNC3次元パイプベンダーを用いた、個々の体型に合わせて大きな曲線で体を包み込む車いすの背もたれフレーム

事業の効果

CNC3次元パイプベンダーの導入により、3次元曲線の背もたれフレームを溶接なしで加工できるようになり、強度が高く見た目もきれいに仕上がるようになった。これにより、高齢者向けや介護福祉の分野からの依頼や相談が増え、新たな取引の機会が広がった。車いすの交換需要の喚起も期待でき、新たなサンプルの提案にもつながっている。新しい機械の導入は、高齢者向けや介護福祉の分野に参入する足がかりとなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成14年設立以来、自ら企画・設計する座椅子事業を継続し、座椅子ヒット品を経て介護分野へ展開する一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    溶接不要で強度が高く見た目もきれいという強みや、取引先からの多種多様な依頼増加はうかがえるが、市場動向との関係は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    既存パイプベンダーが2次元加工のみで溶接つなぎが必要という課題を認識し、3次元ベンダー導入で一筆書き加工へ解決する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの数値目標は書かれていないが、新たな依頼や需要の掘り起こしへの期待がうかがえる。

  • 事業を進める体制2

    従業員7名や設立からの事業実績はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高齢者・介護福祉向け車いす背もたれの個別体型対応という顧客ターゲットと、既存の直線的な背もたれの課題が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作や簡易ベッドの手すり、歯科椅子パーツなど今後の展開は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    座椅子業界で図面なし・サンプル踏襲が常識の中、自社企画で強度を高めたフレームを提案し、国内に他にほとんどない加工を行っている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    高齢者・介護福祉分野への参入や新たな雇用・需要創出への期待はうかがえるが、国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元パイプベンダーによる加工技術の高度化は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大阪府堺市の地域企業として記載はあるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は高齢者向けや介護福祉の分野を新たな事業の柱に育てる考えで、さまざまな分野に種をまき、芽が出ることを期待している。

事業者の声

以前は溶接でつなぐことを前提に考えていたが、新しいベンダーを使えば“一筆書き”の加工ができる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。