ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

最新型の分析装置の導入によって製品開発力と顧客対応力の強化を図る

富士香料化工 株式会社

この事例のポイント

  • 従来の香料成分の分析装置は老朽化が進み、微量成分を検出できない問題があった。
  • ガスクロマトグラフ分析装置一式を導入し、解析力の向上と解析時間の短縮化を図った。
  • 新たに導入したガスクロマトグラフ分析装置により、香気成分の高精度な微量分析が可能となり、従来機では検出されなかった微量成分を検出できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名富士香料化工 株式会社
所在地和歌山県 橋本市
業種その他の製造業
技術分野測定計測
従業員数45人
資本金3億円
設立1964年

事業の背景

創業は1964年で、当初は洋菓子店やパン屋向けに食品香料を販売していたが、現在は大手食品メーカーを得意先としている。現在の主力事業は、お菓子、アイスクリーム、デザート、飲料に入れるスイート系の香料の開発・販売である。製菓、製パン、飲料などの各社で製造品目が増えており、コンビニやスーパーの店頭では差別化のためインパクトのある味が求められ、食品・飲料メーカーの製品開発スピードも上がっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の香料成分の分析装置は老朽化が進み、微量成分を検出できない問題があった。
  • 品質・精度香気成分を効率良く分離できず、得意先の細かな要望に的確に応えられなかった。
  • 人手・技能分析に時間がかかり、食品香料の開発・製造にかかる時間を短縮する必要があった。

やったこと

ガスクロマトグラフ分析装置一式を導入し、解析力の向上と解析時間の短縮化を図った。新たに導入した装置により、香気成分の高精度な微量分析が可能となり、従来機では検出されなかった微量成分を検出できるようになった。分析に至るまでの温度設定や供給ガスの制御など機械内部の環境設定がすべて自動化され、作業時間の大幅な短縮につながった。従来は急速に熱を逃がしたり冷やしたりすることが容易でなかったが、作業の待ち時間も短縮できた。

検査測定ガスクロマトグラフ分析装置

事業の効果

新たに導入したガスクロマトグラフ分析装置により、香気成分の高精度な微量分析が可能となり、従来機では検出されなかった微量成分を検出できるようになった。微量成分を検出することで、得意先から求められている香気成分の再現性を高められるようになった。分析の自動化により作業時間が大幅に短縮され、作業の待ち時間も短くなった。その結果、新たに生み出すことができた時間を新たな食品香料の開発に充当できるようになり、自社提案型の営業も増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の分析装置が老朽化し微量成分を検出できない問題があり、新装置導入で対応する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    得意先の要望に応じて何千種類もの原料から香料を提案できる点が強みと書かれている。ただ市場全体の動向や競合との比較は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    微量成分が検出できず香気成分を効率よく分離できない課題を認識し、分析時間短縮で開発時間を新製品に充てると具体的に記述されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    分析時間の短縮は述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    フレーバー開発室や応用開発室があり、創業以来の開発経験が読み取れる。ただ補助事業を遂行する人員や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    得意先の要望に合わせた香料を迅速に作れる点が強みで、健康食品からのマスキング香料の依頼増など顧客ニーズの裏付けが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新工場への移転や分析機器の活用で開発力を高める方針は読み取れるが、遂行スケジュールや課題解決の具体的方法は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    香料の分野で同業の中で高度な要望に応える点は書かれているが、分野の普及度や高価格化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    食品・飲料メーカーの製品開発スピード向上や健康食品の高齢化対応に触れるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    作業時間の大幅な短縮や待ち時間の短縮は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    分析工程の自動化は述べられているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献までは具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    本社機能を大阪から橋本市の工場に移したと書かれ、地域での事業展開がうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用の記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

多様化する得意先の要望に即座に対応できるよう開発力を高める上で、食品香料を作り上げる。健康食品業界からの依頼増加も見込まれるため、導入した分析機器を駆使して開発力を高めていきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。