ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業大阪府

日本の手ぬぐいの良さを世界に広める

神野織物株式会社

この事例のポイント

  • 海外から簡単に注文できる状態になっておらず、海外の需要に応えきれていなかった。
  • 3Dによる出来上がりをシミュレーションできるシステムを導入し、受注フローを見直した。
  • 3Dシステムの導入により受注フローが見直され、デザインやカラーの指定が染色工場まで自動で伝わるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名神野織物株式会社
所在地大阪府 吹田市
業種繊維・衣服等卸売業
従業員数9人
資本金1,000万円
設立1899年

事業の背景

明治32年創業の手ぬぐい・タオルの老舗問屋である。平成10年に展示会へ出展して大手企業や広告代理店などの新規取引先を開拓し、平成15年にはネット販売にも取り組んで社長自らサイトを作成した。その後は後発の業者も現れて競争が激しくなっている。海外の観光客が日本の土産として本染めの手ぬぐいを購入し、需要が広がりを見せている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信海外から簡単に注文できる状態になっておらず、海外の需要に応えきれていなかった。
  • 販路・情報発信日本の文化である手ぬぐいの魅力を、海外向けに十分に伝えられていなかった。
  • 納期・工程オリジナルデザインの注文には電話連絡などを織り交ぜて対応しており、受注から製作までの工程に手間がかかっていた。

やったこと

3Dによる出来上がりをシミュレーションできるシステムを導入し、受注フローを見直した。これにより染色工場にまでデザインやカラーの指定を自動化でき、製作工程の短縮化と短納期化を実現した。CMS(コンテンツ管理システム)を利用してサイトのメンテナンス性を高めた。日本の四季、手ぬぐいの作業工程、手ぬぐいの使い方の動画を作成し、海外から簡単かつ安心して発注できるサイトを構築した。今後は英語に加えて他の言語にも対応する計画である。

ソフト3Dシミュレーションシステム
ソフトCMS(コンテンツ管理システム)

事業の効果

3Dシステムの導入により受注フローが見直され、デザインやカラーの指定が染色工場まで自動で伝わるようになった。その結果、製作工程の短縮と短納期化が実現した。動画による情報発信を備えた海外向けサイトにより、海外から簡単かつ安心して発注できる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成10年の展示会出展や平成15年のネット販売開始など、過去の取組が海外向けサイト整備へ一貫してつながっている点が読み取れます。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外観光客の土産需要や日本語サイトを持つ強みはうかがえるが、競争優位性を裏付ける具体的な分析や数字は書かれていません。

  • 課題の認識と解決3

    海外サイトの課題として品質訴求や情報発信などが整理されていますが、高付加価値化の効果を示す数値目標は書かれていません。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    海外からの引き合いが徐々に増えているとだけあり、付加価値や賃上げの目標値は示されていません。

  • 事業を進める体制3

    従業員9名で社長自らサイトを作成した経緯はあるが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的な記述は薄いです。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海外の観光客や一般の人を顧客ターゲットとし、手ぬぐいの品質や使い方の情報発信で選ばれる理由を整理しています。

  • 事業化までの道筋3

    来年の海外展示会参加や3Dシステム導入など時期は示されていますが、遂行方法や課題解決の詳細は十分ではありません。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    本染め手ぬぐいの海外需要の広がりはうかがえるが、高水準の高価格化や普及度の低さを示す記述はわずかです。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    手ぬぐい文化の海外発信は述べられていますが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は読み取れません。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dによる出来上がりシミュレーション、CMSの活用、動画による多言語の情報発信など、デジタル技術の活用が具体的に書かれています。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    海外市場開拓という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する成長分野への進出とまでは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大阪府吹田市の老舗である点は記載されていますが、地域特性を活かして雇用や地域経済を牽引する内容は薄いです。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はサイトの多言語対応を進め、海外向けにオリジナルな手ぬぐいのデザインを積極的に提案していく。来年には海外の展示会にも参加し、新たな用途開発に向けた参考出品を行う考えである。

事業者の声

とにかく世界中に日本の手ぬぐいの良さをわかってもらいたい、その一心です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。