ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

自動車用エアバッグのインフレータ用部品製造におけるトレーサビリティの確立

株式会社富士パッキング工業所

成果測定誤差 0.1mm→0.01mm

この事例のポイント

  • 取引先が求める検査測定誤差±0.01㎜を実現できない。
  • エアバッグを膨らませるインフレーターの部品のうち、火薬を固定するクッション部品の製造・検査工程に自動化設備を導入した。
  • 測定誤差 0.1mm→0.01mm。検査工程を自動化したことで、測定誤差を±0.1mmから±0.01mmに抑えられた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社富士パッキング工業所
所在地大阪府 大阪府茨木市
業種プラスチック製品製造業
技術分野測定計測
従業員数35人
資本金1,000万円
設立1963年

事業の背景

昭和38年創業の部品メーカーで、自動車、住宅設備、家電製品などに使われる絶縁材、パッキング材、断熱材、吸音材などの設計・開発から生産までを手がけている。自動車向けではブレーキシューの断熱材やエアバッグインフレーター用クッション材を納入している。売上では、どの納入先も売上高の2割を超えず、1割程度を占める5〜6社を中心に分散している。一般消費者向けの事業は売上高の約1割である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度取引先が求める検査測定誤差±0.01㎜を実現できない。
  • 生産能力クッション部品の需要増に対して生産能力が足りない。
  • 品質・精度製品断面の目視検査では見落としの可能性がある。

やったこと

エアバッグを膨らませるインフレーターの部品のうち、火薬を固定するクッション部品の製造・検査工程に自動化設備を導入した。それぞれの工程に材料の厚みを測定する装置と、製品寸法を画像測定できる装置を設けた。検査工程では自動画像寸法測定器を用い、目視や手作業を減らした。自動設備で材料の厚み検査と打ち抜き加工を同時に行い、検査工程の時間を短縮した。

検査測定材料厚み測定装置
検査測定自動画像寸法測定器

事業の効果

  • 測定誤差 0.1mm→0.01mm

検査工程を自動化したことで、測定誤差を±0.1mmから±0.01mmに抑えられた。検査工程の自動化により、1日あたり6240個分の検査が可能になり生産性が向上した。検査データによるトレーサビリティを確立し、顧客に提供できる体制が整った。生産能力も増強され、手作業の削減により人手不足対策や働き方改革にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去に自動車エアバッグ向けの部品工程で自動化を進めた事例はあるが、経営戦略との位置付けは本文から明確に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    売上の2割超を単一先に依存せず1割程度の5〜6社に分散、コロナ禍で自社ブランド製品の売上を前年同期比2倍以上に伸ばした点が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    課題として検査誤差±0.1mm、生産能力不足、目視検査の見落としを挙げ、自動検査導入で誤差を±0.01mmに抑えた。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    検査工程を自動化し1日あたり6240個分の生産性を向上したと数字で示されており、目標の裏付けもある。

  • 事業を進める体制3

    社員とともに業務に臨む姿勢や、派遣社員からの正社員登用など人材面の記述はあるが、補助事業の遂行体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    社内取り組みの発信が引き合いにつながったと述べ、一般消費者向け断熱・吸音製品の用途や顧客像が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    BtoCの売上割合を約1割から3割へ引き上げる構想はあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ゴム・スポンジ・FRP等の加工は一般的だが、自社ブランド『美音』の車内音響改修向け製品で差別化している点が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    自動車エアバッグの安全性向上という社会ニーズへの言及はあるが、波及効果や雇用創出への言及は薄い。

  • 費用対効果4

    検査工程の自動化で生産能力増強と1日6240個の生産性向上を実現しており、投入額に対する効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    自動画像寸法測定とデータによるトレーサビリティを顧客に提供する体制を構築しており、サプライチェーンへの貢献がうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大阪府茨木市の企業であることや子育て世代の就労支援は書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出としての記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

長年にわたって、さまざまな材料を扱ってきた経験があり、顧客の求める用途に合わせた、材料や加工方法を提案できる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。