ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

工作機械用ワーク保持具のピン穴加工で公差±0.01㎜

株式会社 アイ・エム・ジー

成果寸法公差 0.02mm→0.01mm

この事例のポイント

  • 主要顧客の要望を受け、差別化の拡大につながる寸法公差±0.01mmへの挑戦が必要になった。これまで実現してきた±0.02mmのシビアな公差を、さらに上回る精度を確立する必要があった。
  • 斜めのピン穴加工に対応できる機械剛性を持つオークマ製マシニングセンター「MB-66VB」を導入した。
  • 寸法公差 0.02mm→0.01mm。寸法公差±0.01mmを実現し、他社に対する断トツの精度を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 アイ・エム・ジー
所在地大阪府 八尾市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1955年

事業の背景

昭和30年の創業以来、部品加工を主力とし、工作機械のワーク保持具や高精度部品を手がけてきた。金属に加え樹脂も加工でき、一品モノへの対応力と早さを武器としている。一般的な寸法公差は±0.03~0.05mm程度で、同社は±0.02mmのシビアな公差で存在感を高めてきた。10数年前からは部品加工技術を生かし装置設計・製造分野にも参入したが、工作機械や保持具では中国メーカーが技術を追い上げていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度主要顧客の要望を受け、差別化の拡大につながる寸法公差±0.01mmへの挑戦が必要になった。これまで実現してきた±0.02mmのシビアな公差を、さらに上回る精度を確立する必要があった。
  • 品質・精度旋盤用ワーク保持具の斜めのピン穴加工には、熱変位制御と機械剛性が課題となっていた。

やったこと

斜めのピン穴加工に対応できる機械剛性を持つオークマ製マシニングセンター「MB-66VB」を導入した。室温や主軸回転速度の変化によって発生する熱変位を、機械と主軸の最適制御で抑制した。刃先から切削液を供給する内部クーラントを採用し、ワークと工具の熱を抑えて寸法精度のバラつきを最小限にした。これにより、旋盤用ワーク保持具の中心の油圧アーバーの穴と爪のピン穴について、径と各円中心の距離の公差±0.01mmを実現した。

加工機オークマ製マシニングセンター「MB-66VB」

事業の効果

  • 寸法公差 0.02mm→0.01mm

寸法公差±0.01mmを実現し、他社に対する断トツの精度を確立した。内部クーラントの採用により寸法精度のバラつき抑制だけでなく生産性にも好影響があった。主軸回転数や送りを高くできるため生産性は約10%程度向上した。これまでのPRポイントであった高い品質と短納期の両立にさらに磨きをかける体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の部品加工が主力で、装置設計・製造分野へ十数年前に参入したと書かれ、経営の流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    公差±0.01mmへの挑戦や、中国メーカーの追い上げへの言及はあるが、市場動向の数値分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    公差±0.02mmから±0.01mmへの精度向上で顧客要望に応え、装置設計・製造の増強を今後の戦略として示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    公差±0.02mmから±0.01mmを実現し、生産性は約10%向上したと具体的な数値で成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    設計エリアを約1.5倍に拡大し、CAD/CAMと人員を増強する計画が書かれているが、体制の詳細は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度や短納期、一品モノ対応が強みとして示されるが、顧客ターゲットの整理や需要の数値根拠は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は装置設計・製造の強化とあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    工作機械用ワーク保持具で、同分野で高精度の公差±0.01mmを確立したと書かれており高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    省人化につながる製造設備のニーズ拡大に触れているが、国が補助する理由としての波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果2

    生産性約10%向上とあるが、補助金額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    カメラやセンサーを用いた高精度位置決め装置に触れているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    電気自動車の普及で部品需要が変わる見通しに触れるが、構造転換への貢献としては具体性が薄い。

  • 地域経済への波及2

    大阪府八尾市の企業とあるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

部品加工の革新にめどをつけた今、装置設計・製造分野を強化する方針である。本社工場の増築で設計エリアを約1.5倍に拡大し、CAD/CAMと人員を順次増強する計画がある。加工ノウハウを保持具以外の部品加工にも応用し、装置市場の新規開拓を進める。

事業者の声

「断トツの精度や技術を持つことで、顧客と長く深い関係を築くことができる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。