ものづくり補助金平成30年度製造業山口県

高性能・短納期・低コストを実現する革新的ダイアフラムの開発

大洋パッキング株式会社

この事例のポイント

  • 従来の受託生産による多品種少量生産から脱却し、少品種大量生産へ事業形態を変えるため、製法上の改善が必要だった。
  • グローブ型ダイアフラムの自社設計開発体制を構築するため、有識者との契約、外部知見と当社知見の融合、開発組織の設立、発注元との調整を進めた。
  • サーボプレスの導入により、作業者は圧縮工程中に他の作業を行えるようになり、生産性が改善した。

事業者のプロフィール

事業者名大洋パッキング株式会社
所在地山口県 美祢市
業種ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業 以外)
従業員数98人
資本金9,800万円
設立1920年

事業の背景

当社は工業ゴム製品の製造メーカーで、近年は客先のニーズに応えて食品・医薬品向けのフッ素樹脂製ダイアフラムの受託製造を始めている。品質の安定性と信頼性に優れると自負し、大手バルブ・ダイアフラムポンプメーカー各社に供給している。主力製品はウエア型バルブ用ダイアフラムである。医薬品用ダイアフラムバルブはウエア型が大半だったが、食品・医薬品分野ではグローブ型の要求が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の受託生産による多品種少量生産から脱却し、少品種大量生産へ事業形態を変えるため、製法上の改善が必要だった。
  • 新製品・新技術グローブ型ダイアフラムは当社にとって全くの新規開発で、自社設計の開発体制を構築する必要があった。

やったこと

グローブ型ダイアフラムの自社設計開発体制を構築するため、有識者との契約、外部知見と当社知見の融合、開発組織の設立、発注元との調整を進めた。その結果、グローブ型ダイアフラムの構想設計がまとまった。一次成形工程(圧粉)の生産性向上を目的に、高機能型の最先端サーボプレス機を導入した。出荷時の寸法評価機として非接触3D形状測定機を導入した。製品保証に必要なダイアフラムの耐久試験は当社の現有設備で対応した。多くのテストの結果、当初計画どおりの口径、開閉ストローク、耐久性などを満たす製品ができた。

加工機サーボプレス
検査測定ワンショット3D形状測定機

新しい製品・サービス:グローブ型ダイアフラム(長寿命・大流量化を実現し、短納期・低コストを具備するフッ素樹脂製ダイアフラム)

事業の効果

サーボプレスの導入により、作業者は圧縮工程中に他の作業を行えるようになり、生産性が改善した。自動化により微細な圧力条件の確立にも役立っている。3D形状測定機で成型品の寸法を確認できるようになった。多くのテストの結果、当初計画どおりの口径、開閉ストローク、耐久性を満たすグローブ型ダイアフラムが完成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    特許取得の粉体成型技術を活用し、受託生産からの脱却と少品種大量生産への転換を目的とした点は読み取れるが、既存事業との関係の詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    食品・医薬品向けフッ素樹脂ダイアフラムの受託製造実績と、大手メーカーへの供給という強みは書かれているが、市場動向との対比は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    ウエア型からグローブ型への需要変化を課題として認識し、大流量・長寿命化で対応した点は読み取れるが、財務や数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上を目的とすると書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    有識者との契約、外部知見の融合、開発組織の設立、発注元との調整など体制整備の取組は書かれているが、人材の数値は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    耐久性や大流量などの製品特性と顧客ニーズへの対応は書かれているが、ターゲット顧客の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    構想設計、試作、テストと段階を追った進め方は書かれているが、スケジュールや課題解決の具体策は詳しくない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    グローブ型は当社にとって全くの新規開発で、大口径・長ストロークという高水準の製品特性を目指した点が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    食品・医薬品製造市場の生産性向上への寄与は書かれるが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    サーボプレスにより作業者が他作業を行えるようになったと書かれるが、費用対効果を示す数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    サーボプレスや3D形状測定機による生産・検査の高度化は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山口県美祢市の企業という情報はあるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

補助事業で導入した機器を最大限に活用し、幅広い顧客のニーズに合ったダイアフラムバルブの開発を継続する。顧客が満足する製品の提案と生産が可能なバルブメーカーを目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。