ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

装具や義肢の高度化に挑む。インソールの設計技術が強み

有限会社 大阪義肢

成果インソール1組の製作時間 100分→45分

この事例のポイント

  • インソールの製作に専門技能者と時間が必要で、技術があっても事業の裾野を広げにくかった。
  • インソールの製作にCAD/CAMシステムを導入した。
  • インソール1組の製作時間 100分→45分。CAD/CAMシステムの導入により、インソール1組の製作時間が従来の約100分から約45分へと大きく短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 大阪義肢
所在地大阪府 堺市
業種その他の製造業
技術分野製造環境,立体造形
従業員数7人
資本金200万円
設立1976年

事業の背景

同社は医療用装具や義足、義手などを生産・販売し、主力は足底装具、短下肢装具、コルセット、義足である。政府の健康寿命の延伸の方針などを背景に、インソールには市場の潜在的な広がりがあると見ている。社会保障費の増加から医療費抑制として予防が重視され始めており、インソールの設計技術を強みに予防や健康増進の市場に商機をうかがっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力インソールの製作に専門技能者と時間が必要で、技術があっても事業の裾野を広げにくかった。
  • 生産能力インソールの製作工程がおおむね8段階すべて手作業で、製作に時間がかかっていた。

やったこと

インソールの製作にCAD/CAMシステムを導入した。製作は足形のモデルをスキャナーでシステムに取り込み、デジタルデータを基に顧客の症状に合わせて修正する。そのデータを基にインソール材の専用切削機で加工する。あわせて足形を直接計測する3次元足型計測機を導入した。手作業に頼る工程は一部残っている。

ソフトCAD/CAMシステム
検査測定3次元足型計測機
加工機インソール専用切削機
検査測定シャーム計測器

事業の効果

  • インソール1組の製作時間 100分→45分
  • 製作人員 2人→1人

CAD/CAMシステムの導入により、インソール1組の製作時間が従来の約100分から約45分へと大きく短縮された。デジタルデータが残るため顧客の足形を正確に再現でき、経験の浅い従業員も担当しやすくなった。製作人員も2名に対して1名で済むなど生産効率は格段に高まった。厚労省価格の半額以下の1万円台で提供できる見込みで、価格面でも優位になるとしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    足形の計測や扁平足などの足の変形への対応がインソール設計の強みとして示されるが、過去の取組との連続性や戦略上の位置付けは詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    健康寿命の延伸や予防重視の政策を背景に市場の潜在的広がりを示し、厚労省価格の半額以下の1万円台で提供できる点を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    製作時間を約100分から約45分に縮めた具体的な課題解決と、予防・健康増進市場への展開を示しており、高付加価値化につなげる方向がうかがえる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    製作時間の短縮や製作人員2名に対し1名で済む点は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員7名のうち製作人員を2名から1名にできる点や、経験の浅い従業員も担当しやすくした点から体制面がうかがえるが、事務処理能力などは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客の症状に合わせたインソールを1万円台で提供し、地域の病院やスポーツジムへの普及を模索すると、ターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    地域での相談会実現など今後の方向は示されるが、中長期の課題検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    インソールの自費市場は一般的普及度が低く、予防向けの設計技術で高付加価値を狙うことが示されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    社会保障費の増加を背景に予防重視へ移る政策動向に触れるが、経済波及や雇用創出の具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    製作時間が約半分になり製作人員も2名から1名で済むなど効率化の数字はあるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元足型計測機やCAD/CAMを導入し、デジタルデータで顧客の症状に合わせた設計を行う点がデジタル技術の活用として示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    予防・健康増進市場への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    堺市の地域の病院やスポーツジム、子ども会と連携した相談会構想が地域活用として示されるが、雇用や地域経済成長の数字はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地域の病院やスポーツジム、子ども会などで「足と靴の相談会」ができないか、啓発と普及の方法を模索している。また効率改善とコスト低減に向け、CAD/CAMメーカーとソフトウエアの改良を進めている。

事業者の声

それだけに地域で、足の健康を後押しする相談会を是非実現したいです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。