ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

大型の塩素系噴流洗浄装置を導入し、2mの長尺部品に対応

ナニワ精工 株式会社

成果大型部品洗浄の作業人数 2名→1名

この事例のポイント

  • 大型部品の洗浄は手作業で、簡易設備や木枠に貼ったシートなどの工夫で対応しており、非効率だった。
  • 大型の塩素系噴流洗浄装置を導入し、装置メーカーと協同で長さ2mの長尺部品に対応できる洗浄設備を製作した。
  • 大型部品洗浄の作業人数 2名→1名。大型部品の洗浄工程が半減し、2〜3名で対応していた作業を1名に削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名ナニワ精工 株式会社
所在地大阪府 東大阪市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数11人
資本金1,000万円
設立1926年

事業の背景

1926年(大正15年)にめっき・バフ研磨によるバリ取りで創業し、昭和60年代に脱脂洗浄処理とバレル研磨の2分野に進出した。主力は金属部品の塩素系脱脂洗浄とバレル研磨で、主な取引先は建築部品、自動車部品、ねじ・ナット、空調機器の各メーカーである。これまでは自動車部品や建築部品などの比較的小さな部品を中心に扱い、洗浄機のサイズを超える大型部品は工夫で乗り越えてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能大型部品の洗浄は手作業で、簡易設備や木枠に貼ったシートなどの工夫で対応しており、非効率だった。
  • 品質・精度手作業の洗浄では洗浄の清度にムラが生じていた。
  • その他塩素系有機溶剤を扱う作業者が不慮の事故にあう危険性がゼロではなく、換気対策だけでは抜本的な解決にならなかった。

やったこと

大型の塩素系噴流洗浄装置を導入し、装置メーカーと協同で長さ2mの長尺部品に対応できる洗浄設備を製作した。洗浄は粗洗い、濯ぎ洗い、乾燥の3層の構成とし、一般的な横型では広い設置場所が必要になるため、チェーン駆動でゴンドラを昇降させる縦型設計にして省スペース化した。仕上がりの清度を上げるため、噴流だけでなくシャワーも装備した。部品を入れたカゴを設置すると、洗浄から乾燥まで自動で進む仕組みとした。

その他大型部品用自動洗浄機(塩素系噴流洗浄装置)

事業の効果

  • 大型部品洗浄の作業人数 2名→1名

大型部品の洗浄工程が半減し、2〜3名で対応していた作業を1名に削減できた。自動化によって洗浄の清度のムラもなくなった。塩素系溶剤の気化が抑えられ、作業者のリスクがなくなり、重量物を移動する負担も大幅に減って作業環境が改善した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    大正15年創業から脱脂洗浄とバレル研磨に進出し、めっきで蓄積した技術を活かしている点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    2m対応の洗浄設備を保有する企業は極めて少なく、価格や納期の対応力から競争力が増すと書かれている。市場動向の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で2-3名を要していた作業が1名に削減され、大型部品の工程が半減したと具体的に記載されており、課題と解決が対応している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工程半減や2-3名から1名への削減は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    社長や従業員11名の体制、装置メーカーとの協同製作は書かれているが、補助事業の遂行体制として詳しくは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    2m対応可能な設備により清度の高さをアピールし、新規開拓を進める計画で、選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    繁忙期の平準化や洗浄対象物の多様化、炭化水素系設備の導入検討など今後の課題と方針は書かれているが、スケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    2m対応の洗浄設備を保有する企業は極めて少ないと書かれており、同分野での差別化は読み取れるが、高付加価値化の数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    塩素系溶剤の作業者リスク低減や環境改善が書かれているが、川上川下への波及効果や雇用創出の記載はない。

  • 費用対効果2

    投入額や付加価値額の増加は書かれておらず、作業者の負担減少など定性的な効果のみ読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化設備による洗浄・乾燥の自動化は書かれているが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    塩素系から炭化水素系への溶剤転換の流れに触れているが、日本経済の構造転換に資する記述は限定的。

  • 地域経済への波及2

    東大阪の高井田で創業し地域の事業者と取引する旨はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出の記載は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

長尺部材に対応できることを広くアピールし、清度の高さなどの技術面の提案を進めて新規顧客の開拓を計画している。繁忙期の平準化のため洗浄対象物を多様化することが今後の課題である。炭化水素系の洗浄設備の導入も視野に入れ、多様なニーズに対応できる設備体制の構築を目指している。

事業者の声

大型部品や特殊形状の洗浄は簡易設備の作製などの工夫と人手でするのがオールマイティーで対応しやすいが、作業者の体力と環境を考えれば自動化設備が必然

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。